梵鐘末席

農夫と本屋。 晴耕雨読がモットーです。

梵鐘末席

農夫と本屋。 晴耕雨読がモットーです。

記事一覧

少佐……
信じられない。
ご冥福をお祈り申し上げます。

梵鐘末席
4日前

おごることなし

ひとのよに うまれおち さまよいあるき あたふたと さわがしく ひびはゆきすぎ なにもかも わからぬままに ひびはすぎゆき ははわらう なにもせず なにもかわらず なにもす…

梵鐘末席
7日前
4

postlude

夏の光に とけるようなピアノの音 蝉時雨が 西日にかすむ 扇風機は汗だくか 仕事熱心だ 生きていることに 嫌気がさして ぬるくなった お水を飲む お水を飲むと 腹が鳴…

梵鐘末席
11日前
2

帰りたい

家にいても 「帰りたい」 と思う どこへ帰ろうと いうのか もう帰る場所など ないというのに

梵鐘末席
11日前
2

あさつゆのいのち

ひとのよに まがりして あさからよるまで はたらいて むくわれぬまま うつろいて しりあいの かえることなき たびじかな ののしりあいて ひくれることの むなしさよ ただな…

梵鐘末席
11日前
4

なつのよに

なつのよに ねつけぬわれが ひとりいて ときばかりたつ ひとのよのまに

梵鐘末席
11日前
2

書店員という仕事に未来はないが今この瞬間書店員であるということの真の意味を作り手の苦労に思いをいたすことで見つけようとし…

ふみつくる ひとのすがたを かいまみて ゆるりひらりと かるくふみうり

梵鐘末席
11日前
5

書店員の存在意義

ひとのふみ うりはらうしごと あきあきて なんのねうちが われにはありや

梵鐘末席
11日前
2

仏像を燃す禅僧に倣いて

本屋だと とらわれすぎて 本の奴婢 本を燃やして 暖をとれ冬

梵鐘末席
11日前

われも老いゆく

くるくると この世の何かに おどらされ 年寄りを負うて われも老いゆく

梵鐘末席
11日前
1

選ぶ儀式

色をとるか 形をとるか 年齢が上がるにつれて 省略しがちな 選ぶという行為 あたかも儀式 選んでいる時間 それを惜しんで ルーティン 選ぶことの 楽しさを わすれてい…

梵鐘末席
3週間前
3

愛語などない

仏の足元に集う者らもまた 口をひらけば 無慈悲である 愛語などない これが現実である それをゆるせるか それこそが慈悲である 人の無知蒙昧、無明を ゆるせるか な…

梵鐘末席
3週間前
7

余韻

10年たった 20年たった もう数えるのをやめよう 焦るのもやめよう 昨夜の月が あまりにもきれいで 車の中で 月輪観 海の風が 夜半に冷たくなった 気温30℃を下回らない …

梵鐘末席
1か月前
12

水草

報われないこの世の中を 深く深く諦めてしまえば 何が起ころうと動じない 何が来ようと受け流せる 水辺の水草になれるかも

梵鐘末席
1か月前
12

蚊帳の外

かやのそと かやのそととて おもうなば かやのそとにて かやをひらかむ

梵鐘末席
1か月前
11

どこにいても居場所がない

どこにいても居場所がない という感覚になることがある 自分の部屋のイスの上 自分の車の運転席 自分の休憩時間をすら どこにいても居場所がない ならばどこに居場所が …

梵鐘末席
1か月前
2

少佐……
信じられない。
ご冥福をお祈り申し上げます。

おごることなし

ひとのよに
うまれおち
さまよいあるき
あたふたと
さわがしく
ひびはゆきすぎ
なにもかも
わからぬままに
ひびはすぎゆき
ははわらう
なにもせず
なにもかわらず
なにもすすまず
なにもないまま
このよには
なにもない
なんのためかと
とうこともなし
なにもないから
ひろがっている
なにもないから
いかされている
なにもないので
おごることなし
おごりなければ
さいわいなり

postlude

夏の光に
とけるようなピアノの音

蝉時雨が
西日にかすむ

扇風機は汗だくか
仕事熱心だ

生きていることに
嫌気がさして

ぬるくなった
お水を飲む

お水を飲むと
腹が鳴った

体だけが
生きたがっている

帰りたい

家にいても
「帰りたい」
と思う

どこへ帰ろうと
いうのか

もう帰る場所など
ないというのに

あさつゆのいのち

ひとのよに
まがりして
あさからよるまで
はたらいて
むくわれぬまま
うつろいて
しりあいの
かえることなき
たびじかな
ののしりあいて
ひくれることの
むなしさよ
ただなごやかに
なごやかに
おわりへと
うつろい
うつろいゆいて
みながわすれた
よあけまえ
しずかなところで
つゆときえむか

選ぶ儀式

色をとるか
形をとるか

年齢が上がるにつれて
省略しがちな
選ぶという行為

あたかも儀式

選んでいる時間
それを惜しんで
ルーティン

選ぶことの
楽しさを
わすれていた

選ぶこと
それは

ささやかな楽しみであり

ささやかな日常における

ささやかな儀式

愛語などない

愛語などない

仏の足元に集う者らもまた
口をひらけば
無慈悲である

愛語などない

これが現実である

それをゆるせるか

それこそが慈悲である

人の無知蒙昧、無明を
ゆるせるか

なぜならわれもまた
無知蒙昧、無明なのだから

それをゆるせる

それこそが慈悲である

余韻

余韻

10年たった
20年たった

もう数えるのをやめよう
焦るのもやめよう

昨夜の月が
あまりにもきれいで
車の中で
月輪観

海の風が
夜半に冷たくなった
気温30℃を下回らない
日々のオアシス

風呂場でひとり
シャワーの水を
口をあけたまま
流し込んでいく

何もかもがいやで
ヤケクソな気分で
水を口に流し込む
口からあふれる水

あふれた水が
流れくだる
体を
排水口を
そして
知らないとこ

もっとみる
どこにいても居場所がない

どこにいても居場所がない

どこにいても居場所がない
という感覚になることがある

自分の部屋のイスの上
自分の車の運転席

自分の休憩時間をすら

どこにいても居場所がない
ならばどこに居場所が
あるのだろう

帰っているのに帰りたい
休んでいるのに休みたい
会わないのに会いたくない
嫌なのに好きでいたい

ここにいるのにここにいない
居場所がないのに
いつも居場所にいるはずなのに

どこにいても居場所がない
どこにもいな

もっとみる