朝涼のフルーツサラダ

朝涼あさすず。
夏、涼しさの残る朝のひととき。

空は、青と黄を混ぜ合わせたような
ゆるやかな色彩で
風はひっそりとしています。


そんな夏の朝に
私がフト、作りたくなる
サラダがあります。

材料は
白ワインビネガー、お塩と胡椒、オリーブ油、
そして
好みのハーブと
太陽のように真っ赤なスイカ。
これは、
スイカが主役の夏サラダなのです。

まず、スイカは、
サイコロほど大きさに切って
見える部分の種を除きます。

続いて
切ったスイカを器へ移し、
白ワインビネガーとオリーブ油を
それぞれさっとひと回し。
お塩と胡椒を振って、
かるく混ぜて馴染ませます。

このとき、あまり触れると、
スイカから多く水分が出ますから、
さっくりとカンタンに和えます。

仕上げに、
色と香りを添えるハーブ、ディルを散らせば
できあがり。

足つきの、透明なデザートカップに
盛り付けると、
赤と緑とクリスタルの色合いが
かわいく、気分も華やぎます。

＊

スイカの、瑞々しく澄んだ甘さに
お酢の酸っぱみがきゅっと効いた
なんとも涼やかな美味しさ。

サク、サクッという
スイカならではの歯ざわりをたのしめば
甘酸っぱい果汁に、次第と
ハーブの爽快なフレイバーが重なって
いっそう洒落たお味になります。


夏は、シンプルな味ほど
ありがたいものです。
食欲のないときでも食べやすく
さらりと身体に沁みて、
暑さの疲れを和らげてくれます。


このサラダには、
湯むきしてざく切りにしたトマトや
モッツァレラチーズを加えてもよいですし、
ハーブは、
バジルやミントでも
素敵に仕上がると思います。

酸味を弱めたいときは
すし酢をいくらか加えると
味にまるみが出て、食べやすくなります。

サラダと言うと、
葉物野菜を、という印象がありますが、
フルーツだけのサラダも
小粋で、目新らしく、素敵なお味です。

束の間の涼を味わう、
朝涼のフルーツサラダ。

夏のさなかの
密かな楽しみに、あなたも
いかがですか。

＊