梵鐘末席

農夫と本屋。 晴耕雨読がモットーです。

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蜂が入った

蜂がうちの中に入った。 窓のところで出たがっていた。 窓を開けた。 しかし、窓の動きにつられて、 開いていることに気づいていない。 タオルや箒でもって、 おそるおそる蜂のうしろから 追い立てた。 やっとこさ、 蜂がそとに出た。 蜂と話ができれば、 おそるおそる追い立てることも ないんだがな。

    • 水草

      報われないこの世の中を 深く深く諦めてしまえば 何が起ころうと動じない 何が来ようと受け流せる 水辺の水草になれるかも

      • 蚊帳の外

        かやのそと かやのそととて おもうなば かやのそとにて かやをひらかむ

        • どこにいても居場所がない

          どこにいても居場所がない という感覚になることがある 自分の部屋のイスの上 自分の車の運転席 自分の休憩時間をすら どこにいても居場所がない ならばどこに居場所が あるのだろう 帰っているのに帰りたい 休んでいるのに休みたい 会わないのに会いたくない 嫌なのに好きでいたい ここにいるのにここにいない 居場所がないのに いつも居場所にいるはずなのに どこにいても居場所がない どこにもいない私がいる

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        蜂が入った

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          シェアさせていただきます! シェアさせていただきます! 何度となく 人のお言葉を 拝借仕ります! シェアさせていただきます! シェアさせていただきます! 私はみなみなさまの こころねに感じ入り 大きく驚くばかりで御座候! シェアさせていただきます! シェアさせていただきます!

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          寝つけない夜

          何か 怒りとも虚しさとも 悲しみともわからない もやもやとした気持ちのなかにあって 寝つけずにいる そこかしこに散らばった エッセイを遮二無二 読み散らかして なんとしてもこの もやもやを晴らして 寝つきたかった 変な一節に出会い さらに怒りやら 不平不満やらが増して 「違う、違うんだ!」 と床に叩きつけ ページをむしり破る そんな妄想もまた もやもやのひとつで だんだんと夜もふけて まったく晴れないもやもやを 朝まで連れていく決心をする 「もう潔く散ろう」 死んだつも

          寝つけない夜

          売場に雨を降らせる

          梅雨がくる 茅の輪くぐり 祓い しろい紙をはる その上に かえるの絵本を並べる 雨の絵本 売場をととのえながら まるで雨音が聞こえるように 梅雨のあとの たなばた たなばたのあとの うみびらき 歯はよく磨いたかい? 売場を清めながら 絵本たちのささやき まだ売場に 雨を降らせていない かえるたちが よろこびの歌をうたう そのために 雨を降らせなければ

          売場に雨を降らせる

          プーチンも北極圏牛耳ってんだから温暖化とめて地球冷却することを考えたら、本当の意味で名君なんだろうに。それほどの力を持ちながらもったいないな。

          プーチンも北極圏牛耳ってんだから温暖化とめて地球冷却することを考えたら、本当の意味で名君なんだろうに。それほどの力を持ちながらもったいないな。

          しんがりのおもしろみ〜過疎地域の書店員として

          業界全体の動きを見て 自分の立ち位置を考える それはお人よしでは ないのだろうか 自分のことを そんな風に思いながら 他にどうすればいいのか 思い悩む 選択肢を増やしたいが この業界でも 生きている地域でも いつもまるで しんがりをつとめているような 気分 快楽原則に従って おもしろいのはどれか 結局決めてしまう 不合理な思考 おもしろみこそ 生きていく醍醐味 生かされている 喜び 楽しみ おもしろみか 歩く道の険しさは ずっと変わらないが その道のりの風景は

          しんがりのおもしろみ〜過疎地域の書店員として

          清めの詩作り

          私の詩はただの愚痴だ 愚痴など誰が読むものか 心に鬱屈した やむにやまれぬ情念を 下手に言葉にしたがため 詩とは名ばかりな 落書きだ 落書きを音にのせ 書き進めるうちに 澄み渡れ 澄み渡れ 澄み渡れと 清めのために うたをよむ 清めのための 詩作りや 私の清めに 詩を作る

          清めの詩作り

          待ち時間

          待ち時間を 見続けている 「これが待ち時間か」 待ってみてわかることがある

          ししおどし?

          雨垂れの 排水パイプを 鳴らす音 なんか似ている ししおどしにも

          ししおどし?

          大嘘つきのクソカキベラ

          なんのために 生きてるんだろうね? これ以上いいことがないなら 永らえる理由なんて なんにもないんだけど。 「こいつ何言ってんだろ?」 白い目ばかり。 どこへ行こうと 大していいことがない。 人生が上向く、 兆しがない。 早々に見切りたい。 自分の人生を。 働けど働けど 大したことない。 書物など 燃してしまえ。 何が論文か! 何が回顧録か! MもSもクソカキベラ 聖地など争いばかり 「このクソカキベラが!」 なじる相手に不足なし 救いと言えば救いかも 鞭か棒か選ぶま

          大嘘つきのクソカキベラ

          磯の一悶着

          ウミウシが 「宗教みたいなことを言うな!」 と言った。 そんならイソギンチャクが 「おまえこそ政治を語るな!」 と言った。 するとフジツボが 「どちらも大差ない!」 と言った。 そのとなりのカキが 「話し合いで解決を!」 と言った。 ナマコはおだやかならず。 「てぇへんだてぇへんだ!」 「みんな戦支度だ!」 と方々にふれて回った。 磯の岩場は たちまち波に洗われ 泡が立ってはじけた。 カニがにやけて 「猥談でも語れ」 と言った。

          磯の一悶着

          詩を書く

          詩を書く 誰かの詩に似ている おのれの才能のなさ だからなんだ! とまた 詩を書き始める 美しい言葉を 連ねる詩人 少ない言葉を 置く詩人 詩人の歩みが そのまま詩になる 晴れといい 雨といい 暑いといい 寒いといい 語る言葉など 本当はないのだ! 詩を書く 何のために? 誰かの詩に似ている 何のために? おのれの才能のなさ 何のために? わからないまま 書くがまま 詩を書く 詩を書く

          あってないようなもの

          役に立たないものを 役に立たないといって捨てる すると 人生すべて 役に立たないものばかり ああでしたね、 こうでしたね、と 昔の風景を語るあなたを見て そうだったかな、 どうだったかな、と すっかり忘れてしまっている わたしを知る 自分のことだけを考える 人ばかりの世の中を見て 自分のことだけを 考えるようにしていた わたしの愚かさを それがあなたですか? そうすることが? そうふるまうことが、 あなただと思うのですか? 夜が明けるさまを 見つめながら 内側から静かに問

          あってないようなもの