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お い と ま の 流 儀


たとえば小さなベーカリーで

楽しみにしていた
お目当ての商品が売り切れていたとき、
あなたは、どうされますか?


私は、以前まで
こじんまりとした商店では
何も買わずにお店を出ることに
少々きまりわるさを感じて

売り場にある商品を適当に見繕い、
買って帰ることがしばしばありました。



レジのところに
店員さんがいらっしゃる手前、
スーッと入ってきてスーッと出てゆくのは、、と
ヘンに気を巡らせてしまっていたのです。


ですけれど、ある時、はたと気づきました。
自分の楽しみにと寄ったお店で
いつの間にか、
見えない気まずさを
和らげるための買い物をしている、と。


それからというもの私は、決心して
目当てのものが無かったときは
買うことを
スッパリ諦めることにしました。

その代わり、気づまりでないように、
おいとまする際には、店員さんと
ちょっとした会話を交わすようになりました。


会話の内容はいたってシンプル。
たとえばこんな具合です。

**

「今日は、
無花果のライ麦パンは売り切れですか」

「あら、そうですか、、
知人から教えてもらったのですが、
どうしてもこのパンが食べてみたくって。
いつもこの時間帯には
無くなってしまうのでしょうか?」

「そうなのですね。
色々教えてくださってありがとうございます。
では、このパンを楽しみに
またお邪魔させていただきますね」

**

商品について二、三質問をし
最後に「また来ます」と笑顔で伝えます。

ほんのそれだけなのですが
そうすれば、
よそよそしさが無くなり、
お店を出る時も、
いくぶん気持ちが軽やかです。


せっかく
自分の楽しみにと寄ったお店ですから
見えない気まずさを
和らげるための買い物は
したくありません。



これは、
気持ちよく、
自分の心に正直な買い物をするための
私なりの
おいとまの流儀です。



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