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「愛(love)」を感じる文学作品

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読んで、深い「愛(love)」を感じた文学作品です。
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大切な「家族」を考える「ポトゥダニ川」

<文学(19歩目)> アンドレイ・プラトーノフさんの短篇から、「家族」を考える。 ポトゥ…

読書ノーツ
4か月前
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SFの巨匠レムさんの初期作品集「火星からの来訪者」

<文学(93歩目)> SFではないレムさんの才能に触れる作品集です。「火星からの来訪者」…

読書ノーツ
15時間前
7

SFの巨匠レムさんの作品を文学として読む「捜査・浴槽で発見された手記」

<文学(92歩目)> かつて熱く読んだ作品を、現在のウクライナの問題と紐づけて読む。相変…

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「英雄」と「粛清される者」は紙一重「日蝕: Sonnenfinsternis」

<文学(91歩目)> 緊張感伴う古典小説から「全体主義」を学ぶ「日蝕: Sonnenfinsternis」 …

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人間心理の奥底「その昔、N市では」

<文学(90歩目)> ドイツを代表する女性作家から、「人間心理」の奥底を学ぶ。 その昔、…

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中国の庶民の心「千年の祈り」

<文学(89歩目)> イーユン・リーさんの初期短篇集(デビュー作)から、中国の庶民の心を…

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空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗「ベルリンに一人死す」

<文学(88歩目)> 空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗から、21世紀を生きる私たちにも学ぶことあり。 ベルリンに一人死す ハンス・ファラダ (著), 赤根 洋子 (翻訳) みすず書房 「88歩目」はナチスドイツ政権下の首都ベルリンにおける「市民による反体制運動」を描いた作品。 ハンス・ファラダさんは、1946年に書かれたこの作品が遺作とのことです。現代小説らしい「抵抗する者」と「捕食者のような鎮圧する者」とのやり取りが、アップテンポで読ませてくれる。 ほぼ80年も

歴史史料への取組みが作品に昇華した「HHhH: プラハ、1942年」

<文学(87歩目)> プラハの街を舞台にした抵抗運動家たちのナチスNo.3の暗殺の事実を読む…

読書ノーツ
12日前
8

不器用な「愛(love)」から「黄金の少年、エメラルドの少女」

<文学(86歩目)> 「不器用な愛(love)」の短篇から人生を考えてみる。 黄金の少年、エ…

読書ノーツ
2週間前
10

人間の本質を見つめる「犯罪」

<文学(85歩目)> 刑事専門弁護士の目から見た「犯罪」の数々から、人間の本質を見つめる…

読書ノーツ
2週間前
6

法哲学や歴史を学ぶ「珈琲と煙草」

<文学(84歩目)> フェルディナント・フォン・シーラッハのエッセイは法哲学や歴史を学べ…

読書ノーツ
2週間前
24

戦争犯罪の総括のしかた「コリーニ事件」

<文学(83歩目)> 戦争犯罪の総括のしかたを研ぎ澄まされた小説から学ぶ。 コリーニ事件 …

読書ノーツ
2週間前
10

極めてテクニカルなシーラッハさんの作品「禁忌」

<文学(82歩目)> 緑、赤、青が一つになると白になる。光の三原色を章に使い、人間の本質…

読書ノーツ
3週間前
8

「トロッコ問題」を深く考える「テロ」

<文学(81歩目)> 倫理学上の問題である「トロッコ問題」を深く考えてみる。 テロ フェルディナント・フォン・シーラッハ (著), 酒寄 進一 (翻訳) 東京創元社 「81歩目」はドイツの短篇の名手のフェルディナント・フォン・シーラッハさんによる戯曲形式による斬新な試み。 表題に惹かれて読んだが、これは「テロ」対策において、テロリストを利さないために取りうる選択の結果を法廷劇により読者に考えさせる。 何時ものように無駄を徹底的に省くことにより本質的な問題点が浮かび上が