ち あ き

27歳、日々の綴り。 本、ことば、朝、お花、だし巻き玉子が大好きです◎

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記事一覧

四月には 心を輪にする演出を

金曜、四月から入社されたTさんの 歓迎会が開かれました。 和ふうの、小洒落たお食事処に集まったのは 同じ課に所属する、十人。 年代は色々ですが、全員が女性です。 …

ち あ き
11日前
88

この春に、綺麗な栞をひとつ

小説って、編み物みたい と思います。 かぎ針を 毛糸の、ちいさな輪っかへ通し ひとつひとつ手を動かして 糸を列へ、列を面へと仕立てていくように 選りすぐった言葉を…

ち あ き
3週間前
163

菜の花といちご、それから玉子焼き

菜の花が 風に吹かれて ゆうらり、ゆうらり、と波を打ちます。 一面の黄色。ビタミンイエロー。 花盛りを迎え、 彩度に満ち満ちた葉の花のパノラマが 目の前に広がってい…

ち あ き
1か月前
165

パ リ の 花 束

エメラルドの瞳、白い肌、 栗色にカールのかかった髪。 ひとりの青年と、すれ違いました。 パリの街は曇り空。 風はなく、穏やかで 過ごしやすい気候です。 カフェのテラ…

ち あ き
2か月前
125

本を「聞く」ことが好き

深い瑠璃色の空に 一、二粒の星が 音もなく点る如月の早朝。 私は、パジャマに あたたかい上着を羽織って ひとり、キッチンに立ちます。 それから 携帯電話を片隅に置き、…

ち あ き
2か月前
130

お い と ま の 流 儀

たとえば小さなベーカリーで 楽しみにしていた お目当ての商品が売り切れていたとき、 あなたは、どうされますか? 私は、以前まで こじんまりとした商店では 何も買わず…

ち あ き
3か月前
148

あなたが名前をつけるなら?

大学の友人たちと、久しぶりの再会。 なじみのカフェで めいめいに好きな飲み物を注文して、 話に花を咲かせます。 そのなかで私はふと、 そんなことを尋ねました。 ひと…

ち あ き
4か月前
223

O型さんの、紅茶ホイップと焼きりんご

これは、細やかな加減が苦手な O型の私でも かんたんに作ることができる 私の、一押しおやつです。 あなたも、秋めく午後のひとときに おひとつ、いかがでしょうか。 四…

ち あ き
5か月前
127

真っ白なノートの上に

机の上には ノートと万年筆、 カップに淹れた茜色の紅茶。 それから、読みさしの本が1冊。 そうして、栞を頼りに 本を開いたら、 私の、好きな時間のはじまりです。 万年…

ち あ き
6か月前
288

帰り道の秋キャフェ

映画を観た帰り道に キャフェへ寄りました。 時計は十六時をまわったところ。 磨きあげられたガラスのドアを押すと 店内は、なかなか賑わっています。 私は栗のパウンド…

ち あ き
7か月前
144

27歳10ヶ月、考えごとをしたい夜

書店で偶然手にした本を 何の気なしにぱらぱらとめくり、 ふと目を落としたその先に そんなことが、書かれていました。 色鉛筆で描かれた さらりとシンプルな装丁。 目を…

ち あ き
7か月前
204

想い出をのせたインテリア

この夏、家へやってきた 可愛いインテリアのお話です。 *** それは旅先で、あまりの暑さのため 涼みに立ち寄ったお店でのことでした。 店内のひんやりした空気にあた…

ち あ き
8か月前
179

朝涼のフルーツサラダ

朝涼。 夏、涼しさの残る朝のひととき。 空は、青と黄を混ぜ合わせたような ゆるやかな色彩で 風はひっそりとしています。 そんな夏の朝に 私がフト、作りたくなる サラ…

ち あ き
8か月前
150

好きなドラマは、孤独のグルメ。

サラリーマン役の俳優さんがひとり、 食堂でトンカツ定食を食べるシーンが 映し出されました。 * 差し出された定食を前に、 背すじをすっと伸ばして 「いただきます」と…

ち あ き
9か月前
193

七夕の夜、北欧ビストロ。

家に帰ってからの楽しみがあると、 つい、帰宅の足取りが弾んでしまいます。 今夜はあいにく、 雨模様の七夕だというのに ちっとも気にかかりません。 その訳はほかでも…

ち あ き
9か月前
152

読書好きなあの子への贈りもの

第一子の出産を、8月に控え 里帰りをした友人へ 郵便を出しました。 同封した “おすすめ図書のしおり”には こんな本を載せました。 *---------------…

ち あ き
10か月前
185
四月には 心を輪にする演出を

四月には 心を輪にする演出を

金曜、四月から入社されたTさんの
歓迎会が開かれました。

和ふうの、小洒落たお食事処に集まったのは
同じ課に所属する、十人。
年代は色々ですが、全員が女性です。

掘りごたつの個室で、
ひと続きのテーブルに
十人が五人ずつ、向かい合うように座ります。
皆が席に着くと前菜が手早く提供され、
一杯目の飲み物が行き渡りました。

「Tさん、これからよろしくお願いします。
では、かんぱい」
上司の音頭の

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この春に、綺麗な栞をひとつ

この春に、綺麗な栞をひとつ

小説って、編み物みたい

と思います。

かぎ針を
毛糸の、ちいさな輪っかへ通し
ひとつひとつ手を動かして
糸を列へ、列を面へと仕立てていくように

選りすぐった言葉を、重ねて結んで
一行ずつ丁寧に
文章を紡ぎ、物語へと仕立ててゆく。

どちらも本当に時間のかかる作業です。

でもそうやって、手間を惜しまず
細やかに編み込まれた細工が
ひとの心を魅了し、
そのやわらかい布地が
肌をあたたかく包み込

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菜の花といちご、それから玉子焼き

菜の花といちご、それから玉子焼き

菜の花が
風に吹かれて
ゆうらり、ゆうらり、と波を打ちます。

一面の黄色。ビタミンイエロー。
花盛りを迎え、
彩度に満ち満ちた葉の花のパノラマが
目の前に広がっています。

黄色い海のように広大な光景も、
そのひとつひとつをよく見ると
それは小さな花たちの集合体。
すっくと伸びた茎先が枝分かれして
そこにいくつもの十字状の花を
ほころばせています。

今日は、近隣の町で開かれた
菜の花まつりにや

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パ リ の 花 束

パ リ の 花 束

エメラルドの瞳、白い肌、
栗色にカールのかかった髪。

ひとりの青年と、すれ違いました。

パリの街は曇り空。
風はなく、穏やかで
過ごしやすい気候です。
カフェのテラス席では
人々が、おしゃべりと軽食を楽しんでいる
そんな午後のことでした。

青年は
細いフレームの丸眼鏡をかけ
白シャツに黒のニット、
それから
ネイビーのオーバーコートを重ねています。

個性のあるお店が立ち並ぶ鮮やかな通りで、

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本を「聞く」ことが好き

本を「聞く」ことが好き

深い瑠璃色の空に
一、二粒の星が
音もなく点る如月の早朝。

私は、パジャマに
あたたかい上着を羽織って
ひとり、キッチンに立ちます。
それから
携帯電話を片隅に置き、
液晶の上の再生ボタンを押して
昨晩の続きをリクエストします。

ナレーターの方の声が
シンとしていた空気の中に、
しっとり響きゆくのを聞きながら
私は、朝食の支度にとりかかります。

流れるのは
川端康成作「伊豆の踊子」。
ナレー

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お い と ま の 流 儀

お い と ま の 流 儀

たとえば小さなベーカリーで

楽しみにしていた
お目当ての商品が売り切れていたとき、
あなたは、どうされますか?

私は、以前まで
こじんまりとした商店では
何も買わずにお店を出ることに
少々きまりわるさを感じて

売り場にある商品を適当に見繕い、
買って帰ることがしばしばありました。

レジのところに
店員さんがいらっしゃる手前、
スーッと入ってきてスーッと出てゆくのは、、と
ヘンに気を巡らせて

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あなたが名前をつけるなら?

あなたが名前をつけるなら?

大学の友人たちと、久しぶりの再会。
なじみのカフェで
めいめいに好きな飲み物を注文して、
話に花を咲かせます。

そのなかで私はふと、
そんなことを尋ねました。

ひとりが、「私はね、」と話し始めました。

キラキラと楽しげに話す彼女。
洋画が好きな彼女らしい、
小粋なアイデアです。

つづいて、もうひとりが言いました。

菫やあやめ、桜に楓。
小さなことに目を向けて、心を動かせる人は
いま、それ

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O型さんの、紅茶ホイップと焼きりんご

O型さんの、紅茶ホイップと焼きりんご

これは、細やかな加減が苦手な
O型の私でも
かんたんに作ることができる
私の、一押しおやつです。

あなたも、秋めく午後のひとときに
おひとつ、いかがでしょうか。

四人分を作ります。

まず、クリームチーズを70gほど
ボウルに取り、常温に置いて柔らかくします。
そこへ100mlの生クリームを注ぎ
なめらかになるよう
ヘラで混ぜ合わせます。

生クリームとクリームチーズが
トロりと、ひとつに馴染

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真っ白なノートの上に

真っ白なノートの上に

机の上には
ノートと万年筆、
カップに淹れた茜色の紅茶。
それから、読みさしの本が1冊。

そうして、栞を頼りに
本を開いたら、
私の、好きな時間のはじまりです。

万年筆にインクを十分に充填して
姿勢をととのえて
書かれている文章に目を落として。

本の中の、
美しい響きの言葉や
新鮮に感じる表現、
思わず共感する部分だったり、
心に触れた台詞を
真っ白なノートの上に
ひとつひとつ、拾い集めてゆ

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帰り道の秋キャフェ

帰り道の秋キャフェ

映画を観た帰り道に
キャフェへ寄りました。

時計は十六時をまわったところ。
磨きあげられたガラスのドアを押すと
店内は、なかなか賑わっています。

私は栗のパウンドケーキと
カフェラテをお願いして
入口から離れた
店内をゆったり見渡せる席をとりました。

このお店を利用するお客さんは
テイクアウトとイートインが
半はんといった具合で、
おしゃべりに夢中の学生さんたちや
ゆったりと本を読む白髪の女

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27歳10ヶ月、考えごとをしたい夜

27歳10ヶ月、考えごとをしたい夜

書店で偶然手にした本を
何の気なしにぱらぱらとめくり、
ふと目を落としたその先に
そんなことが、書かれていました。

色鉛筆で描かれた
さらりとシンプルな装丁。
目を引く黄色い帯には
『求めるのは「しあわせ」よりも「安心」』
と書かれています。

それは、松浦弥太郎さん著書
『松浦弥太郎の「いつも」
安心をつくる55の習慣』という本でした。

書かれている言葉を
目で追うごとに、
なにか、腑に落ち

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想い出をのせたインテリア

想い出をのせたインテリア

この夏、家へやってきた
可愛いインテリアのお話です。

***

それは旅先で、あまりの暑さのため
涼みに立ち寄ったお店でのことでした。

店内のひんやりした空気にあたり
ふうっとひと息ついて、
お店の中に目を向けると

そこには思いもかけない
宝石箱のようなディスプレイが
広がっていました。

グラス、スノウドーム、風鈴、
アクセサリー、ガラスペン、ガラスの人形、、

棚のところどころが
ライト

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朝涼のフルーツサラダ

朝涼のフルーツサラダ

朝涼。
夏、涼しさの残る朝のひととき。

空は、青と黄を混ぜ合わせたような
ゆるやかな色彩で
風はひっそりとしています。

そんな夏の朝に
私がフト、作りたくなる
サラダがあります。

材料は
白ワインビネガー、お塩と胡椒、オリーブ油、
そして
好みのハーブと
太陽のように真っ赤なスイカ。
これは、
スイカが主役の夏サラダなのです。

まず、スイカは、
サイコロほど大きさに切って
見える部分の種を

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好きなドラマは、孤独のグルメ。

好きなドラマは、孤独のグルメ。

サラリーマン役の俳優さんがひとり、
食堂でトンカツ定食を食べるシーンが
映し出されました。



差し出された定食を前に、
背すじをすっと伸ばして
「いただきます」と
胸の前で手を合わせる男性。

分厚く揚がったトンカツの
真ん中のひと切れに
ソースとからしを落とし、
箸でそっと持ち上げて、はふり、とひと口。
よく噛んで、しみじみと肉の旨みを噛みしめて
その美味しさに頬をふっと緩めて。
次は塩で

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七夕の夜、北欧ビストロ。

七夕の夜、北欧ビストロ。

家に帰ってからの楽しみがあると、
つい、帰宅の足取りが弾んでしまいます。

今夜はあいにく、
雨模様の七夕だというのに
ちっとも気にかかりません。

その訳はほかでもなく
楽しみな夜ごはん。

先週末に読んだ本、
北欧の暮らしについて書かれたその本に
興味をそそられて
“今夜はおうちで、北欧ビストロを” と
ひとり、たくらんでいるのです。



キッチンに立ち
冷蔵庫から取り出したのは
じゃがい

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読書好きなあの子への贈りもの

読書好きなあの子への贈りもの

第一子の出産を、8月に控え
里帰りをした友人へ
郵便を出しました。

同封した
“おすすめ図書のしおり”には
こんな本を載せました。

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○ 愛のエネルギー家事

心を健やかに整える「きっかけの言葉」に出会えますように。この本には、やさしい暮らしを送るためのヒントがいっぱい。本田亮さんが描かれている挿絵は、見ているだけでほっこりしてきます。心がすこし疲れた

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