見出し画像

巨大だいこんと、小学校のたくあん教室

2023年の年の瀬。
鳥取市内の小学校から引きずるように大量なたくあんを持って帰りました。
カブかな?と思うくらい、立派なふと〜い大根。農家さんの商品ではありません。小学生が学校の農場で育てた、大事な大事な大根です。

こちらを持ち帰った時から、わが社始まって以来、初めての「たくあん教室ミッション」が始まりました。

今回の主役、持って帰った大根。とにかく太い、重たい、立派な大根です

ことの発端は、小学校の先生からの一本の電話でした。

岸田さん、学校でとれた大根を使ってたくあんづくり教室をお願いできませんか?

学校でとれた大根を使って「たくあん」を作りたいと。過去に自分たちでもやってみたそうですが、大根を干したらカビが生えたり、うまくいかなかったとのこと。

つけもの屋さんなら大丈夫ですよね!!の先生方の期待の笑顔と、でっかく育った大根を持ち帰り、さっそくたくあんにするための準備を始めます。

たくあんづくりの第一歩は、とにかく干すこと。

たくあんの産地で干すとこのような感じ

宮崎県大根やぐらギャラリーより。まさに大根の壁です

実に壮観ですね。

ただ、さすがに弊社にやぐらはないので、移動式で雨や雪もしのげるように吊るしてみました。幸い数自体は少ないので、これで何とか、お天気の良い日に風にゆらゆらと当てます。

お天気の良い日は風にゆらゆら揺られながら太陽を浴びています

毎日天候とにらめっこしながら大根を干し、カビが生えてないかハラハラしながら見守ります。

同時に、漬け汁のレシピも考案。お取引先のたくあん会社さんに相談しつつ、小学生でも食べやすく作りやすい、少し甘口のたくあんになる漬け汁を目指しました。

せっかくなのでと夏にらっきょうを漬けた瓶を再利用して、さあ準備万端です。

夏にはらっきょうが可愛らしく入っていましたが、児童のみんなが大事に取っていてくれました


たくあん教室のスタート

エプロンと三角巾をつけて、子ども達も準備万端。
前回のらっきょう教室からの半年ぶりの授業となりますが、これまで以上にとっても真剣に作り方を聞いてくれ、その姿勢に成長も感じつつ、さっそく調理開始です。

真剣に作り方の注意事項を聞いてくれています

漬け汁となる、お酢と、塩、砂糖とシンプルな調味料を、準備した大根が入った袋の中に軽量して入れていきます。小学校ではまだ「すりきり」を習ってないので、小さじ1杯とか大さじ1杯もなかなか苦戦しましたが、みんなとても楽しそうです。

このモミモミ作業でトラブル多発(笑)

調味料が全部入った袋を、モミモミして瓶に詰めていくのですが、これが想像以上に大変。こぼれちゃったり、袋が破れたり。そして大根が立派過ぎて瓶に入らない子が続出(汗)。

それでもみんなで協力し合って、なんとか瓶の中に収め、大根をたくあんへと姿を変えることに成功しました!

計量するだけでも、小学生には一大事!みんな丁寧に作業していました
出来上がったたくあんは瓶に入れて大事に持って帰りました

大根とたくあんについてのお勉強タイム

無事にたくあんづくりが完了したところで、まずは大根についてのお勉強です。

まずは、「青首大根」と「白首大根」について。
みんなが掘った大根と、白首大根の写真を見て違いを聞いてみたり。

みんなの大根が大きすぎて、「太さが違うー!」「大きさが全然違うー!」の意見が相次ぎましたが(笑)、一般的にはなかなか目にすることのない白首大根との違いに、自分たちが掘った時の様子と比べながら聞いてくれていました。

少し難しい「発酵」とか「乳酸菌」の話も入れながら、おつけものもみんなの身近なヨーグルトやお味噌と同じ発酵の仲間だということも理解してくれた様子。

首が青いから青首、、ということは「白首大根」だ!と予想して盛り上がりました

続いて、たくあんについて。

本物の干したくあんはどうやって干しているでしょうかー?

と聞くと、「機械で風を当てている」とか、「機械が並べている」という意見が出てきました。

でも実は……こういうやぐらというものに手で干してるんだよ!

本日一番の衝撃でした!!

というと、「すごーい!!」と大歓声と拍手(笑)
この子供たちの拍手を生産農家さんにお届けしたいものです。

そして、たくあんクイズ。

たくあんの名前はどこからきた?

  1. 「たくわえづけ」が音がへんかして、「たくあんづけ」になった

  2. 「たくあん」さんという人が作った

実はこのクイズの答えは、両方が「正解」なんですね。これには子供たちも、大盛り上がり。

終始賑やかな中での、たくあん教室。その中でも、たくさん質問も出ました。

「たくあんは黄色だけですか」
「たくあんの色は何でついているんですか?」

特に色についての質問も多く。
たくあんにはみそで漬けているもの、しその色をしているピング色の大根、しょうゆで漬けた茶色っぽいものなども紹介し、着色しているから発色の良い大根についてもお話ししました。

ウコンと言っても分からない子が多かったですが、改めて自然由来の安心したたくあんを食べてもらいたい気持ちも強くなります。

あっという間の時間でしたが、帰る時に「あー楽しかった」とか「食べるの楽しみー!」という声があちこちから聞こえ、こういった機会を与えてくださった学校に感謝です。

大根から無事にたくあんになってお届けできてひと安心

その後、美味しく食べたよという声が届きました。
おうちで調理する機会が増えたという保護者さんからの声も。興味を持っていただき、ありがたい限りです。

今回はたくあんでしたが、いろんな伝統の味を子供たちに知ってもらう場をもっと作っていきたいと思います。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?