岸田いずみ/とまりのつけもの

らっきょう専門店とまりのつけもの、店長。 鳥取の漬物会社、泊綜合食品の3代目。 日本の…

岸田いずみ/とまりのつけもの

らっきょう専門店とまりのつけもの、店長。 鳥取の漬物会社、泊綜合食品の3代目。 日本の食の文化であるつけものを、もっと手軽に、もっと楽しく知ってもらいたい。いろんな種類のつけものや作り手さんの想い、つけもののある食卓がほっこりできるようなストーリーをご紹介していきます。

記事一覧

今世紀最大級の梅不足……かもしれません。

「7月30日」は「梅干しの日」です。 梅干は健康に良く、「梅干しを食べると難が去る」と昔から言われてきたことから「なん(7)がさ(3)る(0)」の語呂合わせからきてい…

鳥取県民もよく知らない、鳥取のらっきょうのこと。

今年もらっきょうの季節がやってきました。 6月に入ると県内のあちこちで地元のらっきょうが売られています。一年のうちでこの時期だけの、風物詩ですね。 ところで、ス…

2024年もらっきょうの収穫が始まりました。今年の出来はどうでしょうか……?

毎年、雪もとけ、春の日差しも暖かくなると「今年のらっきょうの出来栄えはどうなんだ?」と挨拶のように会話にらっきょうが上がります。4月にならんと分からんね。GWまで…

ぬか漬けのある生活、はじめませんか。

つい先日は5月8日。ぬか漬けの日。 もうすぐきゅうりやナスなど夏のみずみずしい野菜が店頭に並ぶ季節がやってきます。生のままでも十分においしい夏野菜ですが、ぬか漬…

つけもの屋ですが、実はゼリーも作ってます。

とまりのつけものは、鳥取から美味しいものをお届けする!というゴールに向かって、日々全国の美味しいものや地元鳥取の素材を探し続け、ときに自分たちの手でつくりだして…

泊綜合食品の3代目に就任しました。最初の仕事は、社長の肩書きをなくすことでした。

2024年4月1日より泊綜合食品株式会社の代表取締役に就任しました。 実は3年ほど前から「65歳にもなるし、そろそろ交代したいんだけど」と先代からの要望もあり、代表交代は…

巨大だいこんと、小学校のたくあん教室

2023年の年の瀬。 鳥取市内の小学校から引きずるように大量なたくあんを持って帰りました。 カブかな?と思うくらい、立派なふと〜い大根。農家さんの商品ではありません。…

漬けもの屋があんこ屋を始めて1年が経ちました。

1月も終わりに近づき、お正月明けの業務も少し落ち着いてきました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか? 私たち漬けもの屋は、年末にかけて漬物だけでなく、年越し、お…

年越し前のお正月料理のおはなし。

今年もあと数時間となりました。 大人になり、お正月の文化や風習をあらためて知ることで、新年を迎える支度が楽しくなりような気がします。 ところで、皆さんの地域では…

漬物屋にも柚子の季節がやってきました。

少し遅れてしまいましたが、12月22日(金)が冬至でしたね。 みなさまはいかがお過ごしだったでしょうか。 冬至は二十四節気のひとつ。1年で最も昼が短く、夜が長い日です…

大根不足でたくあん不安の一年

11月11日。……といえば「ポッキーの日」「チーズの日」「チンアナゴの日」と、様々な記念日が思い浮かぶと思いますが「日本記念日協会」によるとその数は54件もあり、10月…

「腐敗」と「発酵」の分かれ道はどこに?

とまりのつけもの、店長の岸田です。 我が家には9歳の小学生男子と2歳になる女の子がいます。 彼らは、納豆とヨーグルト、チーズが大好き! 特に小学生のお兄ちゃんは…

食欲の秋。ご飯がモリモリ進むお漬物の話。

新米の時期がやってきました。 新米、さんま、栗、さつまいも、梨、ぶどう、柿…美味しいものが満載の秋。 旬の食材が豊富で、日々のメニュー選びも、お料理も少しだけ楽し…

小学生向け「見て掘って切って漬けて食べる」らっきょう教室を開校しました。@鳥取市

この夏は、らっきょう教室を地元鳥取の小学校で開催してきました。いわゆる出前授業というものです。 鳥取は全国有数のらっきょう産地。鳥取といえば、、、と聞けば、鳥取…

らっきょうは、育てるだけでなく、収穫すらも手間がかかる野菜です。

今年のらっきょうの収穫が終わりました。2023年は全国的に豊作年だったようで、鳥取は全体的に球の大きならっきょうに育ちました。私たちの自社農場でも過去一番の収穫量と…

つけもの屋が教える梅レシピ(梅シロップ、梅酒、梅干し)

6月~7月は、年に1度しかできない梅仕事の時期です。1年を通して自家製の梅干しや梅酒を楽しむことができます。やり方は意外と簡単です! 1年を通して自分だけの梅干しや…

今世紀最大級の梅不足……かもしれません。

今世紀最大級の梅不足……かもしれません。

「7月30日」は「梅干しの日」です。
梅干は健康に良く、「梅干しを食べると難が去る」と昔から言われてきたことから「なん(7)がさ(3)る(0)」の語呂合わせからきています。

ちなみに、近しい日が「6月6日」。こちらは「梅の日」です。

由来は室町時代末期。日照りが続いて人々が苦しんでいた時に、時の天皇である後奈良天皇が京都の「葵祭」で有名な賀茂神社に梅を奉納し、祈りを捧げると、たちまち恵みの雨が

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鳥取県民もよく知らない、鳥取のらっきょうのこと。

鳥取県民もよく知らない、鳥取のらっきょうのこと。

今年もらっきょうの季節がやってきました。
6月に入ると県内のあちこちで地元のらっきょうが売られています。一年のうちでこの時期だけの、風物詩ですね。

ところで、スーパーで売っているらっきょう。特に手しごとで漬ける生らっきょうには、2種類あることをご存知でしょうか? 旬の生野菜で売られ方が違うというのはずいぶん珍しい食べ物かもしれませんね。

「土付きらっきょう」と「洗いらっきょう」

売り場にはこ

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2024年もらっきょうの収穫が始まりました。今年の出来はどうでしょうか……?

2024年もらっきょうの収穫が始まりました。今年の出来はどうでしょうか……?

毎年、雪もとけ、春の日差しも暖かくなると「今年のらっきょうの出来栄えはどうなんだ?」と挨拶のように会話にらっきょうが上がります。4月にならんと分からんね。GWまで天気が良いといいけど。

と、暖かな気候を期待しつつ、いよいよGWが明けるとカウントダウン開始。そして、毎年5月20日前後がらっきょうの初出荷です。

さて、2024年のらっきょうはどうでしょうか。

5月中旬。

それまでは青々と気持ち

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ぬか漬けのある生活、はじめませんか。

ぬか漬けのある生活、はじめませんか。

つい先日は5月8日。ぬか漬けの日。

もうすぐきゅうりやナスなど夏のみずみずしい野菜が店頭に並ぶ季節がやってきます。生のままでも十分においしい夏野菜ですが、ぬか漬けにして味わうことでより食材の個性を楽しむことができるので、「季節の手しごと」として始められる方も多い時期ではないでしょうか。

……が、「ぬか床作りは難しい」「お手入れが大変」「毎日かき混ぜないとダメ」というイメージからなかなか手が出せ

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つけもの屋ですが、実はゼリーも作ってます。

つけもの屋ですが、実はゼリーも作ってます。

とまりのつけものは、鳥取から美味しいものをお届けする!というゴールに向かって、日々全国の美味しいものや地元鳥取の素材を探し続け、ときに自分たちの手でつくりだしています。

本業である漬けものはもちろん、変わり種ではあんこなども取り扱っているのですが、実はゼリーも作っています。それも梨ゼリー。鳥取を代表する果物のひとつ、「二十世紀梨」のゼリーです。

梨と言えば「ふなっしー」の千葉のイメージもあるか

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泊綜合食品の3代目に就任しました。最初の仕事は、社長の肩書きをなくすことでした。

泊綜合食品の3代目に就任しました。最初の仕事は、社長の肩書きをなくすことでした。

2024年4月1日より泊綜合食品株式会社の代表取締役に就任しました。
実は3年ほど前から「65歳にもなるし、そろそろ交代したいんだけど」と先代からの要望もあり、代表交代は視野に入っていたのですが、なんとそのタイミングで私の妊娠、出産があり。

早々に産休復帰をし、子供も保育園に入り2歳を過ぎたこともあり、このタイミングで代表を交代することになりました。先代は会長となり、社内に残りつつですが、代表で

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巨大だいこんと、小学校のたくあん教室

巨大だいこんと、小学校のたくあん教室

2023年の年の瀬。
鳥取市内の小学校から引きずるように大量なたくあんを持って帰りました。
カブかな?と思うくらい、立派なふと〜い大根。農家さんの商品ではありません。小学生が学校の農場で育てた、大事な大事な大根です。

こちらを持ち帰った時から、わが社始まって以来、初めての「たくあん教室ミッション」が始まりました。

ことの発端は、小学校の先生からの一本の電話でした。

岸田さん、学校でとれた大根

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漬けもの屋があんこ屋を始めて1年が経ちました。

漬けもの屋があんこ屋を始めて1年が経ちました。

1月も終わりに近づき、お正月明けの業務も少し落ち着いてきました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

私たち漬けもの屋は、年末にかけて漬物だけでなく、年越し、お正月ならではの特別な商材の取り扱いが増えます。特に正月料理は地方色豊かで、全国各地にさまざまな食材の手配をさせてもらいました。

京都では「棒だら」といった海の幸、見た目も華やかな滋賀の「赤こんにゃく」、岡山の「ママカリ」は酢漬けやばら寿

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年越し前のお正月料理のおはなし。

年越し前のお正月料理のおはなし。

今年もあと数時間となりました。
大人になり、お正月の文化や風習をあらためて知ることで、新年を迎える支度が楽しくなりような気がします。

ところで、皆さんの地域ではおせちは年末に食べますか?
お正月に食べますか?

え?と思われた方もおられるのでは。
実は、地域によっておせちを食べる日って違うようです。

もともとおせちは、大晦日に食べるのが一般的だったとか。一年を無事に過ごし、新年を迎えるお祝いと

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漬物屋にも柚子の季節がやってきました。

漬物屋にも柚子の季節がやってきました。

少し遅れてしまいましたが、12月22日(金)が冬至でしたね。
みなさまはいかがお過ごしだったでしょうか。

冬至は二十四節気のひとつ。1年で最も昼が短く、夜が長い日です。

冬至と言えば、かぼちゃを食べ、柚子湯に入る日として知られていますよね。

かぼちゃを食べるのは、冬至を1年の締めくくりの日ととらえ、「いろはにほへと」の最後にあたる「ん」の付くものを食べるのが良いという縁起担ぎからだとか。

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大根不足でたくあん不安の一年

大根不足でたくあん不安の一年

11月11日。……といえば「ポッキーの日」「チーズの日」「チンアナゴの日」と、様々な記念日が思い浮かぶと思いますが「日本記念日協会」によるとその数は54件もあり、10月10日と並んで「最も記念日の多い日」そうです。実はその中に「たくあんの日」もありまして。

「1111」が、たくあん用の大根を並べて干してある様子に似ていること、たくさんの『わん((1)あん)』があるからだそうです。(全日本漬物協同

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「腐敗」と「発酵」の分かれ道はどこに?

「腐敗」と「発酵」の分かれ道はどこに?

とまりのつけもの、店長の岸田です。

我が家には9歳の小学生男子と2歳になる女の子がいます。
彼らは、納豆とヨーグルト、チーズが大好き! 特に小学生のお兄ちゃんは「体の80%は納豆でできている」と自分で言うくらいに納豆大好きで、食卓に納豆が添えられてないと「え?ないの?」とクレームが届きます。

2人とも乳製品多めではありますが、とても健康的に発酵食品を取り入れてくれて母としては喜んでいたのですが

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食欲の秋。ご飯がモリモリ進むお漬物の話。

食欲の秋。ご飯がモリモリ進むお漬物の話。

新米の時期がやってきました。
新米、さんま、栗、さつまいも、梨、ぶどう、柿…美味しいものが満載の秋。
旬の食材が豊富で、日々のメニュー選びも、お料理も少しだけ楽しくなりますよね。
特にこの時期、お米本来の旨味を楽しめる新米が何よりも楽しみ。
炊きたてのお米は、口の中にやさしい甘みが広がり、そのままでも十分なおいしく、またおにぎりやお弁当にしても冷めてもまた旨し。
そんな新米のおいしさを一層引き立て

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小学生向け「見て掘って切って漬けて食べる」らっきょう教室を開校しました。@鳥取市

小学生向け「見て掘って切って漬けて食べる」らっきょう教室を開校しました。@鳥取市

この夏は、らっきょう教室を地元鳥取の小学校で開催してきました。いわゆる出前授業というものです。

鳥取は全国有数のらっきょう産地。鳥取といえば、、、と聞けば、鳥取砂丘、梨、かに、らっきょうと出てくる食べ物です。

……がしかし、鳥取の子ども達、いえ、大人たちだって、実のところらっきょうを知っているかというとそうでもないんです。

「らっきょうが砂地で育つことを知らない」
「どんな花を咲かせて、どん

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らっきょうは、育てるだけでなく、収穫すらも手間がかかる野菜です。

らっきょうは、育てるだけでなく、収穫すらも手間がかかる野菜です。

今年のらっきょうの収穫が終わりました。2023年は全国的に豊作年だったようで、鳥取は全体的に球の大きならっきょうに育ちました。私たちの自社農場でも過去一番の収穫量となり、スタッフがやりがいを感じられた収穫でした。

これが畑から収穫されたばかりのらっきょう。
どうです? 立派なものでしょう?

さて、ここから一般の野菜であれば選別・洗浄を経て出荷され、皆さんのお手元に届きます。しかしらっきょうは、

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つけもの屋が教える梅レシピ(梅シロップ、梅酒、梅干し)

つけもの屋が教える梅レシピ(梅シロップ、梅酒、梅干し)

6月~7月は、年に1度しかできない梅仕事の時期です。1年を通して自家製の梅干しや梅酒を楽しむことができます。やり方は意外と簡単です!
1年を通して自分だけの梅干しや梅酒を楽しんでみてくださいね。
出来上がりまでの過程を楽しむことは、漬け上がっていただく時にとっても幸せな気持ちになるのが梅仕事のいいところ。
出来上がるまで眺めるのも楽しい日々です。

梅シロップ(濃厚甘め)梅仕事の中でもいちばん手軽

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