岸田いずみ/とまりのつけもの

らっきょう専門店とまりのつけもの、店長。 鳥取の漬物会社、泊綜合食品の3代目。 日本の…

岸田いずみ/とまりのつけもの

らっきょう専門店とまりのつけもの、店長。 鳥取の漬物会社、泊綜合食品の3代目。 日本の食の文化であるつけものを、もっと手軽に、もっと楽しく知ってもらいたい。いろんな種類のつけものや作り手さんの想い、つけもののある食卓がほっこりできるようなストーリーをご紹介していきます。

最近の記事

漬けもの屋があんこ屋を始めて1年が経ちました。

1月も終わりに近づき、お正月明けの業務も少し落ち着いてきました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか? 私たち漬けもの屋は、年末にかけて漬物だけでなく、年越し、お正月ならではの特別な商材の取り扱いが増えます。特に正月料理は地方色豊かで、全国各地にさまざまな食材の手配をさせてもらいました。 京都では「棒だら」といった海の幸、見た目も華やかな滋賀の「赤こんにゃく」、岡山の「ママカリ」は酢漬けやばら寿司に、熊本の「辛子れんこん」や宮崎の「金柑の甘露煮」などなど。広島では瀬戸内海の

    • 年越し前のお正月料理のおはなし。

      今年もあと数時間となりました。 大人になり、お正月の文化や風習をあらためて知ることで、新年を迎える支度が楽しくなりような気がします。 ところで、皆さんの地域ではおせちは年末に食べますか? お正月に食べますか? え?と思われた方もおられるのでは。 実は、地域によっておせちを食べる日って違うようです。 もともとおせちは、大晦日に食べるのが一般的だったとか。一年を無事に過ごし、新年を迎えるお祝いとして食べられていたようですね。 しかし江戸時代後期以降は、新年の来客のおもてな

      • 漬物屋にも柚子の季節がやってきました。

        少し遅れてしまいましたが、12月22日(金)が冬至でしたね。 みなさまはいかがお過ごしだったでしょうか。 冬至は二十四節気のひとつ。1年で最も昼が短く、夜が長い日です。 冬至と言えば、かぼちゃを食べ、柚子湯に入る日として知られていますよね。 かぼちゃを食べるのは、冬至を1年の締めくくりの日ととらえ、「いろはにほへと」の最後にあたる「ん」の付くものを食べるのが良いという縁起担ぎからだとか。 とりわけ、「かぼちゃ(南瓜:なんきん)」「人参(にんじん)」「蓮根(れんこん)」

        • 大根不足でたくあん不安の一年

          11月11日。……といえば「ポッキーの日」「チーズの日」「チンアナゴの日」と、様々な記念日が思い浮かぶと思いますが「日本記念日協会」によるとその数は54件もあり、10月10日と並んで「最も記念日の多い日」そうです。実はその中に「たくあんの日」もありまして。 「1111」が、たくあん用の大根を並べて干してある様子に似ていること、たくさんの『わん((1)あん)』があるからだそうです。(全日本漬物協同組合連合会が制定) 確かに、そう言われてみれば、、、 1111、、、見えない

        漬けもの屋があんこ屋を始めて1年が経ちました。

          「腐敗」と「発酵」の分かれ道はどこに?

          とまりのつけもの、店長の岸田です。 我が家には9歳の小学生男子と2歳になる女の子がいます。 彼らは、納豆とヨーグルト、チーズが大好き! 特に小学生のお兄ちゃんは「体の80%は納豆でできている」と自分で言うくらいに納豆大好きで、食卓に納豆が添えられてないと「え?ないの?」とクレームが届きます。 2人とも乳製品多めではありますが、とても健康的に発酵食品を取り入れてくれて母としては喜んでいたのですが……先日、お兄ちゃんが「カビチーズ」の存在を知りました。 そこから、「納豆もチ

          「腐敗」と「発酵」の分かれ道はどこに?

          食欲の秋。ご飯がモリモリ進むお漬物の話。

          新米の時期がやってきました。 新米、さんま、栗、さつまいも、梨、ぶどう、柿…美味しいものが満載の秋。 旬の食材が豊富で、日々のメニュー選びも、お料理も少しだけ楽しくなりますよね。 特にこの時期、お米本来の旨味を楽しめる新米が何よりも楽しみ。 炊きたてのお米は、口の中にやさしい甘みが広がり、そのままでも十分なおいしく、またおにぎりやお弁当にしても冷めてもまた旨し。 そんな新米のおいしさを一層引き立てる、おすすめの「ご飯のおとも」のお話です。 まずは、やはり梅干し 漬物屋とし

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          小学生向け「見て掘って切って漬けて食べる」らっきょう教室を開校しました。@鳥取市

          この夏は、らっきょう教室を地元鳥取の小学校で開催してきました。いわゆる出前授業というものです。 鳥取は全国有数のらっきょう産地。鳥取といえば、、、と聞けば、鳥取砂丘、梨、かに、らっきょうと出てくる食べ物です。 ……がしかし、鳥取の子ども達、いえ、大人たちだって、実のところらっきょうを知っているかというとそうでもないんです。 「らっきょうが砂地で育つことを知らない」 「どんな花を咲かせて、どんなふうに育つのか知らない」 「どうやって生のらっきょうを食べられるようにするのか

          小学生向け「見て掘って切って漬けて食べる」らっきょう教室を開校しました。@鳥取市

          らっきょうは、育てるだけでなく、収穫すらも手間がかかる野菜です。

          今年のらっきょうの収穫が終わりました。2023年は全国的に豊作年だったようで、鳥取は全体的に球の大きならっきょうに育ちました。私たちの自社農場でも過去一番の収穫量となり、スタッフがやりがいを感じられた収穫でした。 これが畑から収穫されたばかりのらっきょう。 どうです? 立派なものでしょう? さて、ここから一般の野菜であれば選別・洗浄を経て出荷され、皆さんのお手元に届きます。しかしらっきょうは、そう簡単に出荷させてもらえません。というか、収穫の段階からかなり大変なのです。

          らっきょうは、育てるだけでなく、収穫すらも手間がかかる野菜です。

          つけもの屋が教える梅レシピ(梅シロップ、梅酒、梅干し)

          6月~7月は、年に1度しかできない梅仕事の時期です。1年を通して自家製の梅干しや梅酒を楽しむことができます。やり方は意外と簡単です! 1年を通して自分だけの梅干しや梅酒を楽しんでみてくださいね。 出来上がりまでの過程を楽しむことは、漬け上がっていただく時にとっても幸せな気持ちになるのが梅仕事のいいところ。 出来上がるまで眺めるのも楽しい日々です。 梅シロップ(濃厚甘め)梅仕事の中でもいちばん手軽で、はじめやすいのが梅シロップではないでしょうか。市販されているジュースにはない

          つけもの屋が教える梅レシピ(梅シロップ、梅酒、梅干し)

          季節の手しごと、梅しごと。

          「梅しごと」とは、梅が旬を迎える季節に生梅で自家製の梅干しや梅酒、梅シロップなどを作る作業のことをいいます。 梅が収穫できるのは、ちょうど「梅雨」の季節にあたる6月頃。1年のなかでも、みずみずしく香りのよい青梅が店頭に並び始めるこの時期にしか梅しごとができません。 かつて梅仕事は、日本各地で見られる季節行事のひとつでした。今でも、梅しごとだけは毎年の季節行事にしている人も多いみたいで、この時期のスーパーには梅と一緒に氷砂糖や大きな瓶が並んでいますよね。 7月頃になると梅

          季節の手しごと、梅しごと。

          らっきょう屋が教える、生らっきょうの漬け方【レシピ】

          土付きの生らっきょうが店頭に並び始める5月から7月。らっきょう好きにはたまらない季節ですね。この時期の生らっきょうは、身が引き締まってシャキシャキと歯応えが心地いい旬野菜。採れたてを漬けると、一年中みずみずしい味を楽しむことができます。下処理など多少手間がかかる部分もあれど、それを乗り越えるだけの価値はありますよ! ……とはいえ、漬け方がわからない、、、という人もいらっしゃると思いますので、ここではらっきょう屋の漬け方レシピをご紹介します。お手軽版と本格版がありますので、お

          らっきょう屋が教える、生らっきょうの漬け方【レシピ】

          知ってるようで全然知らない「らっきょう」の話。[収穫編]

          さあ、5月。今年もらっきょうの収穫時期がやってきました。 昨年の夏の暑い中、だらだらと汗を流しながら種球を植え、日本海の厳しい雪を越し、丸々と玉太りしたらっきょう。ついに待ち望んだ収穫です。 ちなみに収穫作業は機械で一気に掘り起こすのが一般的ですが、以前はすべて手作業でした。これがとっても重労働で……。 鳥取のらっきょうは砂の中で育つじゃないですか。土と違って引っ張ったらすっと抜ける姿を想像されるかもしれませんが、、 実は地中にしっかり根を張っているので、手で引っ張っ

          知ってるようで全然知らない「らっきょう」の話。[収穫編]

          知ってるようで全然知らない「たくあん」の話。

          最近、たくあん食べましたか? 私はお弁当の白ごはんの上に黄色いあとができる黄色いたくあんのお弁当で育った世代です。おいしいですよね。あの、ご飯がどんどんすすむ味。おかずなしでもお茶碗一杯ぐらいはペロリといけちゃう。ただ、最近はお弁当やお店でもたくあんを見る機会が減ったような……(気のせい?)。 ま、それはさておき、たくあんの話です。 たくあんが大根なのは有名ですが、あのシャキシャキで瑞々しい大根がどうやったらパリパリのたくあんに変身していくのかは意外と知られていません。

          知ってるようで全然知らない「たくあん」の話。

          らっきょう屋、この春、あんこ始めました

          「とまりのつけもの」の岸田です。 らっきょう専門店「とまりのつけもの」という名で表しているように、私たちは漬物屋です。昭和49年の創業以来、ずーっと漬けものとともに歩んできました。 そんな私たちが、この春、あんこ製造をスタートさせました。 「????」と、なりますよね。私だっていきなり聞かされたら頭の中は疑問でいっぱいになります。どうして漬物屋があんこ製造を始めることになったのか。今日はちょっとその話をさせてください。 地元のあんこ供給元がなくなってしまう 私たちが商

          らっきょう屋、この春、あんこ始めました

          底が見えないお酢の深み。

          世間でSDGsが謳われて久しいもので、今やありとあらゆる企業がSDGsを標榜しているわけなのですが、私たちつけもの屋は、わざわざそんなことも言わずとも、ずっと持続可能性のある食に取り組んできております。 そう、お漬けものです。 余ったお野菜やお魚、お肉に至るまで色んなものを「生食から保存食に変える」。いわばお漬けものとは、日本のモッタイナイ精神が宿る、世界に誇るべきSDGs的な食べものと言えるのではないでしょうか!! 捨ててしまうような野菜の切れ端も、ぬか床に漬けるだけ

          底が見えないお酢の深み。

          日本一カレーを愛する町、鳥取ではなぜらっきょうが売れないか?

          今や日本人の国民食とまで言われるカレー。大人も子どももみんな大好きな定番メニュー。もちろん私も大好きです。家族も親戚も見渡す限り大体、カレー好き。 なにしろ、総務省が毎年行っている家計支出調査(対象は県庁所在地と政令指定都市)の2016~2018年におけるカレールウの購入金額と購入数量で…… 鳥取市民はカレー消費量日本一!に輝いているぐらいですから。一位以外の年も常に上位にランクインしています。 数多の個性派カレー屋さんがひしめく東京や、庶民派カレーの王道である大阪、ス

          日本一カレーを愛する町、鳥取ではなぜらっきょうが売れないか?