眠れない夜に短歌を詠んでいく
眠れない月夜に光っていた窓辺 恋だったものをとかしてねむる
昨日に引き続き、眠れない夜です。
忘れることのできない恋にじたばたしていました。
先日、職場の尊敬する先輩に「あなたにとって恋ってなに?」と聞かれて
それ以降、ずっとその答えについて考えています。
さみしいは、ひらがなだなと思うのに。寂しいと言うあなたのさみしさ
ラインの漢字変換ひとつでさえ、すれ違ってく心にさみしくなってしまう。
夜明け前 小さな寝息がこだまして あなたが起きる前に出る天国
小さなアパートの一室が、そのときのわたしにとっては天国で、その天国の住人にはなれなかった。
そういえば、しあわせがある場所っていつも小さい。小さなアパートの一室。小さなキッチン。小さなベッド。小さなテーブル。小さなラーメン屋さんに、小さな駅のベンチ。小さな場所に、見逃しちゃいけないものってあるんだね。
海に出る駅舎のことを美しく語ってくれる彼の云う青
海がそばにある街で育ったひとって、海の匂いがする。
輝くな、きみが輝くその道は真っ暗闇でどこか寂しい
輝いて見えるってことは、その分だけ背負っている暗闇の数が多いってことでもあるから。
だから大切な人にはもう、そんなに、あの、眩しくいなくていいよって。
その年で太陽をなんかを背負ってしまって、真っ直ぐ上がる学級委員の手
もうあまり気にしなくてもいいからねって、気にしてる方の言葉だったね
言葉は往々にして、その人自身に跳ね返ってくることがある。
言われたくない言葉から口をついて出ていくし、言ってしまった言葉は自分を縛る呪いに変わる。
そのことをもっと早くに知っていたかったと思う。
大切にしていたものがすり抜けるときに聞こえる夜のさざなみ
すり抜けていくときの予感って、なんなんですかね。
飛び込んでくるときは突然なのに、電撃なのに、消えていくときは静かな予感に満ちている。
ずっと夜 深く沈めたかなしさがあなたに触れて月夜に変わる
明けない夜はないと言うけれど、それがなんの慰めにもならない日々をわたしは知っている。それって暴力的な言葉だって思ったことがある。朝が来ることが嫌なときだってあるだろう。あんな平等な眩しさは耐えられないと思うときもあっていいはずで、でもだからって、真っ暗な夜は怖くて寂しい。それをわがままだって誰にも言うことはできないんじゃないかと思う。
また更新します。
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