記事一覧
SFの巨匠レムさんの初期作品集「火星からの来訪者」
<文学(93歩目)>
SFではないレムさんの才能に触れる作品集です。「火星からの来訪者」「ラインハルト作戦」「ヒロシマの男」が熱かったです。
火星からの来訪者: 知られざるレム初期作品集 (スタニスワフ・レム・コレクション)
スタニスワフ・レム (著), 沼野充義 (翻訳), 芝田文乃 (翻訳), 木原槙子 (翻訳)
国書刊行会
「93歩目」はSF界の巨匠スタニスワフ・レムさんの最初期の作品集
このSF設定がオモシロい「造物主の掟」
<SF(92歩目)>
ジェイムズ P.ホーガンさんの40年ちかく前に書かれた作品です。
SF設定に未来予想は今回の作品にはなく、どちらかと言うと「文明」の興亡を感じさせるオモシロい作品になっています。「続編」ありますが、この作品で完結しています。
造物主の掟
ジェイムズ・P・ホーガン (著)
東京創元社
「92歩目」も、ジェイムズ P.ホーガンさん。
木星の衛星タイタンを舞台とするファーストコ
SFの巨匠レムさんの作品を文学として読む「捜査・浴槽で発見された手記」
<文学(92歩目)>
かつて熱く読んだ作品を、現在のウクライナの問題と紐づけて読む。相変わらず「難解」です。
捜査・浴槽で発見された手記 (スタニスワフ・レム・コレクション)
スタニスワフ・レム (著), 久山宏一 (翻訳), 芝田文乃 (翻訳), 沼野充義 (解説)
国書刊行会
「92歩目」はSF界の巨匠スタニスワフ・レムさんの60年以上も前の作品が、国書刊行会さんのおかげで新訳で読めること
コンピュータの反乱「未来からのホットライン」
<SF(91歩目)>
ジェイムズ P.ホーガンさんの50年ちかく前に書かれた作品です。
50年前のSF設定ですが、既に実用化されたもの(コンピュータネットワーク・AI・ドローン等々)もあり。先見性を感じます。
特に前世紀に急速な発展を遂げたコンピュータに対して、そして現代のAIに対してのホーガンさんの世界は参考になります。
未来からのホットライン
ジェイムズ・P.ホーガン (著), 小隅 黎 (
「英雄」と「粛清される者」は紙一重「日蝕: Sonnenfinsternis」
<文学(91歩目)>
緊張感伴う古典小説から「全体主義」を学ぶ「日蝕: Sonnenfinsternis」
日蝕: Sonnenfinsternis
アーサー・ケストラー (著), 岩崎克己 (翻訳)
三修社
「91歩目」はアーサー・ケストラーさんのうしなわれた作品がよみがえったもの。
この作品は、「全体主義」の空気を強く感じた。
特に、革命の英雄から転落して粛清の対象になる過程において、
コンピュータの反乱「未来の二つの顔」
<SF(90歩目)>
ジェイムズ P.ホーガンさんの50年ちかく前に書かれた作品です。
50年前のSF設定ですが、既に実用化されたもの(コンピュータネットワーク・AI・ドローン等々)もあり。先見性を感じます。
特に前世紀に急速な発展を遂げたコンピュータに対して、そして現代のAIに対してのホーガンさんの世界は参考になります。
未来の二つの顔
ジェイムズ P.ホーガン (著), 山高 昭 (翻訳)
人間心理の奥底「その昔、N市では」
<文学(90歩目)>
ドイツを代表する女性作家から、「人間心理」の奥底を学ぶ。
その昔、N市では
マリー・ルイーゼ・カシュニッツ (著), 酒寄 進一 (翻訳)
東京創元社
「90歩目」は戦後ドイツを代表するマリー・ルイーゼ・カシュニッツさんから「人間の負の心理」を学び、「愛(love)」の大切さを理解する作品です。
とても薄い書籍に収められた15の短篇。軽く「読める」と思ったのですが、1つ
「星を継ぐもの」の様に「大技」が光る「創世記機械」
<SF(89歩目)>
ジェイムズ P.ホーガンさんの50年ほど前に書かれた作品です。
作品内は、2005年の設定ですが、まだホーガンさんの世界はやってきていません。
創世記機械
ジェイムズ P.ホーガン (著), 山高 昭 (翻訳)
東京創元社
「89歩目」は、ジェイムズ P.ホーガンさん。
沢山ある作品の中で、「巨人たちの星」シリーズの「星を継ぐもの」を再読したら、続いて「ガニメデの優しい巨
中国の庶民の心「千年の祈り」
<文学(89歩目)>
イーユン・リーさんの初期短篇集(デビュー作)から、中国の庶民の心を学ぶ。
千年の祈り
イーユン・リー (著), 篠森 ゆりこ (翻訳)
河出書房新社
「89歩目」はイーユン・リーさんのデビュー短篇集。
中国の市井の人々の息遣いが感じられる作品集です。
特に「あまりもの(Extra)」「黄昏(After a Life)」「不滅(Immortality)」「市場の約束(Lo
シリーズものだが、おそらく単発になりそうな惜しい作品「歴史は不運の繰り返し セント・メアリー歴史学研究所報告」
<SF(88歩目)>
イギリスでベストセラー、10冊以上のシリーズになっているとのこと。
ただ、早川さんで出すと読者が狭まる「歴史改変SF」ラノベ版くらいで刊行すると「いいね!」になりそうなモッタイナイ作品です。
歴史は不運の繰り返し セント・メアリー歴史学研究所報告
ジョディ テイラー (著), 朝倉 めぐみ (イラスト), 田辺 千幸 (翻訳)
早川書房
「88歩目」は、ジョディ・テイラー
空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗「ベルリンに一人死す」
<文学(88歩目)>
空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗から、21世紀を生きる私たちにも学ぶことあり。
ベルリンに一人死す
ハンス・ファラダ (著), 赤根 洋子 (翻訳)
みすず書房
「88歩目」はナチスドイツ政権下の首都ベルリンにおける「市民による反体制運動」を描いた作品。
ハンス・ファラダさんは、1946年に書かれたこの作品が遺作とのことです。現代小説らしい「抵抗する者」と「捕食者の
バイオもの、そして表題通り母子もの「マザーコード」
<SF(87歩目)>
パンデミックを経験した今だから理解できるバイオ兵器の致命的な問題点を考えさせられます。
マザーコード
キャロル・スタイヴァース (著), 金子 浩 (翻訳)
早川書房
「87歩目」は、キャロル・スタイヴァースさん。
この作品で初めて読みました。
この作品はコロナ禍の時に読み進みました。「アフガニスタン」「バイオ兵器」という設定は、日本の作品でも多い。
その中で、終末を
歴史史料への取組みが作品に昇華した「HHhH: プラハ、1942年」
<文学(87歩目)>
プラハの街を舞台にした抵抗運動家たちのナチスNo.3の暗殺の事実を読む。
HHhH: プラハ、1942年
ローラン・ビネ (著), 高橋 啓 (翻訳)
東京創元社
「87歩目」は、ローラン・ビネさんの歴史を徹底的にサルベージしての研ぎ澄まされた作品。
ナチスNo.3の男ハイドリヒ・ヒムラーの暗殺計画にかかわる歴史をよくここまで調べ上げたと感心しました。(クラブの周年誌で
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安定のコニー・ウィリスによるSFラブロマンス「クロストーク」
<SF(86歩目)>
早川書房と大森望さんの安定のコニー・ウィリスさんの作品。全く無駄がない。そして、これからの「コミュニケーション」を考えさせられます。
クロストーク 上
コニー・ウィリス (著), 丹地陽子 (イラスト), 大森望 (翻訳)
早川書房
クロストーク 下
コニー・ウィリス (著), 丹地陽子 (イラスト), 大森望 (翻訳)
早川書房
「86歩目」は、コニー・ウィリスさん。
不器用な「愛(love)」から「黄金の少年、エメラルドの少女」
<文学(86歩目)>
「不器用な愛(love)」の短篇から人生を考えてみる。
黄金の少年、エメラルドの少女
イーユン リー (著), Yiyun Li (原名), 篠森 ゆりこ (翻訳)
河出書房新社
「86歩目」は米国在住の中国人作家、イーユン・リーさんの短篇集。
ノーガードで何気に手に取ったのですが、素晴らしいでした。
「優しさ」「獄」「女店主」「「花園路三号」「流れゆく時」が特に心を突
久しぶりに「ゾクゾク」な「妄想感染体」
<SF(85歩目)>
早川さん、おそらくホラーSFが次のブームとして仕込まれているのかも?
少なくも1人、「重症」の感染者になりました。(笑)
とにかく読ませてくれる作品です。
妄想感染体 上
デイヴィッド・ウェリントン (著), 中原 尚哉 (翻訳)
早川書房
妄想感染体 下
デイヴィッド・ウェリントン (著), 中原 尚哉 (翻訳)
早川書房
「85歩目」は、デイヴィッド・ウェリントンさ