見出し画像

小学生向け「見て掘って切って漬けて食べる」らっきょう教室を開校しました。@鳥取市

この夏は、らっきょう教室を地元鳥取の小学校で開催してきました。いわゆる出前授業というものです。

鳥取は全国有数のらっきょう産地。鳥取といえば、、、と聞けば、鳥取砂丘、梨、かに、らっきょうと出てくる食べ物です。

……がしかし、鳥取の子ども達、いえ、大人たちだって、実のところらっきょうを知っているかというとそうでもないんです。

「らっきょうが砂地で育つことを知らない」
「どんな花を咲かせて、どんなふうに育つのか知らない」
「どうやって生のらっきょうを食べられるようにするのか知らない」


という声を耳にすることも珍しくありません。

日本有数のらっきょう産地に住んでいても、畑のらっきょうに触れる機会なんて普段ないですもんね。でも、地元の名産を知らないのはらっきょう屋としては悲しいところ。そんなわけで、毎年スーパーさんとのコラボ企画で行っていた「らっきょう体験」を子供たちに届けよう!と、地元鳥取の小学校で開催してきました。

今回実施したのは、生活の学習に連動した、いわゆる出前講座と呼ばれるタイプの授業になります。ちょうど野菜を継続的に育てることを通して、野菜の成長の様子や変化に関心を持ち、野菜に親しみをもって大切にする題材だったそうで、自分たちが育てる野菜以外に地元の特産品であるらっきょうについて大切さを学べる授業となりました。

講座のメモ

畑でらっきょうの収穫を体験をしよう!

授業は、まずらっきょう畑から始まります。
バスに乗り込んで、しゅっぱーつ!

畑にどんな形でらっきょうが埋まっているのか、どうやって収穫するのかを体感してもらいます。

ほとんどの子どもたちが見たことのあるのは、この形の真っ白ならっきょう。

らっきょうと言われるとこの白くてつやつやならっきょう。畑での姿は、、、

バスから降り、畑に乗り込んできた子ども立ちの第一声は

「え?らっきょうどこ?」

でした。それもそのはず。畑のらっきょうの葉っぱは枯れているのだから。子供たちの前にあるのは、枯れ畑。

これが、らっきょうだよ~

と、畑から取り出すと納得してくれました。

掘りたてのらっきょうは砂がたくさんついています。初めて見る子どもたちはびっくりです。

そして、らっきょうについてのレクチャーを少し。

・らっきょうはこうやって束になって埋もれていること
・手で掘る時は、簡単には抜けないこと
・最初は1本のらっきょうが、一年かけて分身していくこと などなど

一番子供たちがびっくりするのは、「らっきょうの分球」

「球」が「分かれる」と書いて分球。ここの説明が一番盛り上がりました。

大人の方には「にんにくの六片」で共感してくださるのですが、小学校2年生にはまだ通用しないのでイラストで説明。

1が2、2が4、4が8と、かけ算勉強中の2年生には響いたようで。これを何て言うんだっけ?と聞くと、大きな声で「ぶんきゅーーーう!」コールが帰ってくるほどでした。

「でも全部がきっちり分球するわけじゃなくて、掘ってみたら、2個のコや6個のコもいるかもー!!」というと、また大盛り上がり。とにかくらっきょうに対しての期待が大きくなりました(笑)

そんな前知識を入れて、いざ掘りへ!!

枯草みたいに見えるらっきょうですが、実は手で抜こうなんて、無理無理。試しに子どもにトライしてもらうと、草取りのようにブチっと葉っぱだけがちぎれてしまうのです。そこで、みんな学校から持参のシャベルで、丁寧に丁寧に掘っていきます。

手じゃとても抜けない、、、シャベルを使ってもなかなか抜けないらっきょうの苦戦中

丁寧に掘るんだよ~との説明をしっかり聞いてくれたおかげで、らっきょうは傷つかずに順調に掘り起こされていきます。

この日は「10粒のらっきょうを収穫するよー!」と伝えたものの、ドンドン掘りまくる子どもたち(笑)

ガンガン掘る子もいれば、一房ずつを愛おしそうに大事に掘る子、全然掘れないと心が折れている子と実にさまざま。ちなみに引率の先生方も初めての体験だったようで楽しんで収穫されていました。やっぱり大人も知らないんですよね~。

先生も初めての体験ということで子ども達と楽しんで掘られてました

そんなこんなで、各自持ってきた袋に無事収穫。

根切り体験も

さて、ここからは根っこを切っていきます。畑に用意したコンテナの上で、2年生に刃物は危険なのでキッチンバサミでチョキチョキと。


イラストを参考に子供たちは切っていきます。

根っこを軽くカットして、葉っぱの方も少し短くして完成。ですが、、、これも個性がすごく出ていて、砂をきれいに落とす子もいれば、葉っぱ切ったた?っていうくらい長い子もいて、それぞれにらっきょうのイメージがあるでしょうね。

思い思いの大きさにカットするまでが収穫体験。大事そうに切っていました


この日は、2クラス入れ替わりで終了。
翌週、家庭科の時間に調理実習でらっきょうを漬ける準備のため、らっきょうを私が預かるのですが「わたしのらっきょうをどうか大事にお願いします」「お母さんがらっきょうすごく好きだからどうにか今日持って帰りたい」など、子ども達の熱いメッセージが。先生になだめられながら、らっきょうとお別れする子供たちでした。

自分の袋に名前を書いて、しばしらっきょうとはお別れ。


そして1週間後、、、

調理実習の日がやってきました。

この日は、先週掘ってくれたらっきょうを甘酢で漬けこんでいきます。

らっきょうミッション
表面の砂がついているうすい皮をはがしていく
・食べやすい大きさに切っていく

子供たちの作業はたったこの2つなのですが、これが予想以上に大変なのです。

らっきょう仕事の中で何が大変かというと、らっきょうを漬けたことがある方なら誰もが口を揃えて「皮むき」と言うくらい、らっきょうの薄皮を剥くのは手間がかかります。

皮を慎重に抜いていきます。手がべたべたしたり、目に沁みたり、発見の連続でした

まして2年生からすると、どこが薄皮でどこが実か分からない、、、ので、作業が始まると、「先生ここまで剥いていい?」とか「これどうですか?」と聞きながらちょっとずつ進めていきます。

自分たちのらっきょうを愛情込めて切っていく姿が印象的な調理実習です。こうしてらっきょう仕事を覚えていてくれたらなぁと感じる瞬間です。

これは皮?ここ剥いていい?と一生懸命作業する姿がみられました

授業の後半は、らっきょうクイズ。

・らっきょうの花はいつ咲く?
・らっきょう植えてる人、1日に何個くらい植えるでしょう?
・らっきょうを植えてるのは何月でしょう?
などなど。

らっきょう畑の写真や動画を見てもらいながら、手で植える作業の様子、植え付けの達人は1日に1万個も植えること、植え付けの時は地熱で60度くらいになること、冬は雪の中に埋もれていることなど、らっきょうの1年間について勉強しました。

実際の植え付け動画や収穫動画に釘づけ。何度も見たいとリクエストがあるくらいでした。

今回は手で抜いたけれども本当はトラクターで作業する様子や、植え付けの作用の速さ、切り子さんがらっきょうを切っていく様子の速さに驚きの声が上がっていました。

この日漬けたらっきょうは、1か月後のカレーパーティでお披露目されるとのこと。子ども達、とっても楽しみにしていました。

お礼のお手紙をいただきました

そして、先日こんなお手紙が届きました。

手紙を書く予定はなかったそうですが、子ども達からの要望で書いてくださったとのこと
美味しいと言ってもらうのが一番うれしいです
おうちでもらっきょうについて話してもらえることがこの授業の嬉しいところです

鳥取のらっきょうは、100年以上も農家さんが大切に作り続けているものなので、こうして地元の小学生が興味を持ってくれることはとても大切なことなのです。

体験型のワークショップを通じて、私たち自身も学ぶことがたくさんあります。らっきょうの産地鳥取に創業したメーカーとして私たちが後世に伝えていくべきことの大切さを感じさせてもらいました。

来年はもっと拡大して開催したいと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?