東風

嗜好:あられ

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短歌 東京の空にも出ずる月

東京の空にも出ずる月 君に優しいですか? 丈夫であれと

    • ケセランパセラン

      山里にケセランパセラン舞うを追い 遠き雲識る 独りが一つ

      • ここで生きている

        女系を象徴として認めないまま 不平等の是正を叫んでいる 家父長制を是認しながら 刷新の具現と強調している 静かに苦労を積みながら 経験が認知されないでいて 特権も恩恵も自覚せず 感覚の純度に胸を張る 罪の背景を探るより 権力に迎合し 誰にも知られていないまま のたりと日和見を振り撒いて 大声で小さな声を消しながら 事の次第を省みず 志しも細部の詰めも 怒濤の前に自ら崩し 自尊心を隠したつもりで さびた刃を研ぎつづける 誰かは遠い  誰かも遠い 誰かはもっとも

        • 短歌 悲しみ

          悲しみと 海馬の呼吸が止まる刻(とき) 星のはじめへ遡り消ゆ

        短歌 東京の空にも出ずる月

          短歌 在処(ありか)

          足音に 戸の開け閉めに  声色に  君の心の在処(ありか)捜して

          短歌 在処(ありか)

          短歌 みんな

          「みんな」って誰だよ 君は誰と居て 聴きたい声にのみ向き合って

          短歌 みんな

          短歌 世界

          音のない世界に在って 風を観る 目に識られない 君を抱(いだ)いて

          短歌 世界

          短歌 残聴

          「カ」でもなく「タ」でも「チェ」でもなき音で 飛び去る鳥の 残聴を追う

          短歌 残聴

          短歌 時代

          君が吐くことばが用意する舟で 波光に一喜す 時代に在りて

          短歌 時代

          短歌 不通

          音信の不通となりて 日常の言葉通じず 呼吸(いき)調(ととの)える

          短歌 不通

          短歌 傾く地軸

          波の寄せ引きて 当たりて散る際の 砂の往来 傾く地軸

          短歌 傾く地軸

          短歌 透けてゆく西

          透けてゆく西に月在り  起ち上がる変わらぬような 変わりゆく郷(さと)

          短歌 透けてゆく西

          短歌 ほおずき

          ほおずきに灯りを点す驟り雨 君ためらわず翔て往く宵

          短歌 ほおずき

          短歌 猫

          名で文字で仕分けす 業の縛誇るヒトを 一瞥して往ける猫

          短歌 猫

          透明な世界

          地を踏んでいる 雑踏で行き交う風を肌に知る 声が音が耳に触れて 聞こえながら落捨して 着ている服が視界に在って 腕を伸ばせば掌が見えて 何処にも届かない 世界は透明で 見えながら透明で 聞こえながら透明で 感覚は 透明の先で待っていて 堕ちながら 浮いていて

          透明な世界

          短歌 とても

          とても とても とても  とても引けなくて  動悸走れる今日の在りさま

          短歌 とても