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もう何もかも嫌だと思って迷子になっていたはずが、気づいたら中国でおいしいご飯を食べていた話
3月14日の深夜25時近く、わたしはひとり、深夜の羽田空港にいた。
思えばその日までの数週間、中国に逃げ出してやる、くらいの強い気持ちを持っていたから過ごせていた。
今まで24年間のらりくらりと朗らかに過ごしていた分貯まっていた不幸ポイントみたいなものが一気に降りかかり、東京にいることが耐えられず石垣島へ行ったすぐ後に、わたしは中国行きの飛行機を予約していた。
羽田発、天津空港乗り換えの厦門【ア
旧友と話したら、想い出の夏の美しさを思い出し、胸を焦がして眠れなくなった話
14歳のころの友人から、何年ぶりだろう、インスタでメッセージが届いた。
「あの時は美しかった。今も美しいはず」
そのとき友人はインスタのストーリーに「あの頃」という名のプレイリストをあげていた。わたしはそのプレイリストの中身を見て胸がぎゅっとし、スタンプを送った。二人で聴いた音楽が蘇る。
その返信が、上の言葉だった。
「あんなに苦しかったのに美しく見えるね。かけがえのない日々だね」
とわたしは返
全落ち就活を経験したわたしが、本当に欲しいものは何か考え直した二年間。〜2度の出版就活を経て、人生の節目で何を選んで何を信じたらいいのか、負けから学んだこと〜
遠子ちゃんになりたかったわたしは、小学生の頃から出版社に入ることが夢でした。
野村美月の『文学少女』シリーズを手にしたあの日から、遠子先輩になりたくて、作家を支える編集者に憧れを持ちました。
だから大学生になったときも、わたしは出版社に入るんだ、これだけ思い続けて叶わない夢なんかあるものか、と思っていたのです。
ところが。
惨敗。
これはわたしが一度、夢破れてから夢を再び掴むまでのお話です。
「そりゃ縁切り神社しかないよ」と言われてひとり、安井金比羅宮に向かった話
「あんた、安井金比羅宮って知ってる?」今年のゴールデンウィークに突入する、ほんの少し、数日前のこと。
中学時代いわゆるまぶだちで、その後も十年以上にわたって交流が続いている友人が、わたしのド底辺生活の話を聞いてげらげらと笑っていた。むしろ、げらげらと笑ってくれるのは彼女くらいで、その底抜けた明るさにわたしは本当に救われていた。
「散々だったんだよ本当に」
「聞く限り、ほんとに最底辺って感じだねえ」
眠れない夜に旅の話 石垣島PART2
西表島・由布島この日から、友人と離れ、ひとりで離島を回ることにした。
ひとりで行く良いことといえば、計画通りじゃなくても、そもそも何も決めなくても、行きたい方へ行けばいいということ。
ゆっくり起きていいし、ターミナルについてから間に合うフェリーを探して、そこから行く島を決めてもいい。やっぱりやーめたってターミナルでアイスだけ食べて帰ってもいい。
旅行がたびたび疲れるのは、計画を立てて、計画通りに動
眠れない夜に旅の話 石垣島PART1
ふと今夜思い出したのは、今年の三月に行った旅行のこと。
わたしはこの三月に、石垣島および八重山諸島に一週間、中国の厦門および福鼎および上海に一週間、滞在していた。
石垣島に行こうと決めてそのころのわたしは、どこかへ逃げ出したい、どこか遠くへ行きたいと強く思っていた。全てが嫌に成り果てていた時期でもあり、何もかも失ったように思えた時期でもあった。実際、いろんなものを失っていた。家族も恋人も住む場所
辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ」を眠れない夜に読んだ。
辻村さんの本はどれも光りかがやく一節がどこかに隠れていて、宝探しをするみたいに読んでしまう。
だから眠れなくて天井を見つめていたら、彼女の本を読んでみてほしいのです。早く寝なくちゃ、とそれでも思うなら本を閉じるしかないけれど、きっと読んでいるうちに「自分が探しているものがある気がする」という気になってくる。
眠れない夜は、自分のことを探り探って嫌いになってしまうでしょう。寂しくなってしまうとき