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火宅の兎 4

この手術の時には心配もしたが、もし何かあったらという夫婦愛ではない何か別の心配、もはや人類愛とも呼べる心配であった様な気がする。退院した朔代に、もはや大食漢としての才覚はなく、見る見るうちに痩せていったのを思い出す。もう何年も前、小生が46歳の秋の事だったか。人生は繰り返す、正にこの言葉を体現するかの様に、彼女はまた髪形やら衣服に気を使い出した。となれば外の世界に出たくなる気持ちも分からんでもない。

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