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火宅の兎 2

男「○○さんですか?」
少し乾いた、それでいて動揺を隠しきれない様子の男の声がした。
男「朔代さんとはどういう関係ですか?」
小生「あなたは?」
男「朔代さんとは大人の付き合いをさせて頂いている井森と言います。」
「朔代さんとはどう言う関係ですか?」
小生「夫ですが?」
男「やっぱり。よく携帯してるので、
番号をひとつひとつ覚えて連絡したんですよ。」

この後、小生が何を喋ったか、もはや覚えてはいない。小生が37歳になろうかどうかという年であった。今思えば、これが火宅の兎の始まりだったと今となっては明言できるだろう。

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