イデトモタカ

コピーライター/作家。著書に人気のnoteをまとめた書籍『フリーランスで「超」成果を上…

イデトモタカ

コピーライター/作家。著書に人気のnoteをまとめた書籍『フリーランスで「超」成果を上げる プロジェクトワーカーとしての働き方』(ぱる出版)、『絵空事ではないパーパス経営のための第一歩 会社・社員変革が加速する社内通達[インターナルレター]の書き方』(つた書房)がある。

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フリーランスが人脈を拡げようとするのは、なぜNGなのか?

こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。 新時代を生き抜くためのシン・フリーランス論。今回は「ネットワーク」についてです。 「サバイバル・スター」の解説は…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第9話&エピローグ

■変わることは過去の自分への『プレゼント』「今、なんて言いました……?」  ダブトラの朝昼兼用ご飯を用意する手が止まる。  ちょっとコンビニ行ってくる、くらいのノ…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第8話

■非暴力コミュニケーションのすすめ「こっ、こっ、こっ、」 「うっせーな、ニワトリに取り憑かれたのか?」 「これ、変じゃないですかね?」  何度目かの着替えを終え、…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第7話

■なぜ人は読んだ本の内容を忘れてしまうのか「AIDAの話のとき、お前DのDesireが言えなかっただろ」 「そうですね」 「ありゃ、なんでだ?」  なんで? 「いや、そう…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第6話

■人を動かす『ダブル・トライアングル』理論 今日は休みだ。  あれからダブトラから教わったことを元に、サクラと販売用ウェブページのテスト直しをした。再リリースし…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第5話

■行動しないのは『パワーオン』していないから「思ったほど、売れませんでした」 「だろうな」 「はい──って、ええっ!?」 「なに驚いてんだよ」  ノートパソコンでアニ…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第4話

■問題は『問題』が解決されてこなかったこと「あの、またちょっと、困った感じになりまして……」  パソコンでお笑い番組を観ているダブトラが、モニターに顔を向けたま…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第3話

■理想の未来に『情熱』を抱かせるのが営業「助けてください!」 「お前はのび太か。今度はなんだよ。おれはドラえもんじゃねえんだぞ」  床で漫画を読んでいたダブトラは…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第2話

■共感を呼ぶ『痛み』は高低差から生まれる「大変なことになりました」  僕はソファーで寝転がるダブトラの前に正座した。 「なんだよ」  前足を舐めながら、興味なさ気…

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【小説】『100万倍伝えられる猫』プロローグ&第1話

■あらすじ■プロローグ「日曜だからって、いつまでも寝てんじゃねえよ」  うん。でも、もうちょっと……。 「起きろよ。退屈なんだよ。それに、腹も減ったし」  わかっ…

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20年追求した読書の結論(速読編)

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本を読むという行為を改めて考える

イデトモタカ
2週間前
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ものごとを「修得する」とはどういうことか?

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能力やスキル、ある領域をマスターすることの本質

イデトモタカ
2週間前
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【小説】『売却少女』第3話

「はなしかけないで」  二限後の休み時間、ルート上の星印にほぼぴったりのタイミングで到着した蓬生の「あの──」に対し、四ツ葉は表情一つ変えずそう言った。 「えと、…

イデトモタカ
3週間前
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【小説】『売却少女』第2話

 一限目の号令にすべり込みで間に合った蓬生は、結果として「あさはぎりぎりにきて」という四ツ葉との約束を守ることになった。ただ昨晩眠れなくて朝寝坊しただけだったが…

イデトモタカ
3週間前
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【小説】『売却少女』第1話

■あらすじ第1話 宇宙人が教室の窓枠に立っていた。  その宇宙人は同級生の女の子で  反射的に助けるつもりが  死なせてしまった。        *  五限目終了の…

イデトモタカ
3週間前
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【B面昔話】モモから生まれて鬼を倒すのはなぜか?(桃太郎編)

物語には寿命があります。 永く語り継がれるストーリーほど、人類にとって普遍的な教訓、ものの本質が内包されているものです。 しかし、通常そうしたメッセージは「隠さ…

イデトモタカ
3週間前
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フリーランスが人脈を拡げようとするのは、なぜNGなのか?

フリーランスが人脈を拡げようとするのは、なぜNGなのか?

こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。

新時代を生き抜くためのシン・フリーランス論。今回は「ネットワーク」についてです。

「サバイバル・スター」の解説は、こちらをご覧ください。

■5秒で読みたい人向け(まとめ/目次)■人脈を「拡げよう」とするのはナンセンスとにかく人脈。とりあえず異業種交流。会社員を長くやってから独立開業した人ほど、そう思い込みがちです。

会社という「看

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第9話&エピローグ

【小説】『100万倍伝えられる猫』第9話&エピローグ

■変わることは過去の自分への『プレゼント』「今、なんて言いました……?」
 ダブトラの朝昼兼用ご飯を用意する手が止まる。
 ちょっとコンビニ行ってくる、くらいのノリで、ダブトラが再度言う。
「だから、今日で出ていくって──」
「なんで!」
 思っていたより大きな声が出てしまった。
「どうして──なんで、居たらいいじゃないですか。行くあてがあるんですか?」
「ねえよ」
「だったら! いや、すみません

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第8話

【小説】『100万倍伝えられる猫』第8話

■非暴力コミュニケーションのすすめ「こっ、こっ、こっ、」
「うっせーな、ニワトリに取り憑かれたのか?」
「これ、変じゃないですかね?」
 何度目かの着替えを終え、ダブトラに訊く。
「知るかばーか」
 ダブトラはほぼ私物化している僕のノートパソコンでアニメを観ながら言った。時計に目を遣る。そろそろ家を出ないとまずい。服はもうこれで行くしかない。十回以上確認しているが、再度鏡で鼻毛のチェックをする──

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第7話

【小説】『100万倍伝えられる猫』第7話

■なぜ人は読んだ本の内容を忘れてしまうのか「AIDAの話のとき、お前DのDesireが言えなかっただろ」
「そうですね」
「ありゃ、なんでだ?」
 なんで?
「いや、そう言われても……。英語が苦手だから、ですかね?」
「本質的には違う。英語が母国語の外国人だって、忘れたりするからな。お前の場合、『欲しがらせる』って日本語の意味がわかってたからまだいいけど、仮にAIDPAでDだけじゃなくPの英語や意

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第6話

【小説】『100万倍伝えられる猫』第6話

■人を動かす『ダブル・トライアングル』理論 今日は休みだ。
 あれからダブトラから教わったことを元に、サクラと販売用ウェブページのテスト直しをした。再リリースし、もう広告も出ているはずだ。結果を判断できるのは早くても週明け。なので、今週末はゆっくりできる。
 ダブトラが家に棲み着き、いろいろと教えてもらうようになってから、自分でも参考になりそうな本を買って読むようになった。本当はダブトラにおすすめ

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第5話

【小説】『100万倍伝えられる猫』第5話

■行動しないのは『パワーオン』していないから「思ったほど、売れませんでした」
「だろうな」
「はい──って、ええっ!?」
「なに驚いてんだよ」
 ノートパソコンでアニメを観ながら、さも当然のように話すダブトラの顔を、僕はじっと見つめる。
「あの、思ったほど、売れなかったんですよ?」
「聞いたよ」
「ダブトラ様の言うことをしっかり聞いて、そのとおりにしたのに、ですよ?」
 ダブトラは猫だけど、絶対に

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第4話

【小説】『100万倍伝えられる猫』第4話

■問題は『問題』が解決されてこなかったこと「あの、またちょっと、困った感じになりまして……」
 パソコンでお笑い番組を観ているダブトラが、モニターに顔を向けたまま右前足をあげる。ちょっと待てという意味だと受け取って、しばし待つ。
 にゃにゃ、と笑ったあと、ダブトラは停止ボタンを押して、ようやく振り向いた。
「おいこら、漫才のオチの直前に話しかける馬鹿がどこにいんだよ」
「すみません」
「で、なんつ

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第3話

【小説】『100万倍伝えられる猫』第3話

■理想の未来に『情熱』を抱かせるのが営業「助けてください!」
「お前はのび太か。今度はなんだよ。おれはドラえもんじゃねえんだぞ」
 床で漫画を読んでいたダブトラは、視線も上げずに言った。
「お納めください!」
 僕は二本の『にゃ〜る』を差し出す。
 ダブトラは、ぱたん、と漫画を閉じて顔を上げる。
「で、どうした? 兄弟」
 僕はダブトラに事情を話した。

「そういうことか。話を一回整理するぞ」
 

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【小説】『100万倍伝えられる猫』第2話

【小説】『100万倍伝えられる猫』第2話

■共感を呼ぶ『痛み』は高低差から生まれる「大変なことになりました」
 僕はソファーで寝転がるダブトラの前に正座した。
「なんだよ」
 前足を舐めながら、興味なさ気にダブトラが答える。
「教えてもらったペルソナ。すごく褒められたって言ったじゃないですか」
「言ってたな」
「それで、僕のペルソナが新プロジェクト全体に採用されることに決まって」
「よかったじゃねえか」
「会社での僕のイメージも期待の新人

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【小説】『100万倍伝えられる猫』プロローグ&第1話

【小説】『100万倍伝えられる猫』プロローグ&第1話

■あらすじ■プロローグ「日曜だからって、いつまでも寝てんじゃねえよ」
 うん。でも、もうちょっと……。
「起きろよ。退屈なんだよ。それに、腹も減ったし」
 わかったよ、かあさ──。
 布団のなかで、息が止まる。

 母親の声じゃない。
 話し方もまるで違う。
 なにより僕は、今月から一人暮らしだ。

 一瞬で眠気が吹き飛ぶ。
 じゃあ、誰?
 正体不明の相手が、布団の上から僕をふにふにと押す。手だ

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能力やスキル、ある領域をマスターすることの本質

【小説】『売却少女』第3話

【小説】『売却少女』第3話

「はなしかけないで」
 二限後の休み時間、ルート上の星印にほぼぴったりのタイミングで到着した蓬生の「あの──」に対し、四ツ葉は表情一つ変えずそう言った。
「えと、ちょっと──」
 四ツ葉は去っていく。
 蓬生はなにも伝えられなかったうえ、ついでにトイレも行きたいのに行けていない。前後左右を見回して他に誰もいないことを確認すると、蓬生は意を決して、
「四ツ葉、話が──」
「おひるにきくから」
 わず

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【小説】『売却少女』第2話

【小説】『売却少女』第2話

 一限目の号令にすべり込みで間に合った蓬生は、結果として「あさはぎりぎりにきて」という四ツ葉との約束を守ることになった。ただ昨晩眠れなくて朝寝坊しただけだったが。
「ちゃくせーっき!」
 級長の桶良(おけら)が舌っ足らずな声を張り上げ、火曜日が始まった。
 しかし先週、先々週までの火曜日とはわけが違う。その理由は今、ズボンの左の尻ポケットに入っている。四つ折りにされたルーズリーフが。

「じゃあ、

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【小説】『売却少女』第1話

【小説】『売却少女』第1話

■あらすじ第1話 宇宙人が教室の窓枠に立っていた。
 その宇宙人は同級生の女の子で
 反射的に助けるつもりが
 死なせてしまった。

       *

 五限目終了のチャイムが鳴るとほぼ同時に、蓬生文春(よもぎふみはる)の背中を指でこつきながら誰かが言った。
「なあヨモ、四ツ葉(よつば)の話、聞いたか?」
 蓬生は現文の教科書を仕舞う手を止めて振り返る。誰かの正体はもちろん後ろの席の菊池(きくち

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【B面昔話】モモから生まれて鬼を倒すのはなぜか?(桃太郎編)

【B面昔話】モモから生まれて鬼を倒すのはなぜか?(桃太郎編)

物語には寿命があります。

永く語り継がれるストーリーほど、人類にとって普遍的な教訓、ものの本質が内包されているものです。

しかし、通常そうしたメッセージは「隠されて」います。ただストレートに伝えても響かないからでもありますが、時の権力者や支配者から重要な教えを守るためでもあるのです(逆に利用される場合もありますが……)。

今回は、僕ら日本人なら誰もが知る昔話『桃太郎』を例に、そこにどんな隠さ

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