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マネーの哲学:「お金」と清く正しく美しく向き合う知性

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全ての物質は時間と共にやがて朽ちる。しかし、増減こそすれど価値まで失わない「お金」は、「複利」と並ぶ人類史上最大の発明品といわれる。 20世紀初頭に「自由貨幣」を提唱したドイツの… もっと読む
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2021年10月の記事一覧

大人が語らないと子供が苦労するお金の話

こんばんは、かいとです。

さて、今日は誰もが避けては通れないけれども深く掘り下げて語るのは憚られる「お金」に関して.子供にどう触れさせるべきかというテーマを考えていこうかと思います。

特に日本人に多いと思うのですが「お金の話をするのはなんだかいやらしい」とか「お金の事を語るのは下品だ」と言った思い込みが存在したりしますよね。

だけど生きていく上で.将来絶対に避けては通れない問題として立ちはだ

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成長と分配:誤解と整理

 成長と分配という言葉が、盛んに論じられています。
 残念ながら、議論が大変混乱しているし、間違った議論が多いと思うので、冷静に整理したいと思います。
 まず混乱しているのが「分配」の対象です。まず分配する対象には、ストックとフローがあります。両方大事です。

1. ストックの原資
 まず、ストックに着目します。この場合、分配するのは富、即ちお金です。分配の原資は経済成長によって得られるという議論

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成長がなくとも分配できる

成長がなくとも分配できる

前回、成長と配分との関係を整理する論考を書いた。結論をシンプルにいうと、成長がなくても配分できる、ということである。そして、GDPの成長と分配は直接は関係ないということである。

これを書いたのには、以下の問題意識からである。

それは、お金という基本的なことを、誰にも分かるように説明しているメディアや専門家があまりいないことである。多くは経済の専門用語や概念を前提に報じられることが多く、普通の人

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「清貧思考」という言葉があるらしい。

「清貧思考」という言葉があるらしい。

みなさん、おはようございます!ひがち(@higachi_note)です♪

突然ですが最近「清貧思考」という言葉を耳にしました。

そもそも「清貧」とは?
貧乏だが、心が清らかで行ないが潔白であること。余分を求めず、貧乏に安んじていること。(参考:コトバンク)

要するに、お金がなくても、めげずに頑張ってる方が心が清らかであるといった思想なのかな?

ただ、あまりに貧困過ぎて犯罪行為に走ってしま

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手土産の魔法|幸せなお金の使い方

手土産の魔法|幸せなお金の使い方

企業を訪問するような場面だけでなく、久しぶりの友人に会う時、誰かと一緒に仕事をする時にも、私はちょっとした手土産を必ず用意しています。この手土産がもたらす魔法のような効果と、手土産を選ぶコツについて今回はお届けしたいと思います。

■手土産の魔法①感謝をカタチにこの数年間、私は講演会やイベント登壇のために年間100回以上出張で全国各地を訪問しています(最近はオンラインが多かったですが…)。

事前

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所得向上を問題視しつつ減給に積極的な日本の組織

所得向上を問題視しつつ減給に積極的な日本の組織

問題と言いつつ、実際には逆のことをしている世界的な傾向として、人々の所得は上昇傾向にある。先進国は労働生産性と付加価値の向上を背景として平均賃金が上昇し、新興国は急速な経済成長が平均賃金の上昇を促している。全労連は、このような世界的な傾向を踏まえて、日本の賃金水準が相対的に低下しており、賃金水準の引き上げは急務だとしている。しかも、過去30年間変わらない日本の賃金とマスコミで良く目にするが、実質賃

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「悪い円安」の読み解き方

「悪い円安」の読み解き方

「悪い円安」の意味
「悪い円安」というフレーズがそこかしこで目に付くようになってきました:

2013年、アベノミクスに疑義を抱く向きにおいては「輸出の増えない円安に持続的な景気浮揚効果はない」との基本認識が強調されてきました。当時、そのような主張をすると酷く批判されたもので、例えば筆者も当時は以下のようなコラムを書いたりしたのですが、やはり大変な批判を受けたことを覚えております(これは2014年

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いまさら聞けない『消費税』と導入された背景

いまさら聞けない『消費税』と導入された背景

消費税をひと言で説明してくださいと言われて説明できますか?

消費税とは、「日本国内で消費されるモノやサービス」にかかる税金です。

今回は、いまさら聞けない『消費税』と導入された背景について紹介していきます。

消費税とは
消費税とは、「日本国内で消費されるモノやサービス」にかかる税金です。

消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税です。

1989年

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『データエコノミー入門』 激変するマネー、銀行、企業 :全文公開 はじめに

『データエコノミー入門』 激変するマネー、銀行、企業 :全文公開 はじめに

『データエコノミー入門 』激変するマネー、銀行、企業(PHP新書)が10月15日に刊行されました。
これは、はじめにの全文公開です。

はじめにマネーを制する者がデータを制し、データを制する者が世界を制する
 本書は、「マネーはデータ」という基本的な視点に立って、マネーの未来像を描こうとする試みだ。
 マネーのデータとしての側面を重視するのは、経済活動の基本がいま大きく変質しつつあると考えるからだ

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お金持ちよりも「凄い人」

お金持ちよりも「凄い人」

column vol.442

「分配なくして次の成長はなし。成長と分配の好循環を実現する」

岸田文雄首相は4日夜の記者会見でそう強調した上で、新しい資本主義実現を宣言しました。

その項目として

先端科学技術の研究開発への大胆な投資 ▽ デジタル田園都市国家構想による地方と都市の格差是正▽経済安全保障 ▽ 「人生100年時代」の不安解消 ▽ 分配戦略 ▽ 財政の単年度主義の弊害是正

などを

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「悪い借金」と「いい借金」

「悪い借金」と「いい借金」

「借金は悪いもの」

そう教えられてきた日本人、きっとすごく多いと思うのですね。僕も子供の頃にそう教えられました。そして原則的には、確かにその通りです。

ただし、借金にも良い借金と悪い借金があることを、この歳になってようやく実感しました。僕自身、55歳の今もそこそこの借金があります。なので、今日は、してはいけない借金と、してもいい借金について考えてみました。

※このマガジンでは、読者の皆さまの

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