いつの日か 君と暮らすと 夢を見る 覚めては居ない 影を追いけり
ね 寝る度に 深く太くと 結ばれて 我が心なか 蕩けるままよ
つ 津和野にて 出逢う恋人 つゆ知らず 十字のもとで 我心決め
そ 素麺の 白さ恥じらう 君の肌 長き脚には 小さき足かな
れ 煉瓦色 真夏の日傘 涼しげに 術科学生 惚れてまうやろ
た 誰が為に 君は生きるの 己が為 大根島が 涙で沈む
よ よしなしの 繰り言相手に 二度三度 許しを乞えば 懐深さ知り
か 彼方から 近づく汽笛 貴婦人の 車窓に見るは 愁いある君
わ 我が想ひ 誰が分かるも 梅雨知らず 紫陽花寺の 鐘に込めるや 明日から旅にでます ではまた
を 音戸橋 瀬戸の花嫁 何想ふ 風呂から上がり 紅葉色な肌
る 類々の 酒場行きたし 君となら 場末の地の果て オホーツクまで
ぬ 縫い残る 短きズボンの ボタンには 細かき指が 想い出紡ぐ
り 凛とした 銀河の鉄道 旅路する 背中立つ姿 心奪われ
ち 散りゆく葉 黄色い絨毯 寝転ぶ君 銀杏嗅いで 怪訝な顔
当時は靖子が所謂、水商売で客との同伴か、もしくはパトロンを伴う呑み屋の女将さんに見えたのは言うまでもない。あるいは、この界隈には多い極道の妻に見えたかもしれない。この時にはまだ靖子と長い付き合いになろうなどとは、微塵にも思わなかった。確かに同郷であるが故に、身近に感じられたのも事実であったが。単純に容姿が淡麗で、やや歳上の女に見えたやもしれない。ただそれだけに思えた。
と 蜻蛉の眼 くしゃみで逃げた 秋の空 ブタクサ嫌う 君の洟垂れ