イデトモタカ

コピーライター/作家。著書に人気のnoteをまとめた書籍『フリーランスで「超」成果を上…

イデトモタカ

コピーライター/作家。著書に人気のnoteをまとめた書籍『フリーランスで「超」成果を上げる プロジェクトワーカーとしての働き方』(ぱる出版)、『絵空事ではないパーパス経営のための第一歩 会社・社員変革が加速する社内通達[インターナルレター]の書き方』(つた書房)がある。

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フリーランスが人脈を拡げようとするのは、なぜNGなのか?

こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。 新時代を生き抜くためのシン・フリーランス論。今回は「ネットワーク」についてです。 「サバイバル・スター」の解説は、こちらをご覧ください。 ■5秒で読みたい人向け(まとめ/目次)■人脈を「拡げよう」とするのはナンセンスとにかく人脈。とりあえず異業種交流。会社員を長くやってから独立開業した人ほど、そう思い込みがちです。 会社という「看板」がなくなり、個人としてやっていくためには、まずは人とのつながりだ……と考えた

    • 【小説】『100万倍伝えられる猫』第9話&エピローグ

      ■変わることは過去の自分への『プレゼント』「今、なんて言いました……?」  ダブトラの朝昼兼用ご飯を用意する手が止まる。  ちょっとコンビニ行ってくる、くらいのノリで、ダブトラが再度言う。 「だから、今日で出ていくって──」 「なんで!」  思っていたより大きな声が出てしまった。 「どうして──なんで、居たらいいじゃないですか。行くあてがあるんですか?」 「ねえよ」 「だったら! いや、すみません。大声出して。でも、行くあてもないんだったら、ここに居ればいいじゃないですか。な

      • 【小説】『100万倍伝えられる猫』第8話

        ■非暴力コミュニケーションのすすめ「こっ、こっ、こっ、」 「うっせーな、ニワトリに取り憑かれたのか?」 「これ、変じゃないですかね?」  何度目かの着替えを終え、ダブトラに訊く。 「知るかばーか」  ダブトラはほぼ私物化している僕のノートパソコンでアニメを観ながら言った。時計に目を遣る。そろそろ家を出ないとまずい。服はもうこれで行くしかない。十回以上確認しているが、再度鏡で鼻毛のチェックをする──大丈夫。 「もう鼻毛ぜんぶ燃やしちまえよ」  ダブトラが鬱陶しそうに言う。 「ど

        • 【小説】『100万倍伝えられる猫』第7話

          ■なぜ人は読んだ本の内容を忘れてしまうのか「AIDAの話のとき、お前DのDesireが言えなかっただろ」 「そうですね」 「ありゃ、なんでだ?」  なんで? 「いや、そう言われても……。英語が苦手だから、ですかね?」 「本質的には違う。英語が母国語の外国人だって、忘れたりするからな。お前の場合、『欲しがらせる』って日本語の意味がわかってたからまだいいけど、仮にAIDPAでDだけじゃなくPの英語や意味がわかんなかったら、まずいだろ。でも人は簡単に忘れる」 「すぐ忘れちゃいますね

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        フリーランスが人脈を拡げようとするのは、なぜNGなのか?

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          【小説】『100万倍伝えられる猫』第6話

          ■人を動かす『ダブル・トライアングル』理論 今日は休みだ。  あれからダブトラから教わったことを元に、サクラと販売用ウェブページのテスト直しをした。再リリースし、もう広告も出ているはずだ。結果を判断できるのは早くても週明け。なので、今週末はゆっくりできる。  ダブトラが家に棲み着き、いろいろと教えてもらうようになってから、自分でも参考になりそうな本を買って読むようになった。本当はダブトラにおすすめの本を聞けばいいのかもしれないけれど、なんとなく気恥ずかしくて相談できていない。

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第6話

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第5話

          ■行動しないのは『パワーオン』していないから「思ったほど、売れませんでした」 「だろうな」 「はい──って、ええっ!?」 「なに驚いてんだよ」  ノートパソコンでアニメを観ながら、さも当然のように話すダブトラの顔を、僕はじっと見つめる。 「あの、思ったほど、売れなかったんですよ?」 「聞いたよ」 「ダブトラ様の言うことをしっかり聞いて、そのとおりにしたのに、ですよ?」  ダブトラは猫だけど、絶対に猫じゃない。なんでもできる、なんでも知ってる、どんな問題も解決できるすごい存在だ

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第5話

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第4話

          ■問題は『問題』が解決されてこなかったこと「あの、またちょっと、困った感じになりまして……」  パソコンでお笑い番組を観ているダブトラが、モニターに顔を向けたまま右前足をあげる。ちょっと待てという意味だと受け取って、しばし待つ。  にゃにゃ、と笑ったあと、ダブトラは停止ボタンを押して、ようやく振り向いた。 「おいこら、漫才のオチの直前に話しかける馬鹿がどこにいんだよ」 「すみません」 「で、なんつった?」 「だから、その、また困ったことが」  にゃあ、とダブトラはため息をつく

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第4話

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第3話

          ■理想の未来に『情熱』を抱かせるのが営業「助けてください!」 「お前はのび太か。今度はなんだよ。おれはドラえもんじゃねえんだぞ」  床で漫画を読んでいたダブトラは、視線も上げずに言った。 「お納めください!」  僕は二本の『にゃ〜る』を差し出す。  ダブトラは、ぱたん、と漫画を閉じて顔を上げる。 「で、どうした? 兄弟」  僕はダブトラに事情を話した。 「そういうことか。話を一回整理するぞ」  僕はこくこくと頷く。 「この間の、サクラのダイレクトメールへのアドバイスは、大成

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第3話

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第2話

          ■共感を呼ぶ『痛み』は高低差から生まれる「大変なことになりました」  僕はソファーで寝転がるダブトラの前に正座した。 「なんだよ」  前足を舐めながら、興味なさ気にダブトラが答える。 「教えてもらったペルソナ。すごく褒められたって言ったじゃないですか」 「言ってたな」 「それで、僕のペルソナが新プロジェクト全体に採用されることに決まって」 「よかったじゃねえか」 「会社での僕のイメージも期待の新人って感じで」 「よかったじゃねっか」 「あの──例の女性からも、『すごいですね!

          【小説】『100万倍伝えられる猫』第2話

          【小説】『100万倍伝えられる猫』プロローグ&第1話

          ■あらすじ■プロローグ「日曜だからって、いつまでも寝てんじゃねえよ」  うん。でも、もうちょっと……。 「起きろよ。退屈なんだよ。それに、腹も減ったし」  わかったよ、かあさ──。  布団のなかで、息が止まる。  母親の声じゃない。  話し方もまるで違う。  なにより僕は、今月から一人暮らしだ。  一瞬で眠気が吹き飛ぶ。  じゃあ、誰?  正体不明の相手が、布団の上から僕をふにふにと押す。手だとすれば、子ども、いや、赤ちゃんのように小さい。 「なあ、おいって」  よくよく

          【小説】『100万倍伝えられる猫』プロローグ&第1話

          20年追求した読書の結論(速読編)

          本を読むという行為を改めて考える

          20年追求した読書の結論(速読編)

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          ものごとを「修得する」とはどういうことか?

          能力やスキル、ある領域をマスターすることの本質

          ものごとを「修得する」とはどういうことか?

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          【小説】『売却少女』第3話

          「はなしかけないで」  二限後の休み時間、ルート上の星印にほぼぴったりのタイミングで到着した蓬生の「あの──」に対し、四ツ葉は表情一つ変えずそう言った。 「えと、ちょっと──」  四ツ葉は去っていく。  蓬生はなにも伝えられなかったうえ、ついでにトイレも行きたいのに行けていない。前後左右を見回して他に誰もいないことを確認すると、蓬生は意を決して、 「四ツ葉、話が──」 「おひるにきくから」  わずか一瞬だけ四ツ葉は足を止めて振り返る。けれどそれだけ言うとまたすぐにすたすたと歩

          【小説】『売却少女』第3話

          【小説】『売却少女』第2話

           一限目の号令にすべり込みで間に合った蓬生は、結果として「あさはぎりぎりにきて」という四ツ葉との約束を守ることになった。ただ昨晩眠れなくて朝寝坊しただけだったが。 「ちゃくせーっき!」  級長の桶良(おけら)が舌っ足らずな声を張り上げ、火曜日が始まった。  しかし先週、先々週までの火曜日とはわけが違う。その理由は今、ズボンの左の尻ポケットに入っている。四つ折りにされたルーズリーフが。 「じゃあ、今日はここまで。チャイムが鳴るまで静かに自習しているように」  世界史の水瀬は教

          【小説】『売却少女』第2話

          【小説】『売却少女』第1話

          ■あらすじ第1話 宇宙人が教室の窓枠に立っていた。  その宇宙人は同級生の女の子で  反射的に助けるつもりが  死なせてしまった。        *  五限目終了のチャイムが鳴るとほぼ同時に、蓬生文春(よもぎふみはる)の背中を指でこつきながら誰かが言った。 「なあヨモ、四ツ葉(よつば)の話、聞いたか?」  蓬生は現文の教科書を仕舞う手を止めて振り返る。誰かの正体はもちろん後ろの席の菊池(きくち)で、どうやら昼休みに新しいネタを仕入れたらしい。 「四ツ葉って、一組の?」 「

          【小説】『売却少女』第1話

          【B面昔話】モモから生まれて鬼を倒すのはなぜか?(桃太郎編)

          物語には寿命があります。 永く語り継がれるストーリーほど、人類にとって普遍的な教訓、ものの本質が内包されているものです。 しかし、通常そうしたメッセージは「隠されて」います。ただストレートに伝えても響かないからでもありますが、時の権力者や支配者から重要な教えを守るためでもあるのです(逆に利用される場合もありますが……)。 今回は、僕ら日本人なら誰もが知る昔話『桃太郎』を例に、そこにどんな隠されたメッセージ、つまりB面があるのかを考察してみたいと思います。 では、はじま

          【B面昔話】モモから生まれて鬼を倒すのはなぜか?(桃太郎編)