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ダイエットと積ん読はけっきょく“代謝”の問題

こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。

読書してますか。フリーランスとしてハッピーライフを送るには、雇われの会社員より際立ったスキルが必要です。そしてスキルは磨きつづけなければいけません。

フリーランスとは生き方そのものが事業であり、事業の本質は「変化(新しい価値の創造)」ですから。変化するには、インプットを欠かさず、自分自身を変容させつづけなければいけません(そしてそれを楽しめなければ)。

では、どのようにスキルを磨くのか。道はいろいろありますが、代表はやはり「読書」です。しかし、読書家になればなるほど、ほぼ100パーセントぶつかる問題があります。

積ん読本の山。これをどうするか、です。

■10秒で読みたい人向けまとめ

・積ん読本が増えるのは“代謝”が悪いから
・“期待消費スピード”と“実際消費スピード”の不均衡が原因
・“実際消費スピード”を高めるには「理解度」を犠牲にする
・「読むスピード」をコントロール可能な対象にする
・すべての本は読めないことを受け容れる
・上記はすべてビジネス書についての話

新時代を生き抜くためのシン・フリーランス論。今回は「スキル」回です。

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「サバイバル・スター」の解説は、こちら。

■カロリー制限ダイエットへの疑問

ところで、ダイエットをしたことがありますか。自己啓発や英会話のように、ダイエットは一大産業であり、さまざまな流派、方法論が日々生み出されています。

なかでも王道は「カロリー制限」です。でもぼくはカロリー制限ダイエットには懐疑的です。計測可能な食事の「(熱)量」を過大視し、「質」が蔑ろにされているように思えるからです。

計測できるものは改善できる。そして食事において計測すべきものはカロリーである。(摂取)カロリーを改善すれば、問題(肥満)は改善できる……この論理はわかります。

しかし、一つ重要な要素が見落とされています。「代謝」です。

■体に残らなければ、太りようがない

事実として、食べ物のなかには、代謝のいいものと、代謝の悪いものがあります。仮に、下記のような食べ物があるとします。

(A)100摂取して、40がエネルギーとして消費され、60が排泄される
(B)100摂取して、40がエネルギーとして消費され、10が排泄され、50が体のなかに蓄積される

AとBでは、おなじカロリーを摂取しても、代謝率が6倍違います。食べたものの、必要分以外は体から出ていくのであれば、太りようがありません。

逆に言えば、太る人は、量もさることながら、代謝の悪いもの(質)を食べている可能性が高いです。

ようやく話が戻りますが、この視点は「積ん読本」の山にも言えます。

■積ん読本が溜まるのは“代謝”が悪いから

読書家にとって、読みたい本は無限にあります。これも読みたい、あれも読みたい、そうやってすぐに本を買ってしまいます。このときの本の購入速度を「期待消費スピード(E = Expected consumption speed)」と呼ぶことにします。

一方で、現実に本を読み進める速さを「実際消費スピード(A = Actual consumption speed)」と呼ぶことにします。

E == A(期待消費スピードと実際消費スピードが同じ)
E < A(期待消費スピードより実際消費スピードが速い)

この場合、「積ん読」は起こりません。例えば、本は買わず週に一度や月に一度図書館を利用する場合などは、実際消費スピードの方が速くなることも考えられます。問題は、下記の場合です。

E > A(期待消費スピードが実際消費スピードより速い)

もっと速く読みたいのに、一冊を読了する速さより本が増える(買う)速さの方が速い。こうなると、「積ん読」は増える一方です。

では、どうするか。

■Eを低める、Aを高める、リセット

(1)E(期待消費スピード)を低める:当たり前の話ですが、本を増やすスピードを制限することです。例えば本の購入ルールを決めるなど。

(2)A(実際消費スピード)を高める:具体的プランは後述します。

(3)その他:目を閉じて積ん読本を一掃する(捨てる)。リセット。しかし根本解決ではありません。

大きくは、この3つの方針が考えられます。そもそも「積ん読」はいけないのか、どれくらいからいけないのか、というのは個人の感覚と環境に依存します。

基本的な害は「ストレス」「スペース」「浪費」です。積ん読の事実そのものが余計なストレスを発生させ、貴重な住環境を侵食し、消費できないもののお金を費やすという浪費を生みます。

他にも、「あれが読めていない」と意識することそのものが、脳をマルチタスク化させ、パフォーマンスを低下させる恐れがあります。これらに対し、許容できるなら積ん読は悪ではありません。

それを踏まえて、積ん読を解消したい場合、ぼくがおすすめするというより、論理的帰結として(2)の手段を検討するしかありません。

■A(実際消費スピード)を高める具体案

A(本の実際消費スピード)を高めるには、以下の2つの方法しかありません。

(1)読む時間を増やす
(2)読むスピードを速める

読む時間を増やせたらいいのですが、なかなかそうはいかないので、多くの読書家は(2)について考えます。そして結論、速く読むしかありません。

「つまり、速読ってこと?」と言われると、そうであり、少し違います。

読書という行為は、一般に「読むスピード」と「理解度」がトレードオフ関係にあります。そして「理解度」は「知識量」と「読む目的」で変化します。

多くの人は「理解度」を一定以上に保とうとするために、難しい本(前提とする知識量が少ない本)は、じっくり読んだり、ゆっくり読んだりします。「理解度」によって「読むスピード」が決定されます。

けれど、もし積ん読本を退治したいなら、「理解度」を意識的に「下げる」マインドセットをしなければいけません。

■限られた時間のなかで読む

それぞれの本にかける「読書時間」は決めていますか。決まっていない人がほとんどではないかと思います。しかし、積ん読しない(E == A, E < A)ためには、「読むスピード」こそコントロール可能な対象にする必要があります。

もちろん「理解度」は犠牲になります。それを許せるか。許せるようにならないければいけない(のではないか)、ということです。

今さらですが、これらは基本的に「ビジネス書」類の話であり、人文や図版などは対象にしていません。また、ビジネス書や技術書のなかでも、その後の人生の基盤になるような熟読対象の本には当てはまりません。

すべての本を高い理解度で読むことは諦める必要があり、理解度を下げて速く読み終える本、理解度を高めるためにじっくり読む本を区別しなければならない、ということです。

■最後に

すべての本は読めない。この残酷な現実から目をそらしている限り、積ん読本は増える一方です。

積ん読本の山を切り崩していくには、読書時間を確保するだけでなく、時間内にこれだけの本を読むという「制限」と「許容」が不可欠で、その際に犠牲になる「理解度」も(ある程度)受け入れるマインドが求められます。

バベルの塔のように積み上げられていく積ん読本を前に、(現時点では)そういう結論に達しました。

読書そのものに対する方法論や考えについては、また機会があれば整理してお伝えしようかと思います。

■まとめ

・積ん読本が増えるのは“代謝”が悪いから
・“期待消費スピード”と“実際消費スピード”の不均衡が原因
・“実際消費スピード”を高めるには「理解度」を犠牲にする
・「読むスピード」をコントロール可能な対象にする
・すべての本は読めないことを受け容れる
・上記はすべてビジネス書についての話

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
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