ち あ き

27歳、日々の綴り。 本、ことば、朝、お花、だし巻き玉子が大好きです◎

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  • 時ノ栞書店

    ちいさな本屋を開く夢を綴った手帖です。

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この春に、綺麗な栞をひとつ

小説って、編み物みたい と思います。 かぎ針を 毛糸の、ちいさな輪っかへ通し ひとつひとつ手を動かして 糸を列へ、列を面へと仕立てていくように 選りすぐった言葉を、重ねて結んで 一行ずつ丁寧に 文章を紡ぎ、物語へと仕立ててゆく。 どちらも本当に時間のかかる作業です。 でもそうやって、手間を惜しまず 細やかに編み込まれた細工が ひとの心を魅了し、 そのやわらかい布地が 肌をあたたかく包み込むように 緻密に作り込まれた小説は 言葉にならない感動を生み、 深い余韻が胸を

    • 菜の花といちご、それから玉子焼き

      菜の花が 風に吹かれて ゆうらり、ゆうらり、と波を打ちます。 一面の黄色。ビタミンイエロー。 花盛りを迎え、 彩度に満ち満ちた葉の花のパノラマが 目の前に広がっています。 黄色い海のように広大な光景も、 そのひとつひとつをよく見ると それは小さな花たちの集合体。 すっくと伸びた茎先が枝分かれして そこにいくつもの十字状の花を ほころばせています。 今日は、近隣の町で開かれた 菜の花まつりにやって来ました。 花畑に沿う道路には屋台が並び 軽食や、ヨーヨーすくい、綿あめ、

      • パ リ の 花 束

        エメラルドの瞳、白い肌、 栗色にカールのかかった髪。 ひとりの青年と、すれ違いました。 パリの街は曇り空。 風はなく、穏やかで 過ごしやすい気候です。 カフェのテラス席では 人々が、おしゃべりと軽食を楽しんでいる そんな午後のことでした。 青年は 細いフレームの丸眼鏡をかけ 白シャツに黒のニット、 それから ネイビーのオーバーコートを重ねています。 個性のあるお店が立ち並ぶ鮮やかな通りで、 シンプルな出で立ちのその青年を ふと目で追ってしまったのは 彼が、胸に溢れる

        • 本を「聞く」ことが好き

          深い瑠璃色の空に 一、二粒の星が 音もなく点る如月の早朝。 私は、パジャマに あたたかい上着を羽織って ひとり、キッチンに立ちます。 それから 携帯電話を片隅に置き、 液晶の上の再生ボタンを押して 昨晩の続きをリクエストします。 ナレーターの方の声が シンとしていた空気の中に、 しっとり響きゆくのを聞きながら 私は、朝食の支度にとりかかります。 流れるのは 川端康成作「伊豆の踊子」。 ナレーターは榊原忠美さんです。 渋く落ち着いた声。 染み入るような深い声。 美しい日

        この春に、綺麗な栞をひとつ

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          お い と ま の 流 儀

          たとえば小さなベーカリーで 楽しみにしていた お目当ての商品が売り切れていたとき、 あなたは、どうされますか? 私は、以前まで こじんまりとした商店では 何も買わずにお店を出ることに 少々きまりわるさを感じて 売り場にある商品を適当に見繕い、 買って帰ることがしばしばありました。 レジのところに 店員さんがいらっしゃる手前、 スーッと入ってきてスーッと出てゆくのは、、と ヘンに気を巡らせてしまっていたのです。 ですけれど、ある時、はたと気づきました。 自分の楽しみに

          お い と ま の 流 儀

          あなたが名前をつけるなら?

          大学の友人たちと、久しぶりの再会。 なじみのカフェで めいめいに好きな飲み物を注文して、 話に花を咲かせます。 そのなかで私はふと、 そんなことを尋ねました。 ひとりが、「私はね、」と話し始めました。 キラキラと楽しげに話す彼女。 洋画が好きな彼女らしい、 小粋なアイデアです。 つづいて、もうひとりが言いました。 菫やあやめ、桜に楓。 小さなことに目を向けて、心を動かせる人は いま、それほど多く無いかもしれない。 けれど こんな感性こそ、これからを生きる人には 大切

          あなたが名前をつけるなら?

          O型さんの、紅茶ホイップと焼きりんご

          これは、細やかな加減が苦手な O型の私でも かんたんに作ることができる 私の、一押しおやつです。 あなたも、秋めく午後のひとときに おひとつ、いかがでしょうか。 四人分を作ります。 まず、クリームチーズを70gほど ボウルに取り、常温に置いて柔らかくします。 そこへ100mlの生クリームを注ぎ なめらかになるよう ヘラで混ぜ合わせます。 生クリームとクリームチーズが トロりと、ひとつに馴染んだら さらに お砂糖大さじ1、 レモン汁小さじ2と アールグレイの茶葉を小さじ

          O型さんの、紅茶ホイップと焼きりんご

          真っ白なノートの上に

          机の上には ノートと万年筆、 カップに淹れた茜色の紅茶。 それから、読みさしの本が1冊。 そうして、栞を頼りに 本を開いたら、 私の、好きな時間のはじまりです。 万年筆にインクを十分に充填して 姿勢をととのえて 書かれている文章に目を落として。 本の中の、 美しい響きの言葉や 新鮮に感じる表現、 思わず共感する部分だったり、 心に触れた台詞を 真っ白なノートの上に ひとつひとつ、拾い集めてゆきます。 つい見過ごしてしまいそうな 心がふっと動いた瞬間を 逃さないように

          真っ白なノートの上に

          帰り道の秋キャフェ

          映画を観た帰り道に キャフェへ寄りました。 時計は十六時をまわったところ。 磨きあげられたガラスのドアを押すと 店内は、なかなか賑わっています。 私は栗のパウンドケーキと カフェラテをお願いして 入口から離れた 店内をゆったり見渡せる席をとりました。 このお店を利用するお客さんは テイクアウトとイートインが 半はんといった具合で、 おしゃべりに夢中の学生さんたちや ゆったりと本を読む白髪の女性。 パソコンに向かうスーツ姿のひとなど 客層もいろいろです。 カウンターの向

          帰り道の秋キャフェ

          27歳10ヶ月、考えごとをしたい夜

          書店で偶然手にした本を 何の気なしにぱらぱらとめくり、 ふと目を落としたその先に そんなことが、書かれていました。 色鉛筆で描かれた さらりとシンプルな装丁。 目を引く黄色い帯には 『求めるのは「しあわせ」よりも「安心」』 と書かれています。 それは、松浦弥太郎さん著書 『松浦弥太郎の「いつも」 安心をつくる55の習慣』という本でした。 書かれている言葉を 目で追うごとに、 なにか、腑に落ちる感覚があったのは きっとその言葉が 自分の心の片隅に在る うすぼんやりとした

          27歳10ヶ月、考えごとをしたい夜

          想い出をのせたインテリア

          この夏、家へやってきた 可愛いインテリアのお話です。 *** それは旅先で、あまりの暑さのため 涼みに立ち寄ったお店でのことでした。 店内のひんやりした空気にあたり ふうっとひと息ついて、 お店の中に目を向けると そこには思いもかけない 宝石箱のようなディスプレイが 広がっていました。 グラス、スノウドーム、風鈴、 アクセサリー、ガラスペン、ガラスの人形、、 棚のところどころが ライトアップされ、 繊細なガラスのアイテムたちが その中で きらきらと可愛く光って並ん

          想い出をのせたインテリア

          朝涼のフルーツサラダ

          朝涼。 夏、涼しさの残る朝のひととき。 空は、青と黄を混ぜ合わせたような ゆるやかな色彩で 風はひっそりとしています。 そんな夏の朝に 私がフト、作りたくなる サラダがあります。 材料は 白ワインビネガー、お塩と胡椒、オリーブ油、 そして 好みのハーブと 太陽のように真っ赤なスイカ。 これは、 スイカが主役の夏サラダなのです。 まず、スイカは、 サイコロほど大きさに切って 見える部分の種を除きます。 続いて 切ったスイカを器へ移し、 白ワインビネガーとオリーブ油を

          朝涼のフルーツサラダ

          好きなドラマは、孤独のグルメ。

          サラリーマン役の俳優さんがひとり、 食堂でトンカツ定食を食べるシーンが 映し出されました。 * 差し出された定食を前に、 背すじをすっと伸ばして 「いただきます」と 胸の前で手を合わせる男性。 分厚く揚がったトンカツの 真ん中のひと切れに ソースとからしを落とし、 箸でそっと持ち上げて、はふり、とひと口。 よく噛んで、しみじみと肉の旨みを噛みしめて その美味しさに頬をふっと緩めて。 次は塩で、 また次は白米と一緒に、と 男性は満足げな表情で食べ進めてゆきます。 *

          好きなドラマは、孤独のグルメ。

          七夕の夜、北欧ビストロ。

          家に帰ってからの楽しみがあると、 つい、帰宅の足取りが弾んでしまいます。 今夜はあいにく、 雨模様の七夕だというのに ちっとも気にかかりません。 その訳はほかでもなく 楽しみな夜ごはん。 先週末に読んだ本、 北欧の暮らしについて書かれたその本に 興味をそそられて “今夜はおうちで、北欧ビストロを” と ひとり、たくらんでいるのです。 * キッチンに立ち 冷蔵庫から取り出したのは じゃがいも、玉ねぎ、スモークサーモン 牛乳に玉子、バター、 それから香草のディル。 作

          七夕の夜、北欧ビストロ。

          読書好きなあの子への贈りもの

          第一子の出産を、8月に控え 里帰りをした友人へ 郵便を出しました。 同封した “おすすめ図書のしおり”には こんな本を載せました。 *------------------* ○ 愛のエネルギー家事 心を健やかに整える「きっかけの言葉」に出会えますように。この本には、やさしい暮らしを送るためのヒントがいっぱい。本田亮さんが描かれている挿絵は、見ているだけでほっこりしてきます。心がすこし疲れたとき、読み返したくなる本です。 〇 考えごとしたい旅 フィンランドと

          読書好きなあの子への贈りもの

          六 月 の 花 と 金 平 糖

          梅雨のこの季節は 町を歩くたびに、 儚い桃色の、または淡紫や空色の花に 出会います。 こんなところにも、と驚くほど 六月の花、紫陽花は、 そこここに賑やかに咲いて 町全体に、色彩を灯してくれています。 * つい先日は とある一軒のおうちの玄関先に 鉢で育てられていた 一株の紫陽花に 思わず、ひとめぼれをしました。 ひし形の萼片が八重に重なってできた 愛らしい装飾花。 中心の、くっきりしたピンクから じゅわっと滲むように色が変化し、覆輪は白。 ガクアジサイで、その装飾花

          六 月 の 花 と 金 平 糖