火宅

【特別公開第三弾!】『機龍警察 火宅』円城塔氏文庫解説

8月18日の『機龍警察 白骨街道』の発売を記念して、今回は『機龍警察 火宅』の円城塔氏の文庫解説を特別公開します。現実社会を映し出す鏡としての〈機龍警察〉シリーズのすごさがよくわかる非常に素晴らしい解説です。『白骨街道』を読まれる前に、ぜひこちらの解説をご一読ください! 『機龍警察 火宅』解説円城塔氏(作家)  ここには時間と空間の広がりがある。  一般にはあまり知られていないが、きちんとした時間と空間の広がりを備えた小説というものは稀である。小説は事実そのものとは異なる

スキ
11

機龍警察 火宅:月村了衛:こんな贅沢な読書、滅多にありませんから!

「機龍警察 火宅」(12/2021年) 8つの短編、どれも濃い、とても濃い。そして、濃くて短いからこそ、この前段、後日談、背景、行間が無限に拡がっていく、読者の妄想は果てしなく続く。なんて贅沢な読書なんでしょう。 本作品、存分に楽しむためには、本作品前に発表されたシリーズ長編「機龍警察」「機龍警察 自爆条項」「機龍警察 暗黒市場」「機龍警察 未亡旅団」を全て読むことをオススメします。長編はどこから読んでも楽しめると思いますが、本作品は先にある程度、機龍ワールドを把握してお

カルカッタで見た 「火の車」 は現実だったのか幻だったのか 〜 「全東洋街道」(藤原新也)を読み返し、最後に聴くのは クリーム "Wheels of Fire"

「火の車」 とは 〜 その 1乞食は元々は仏教用語であって俗な差別的意味はないが、ここで言及しているのは俗に言う「こじき」。とはいえ、やはり、当然ながら、少なくとも筆者の note 投稿テキスト内において、差別的な意味合いは全くない。 それはさて置き、この note 投稿の本題に入る前、最初にことわっておくべきことがあって、本 note 投稿のタイトル上の絵は、江戸時代の画家・佐脇嵩之(さわき すうし)が残した「百怪図巻」(ひゃっかいずかん)と呼ばれる妖怪を主題にした絵巻物

スキ
4

人形アニメの傑作① 川本喜八郎『道成寺』

能や歌舞伎、人形浄瑠璃、映画で有名な『安珍清姫』の伝説を題材にしたコマ撮り(ストップモーション)アートアニメ。 台詞は一切無く、笛の音の旋律とシタール等を用いた音響効果のみ。 前半の人形の顔は能面のように動きませんが、自分を裏切った安珍に対する清姫の愛憎を、照明による光と影、髪の乱れや所作、撮影アングル、音響効果等で巧みに表現しており、まるで人形が「演技」しているように見えます。 恋情が、失望から怒り、そして憎悪へと変わっていく清姫の悲しみが、ある意味、人間の役者が演ず

スキ
7

君死に給うことなかれ

この人生は苦しみなり この世に生まれ 齢を重ね 病を得ては 死にゆくなり 嫌なる者と出会いては 愛する者との別離あり 求めても得るもの少なく 煩悩の炎は燃え盛る あぁ諸人はこれ この世の苦しみより 逃げることあたわず この火宅の世において 時には嘆き 時には傷つき 時には涙し 絶望の闇の淵に立つ されど 君死に給うことなかれ 自らの生命絶つなかれ 年間3万を越ゆる 拠る辺なき魂たちの 後を追うことなかれ 死を選びて 道を閉ざせると思うな 死を選びて 道が開かれると

【書評阿呆】No.3 『岬』(中上健次)

 何か負い目をもつ人間の、その底流に由来する姿みたいなものを描くのは、常人には出来りゃしない。それは、暖房全快で恵方巻をしゃぶり、挙げ句の果てには残飯多し、なんて人々が、アフリカの陽光に刺され、腹と背中を一緒にしている人々の本心など、どうやったって分からないのと同じだ。もし、本気で、描こうとするなら、どうしたって、狂わねばならない。 本データ 書名 岬 著者 中上健次 価格 110YEN(BookOff 新品500YEN) 発行 文藝春秋 シリーズ 文春文庫 収録 ・黄金比

スキ
4

マスク神話に縋る大衆

法蔵館の秋月さんとの会話、というか独演。 https://note.com/satoma/n/n290b74697678 ↑この記事を受けて。 秋月「こんにちは、お疲れ様ですm(_ _)m 記事は、即読んでますw ところで佐藤さん、マスクはされてますか?」  佐藤「マスク買えないです。 あと、私、耳が物凄く弱いらしく、ユニチャームの「超快適」か「超立体」じゃないとダメなんです。 だからずっと、のど飴舐めてます。」 佐藤「咳、くしゃみはせず、どうしてもの時はタオル等で覆

スキ
4

【火宅】詩作 千葉貴史

妄りに慎んだ掟を財布に留め いずこへ赴くと云う 騎乗された馬の本能に恵まれ 貴方ならば身を持ち崩す絶滅危惧種に献じる 一つ、二つと数えられる 働きなら幸福の渦中に居る 芽生えた朝霧の艶を慰撫し起立した眩暈へ血が回り 眠る潮時に椅子から笑い声が聴こえている 絶縁するも多望と 何故に腹を括り生きない? 問い合わせが来る 規則正しい童に援護される綴れぬ督促状を醸す 常に真水で在る為に人間である 不吉な化粧として言葉を拝む 色に捧ぐは凡てと 貴方ならば知り尽くしているだろう 悟

スキ
14
有料
100