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七夕の夜、北欧ビストロ。


家に帰ってからの楽しみがあると、
つい、帰宅の足取りが弾んでしまいます。

今夜はあいにく、
雨模様の七夕だというのに
ちっとも気にかかりません。

その訳はほかでもなく
楽しみな夜ごはん。

先週末に読んだ本、
北欧の暮らしについて書かれたその本に
興味をそそられて
“今夜はおうちで、北欧ビストロを” と
ひとり、たくらんでいるのです。




キッチンに立ち
冷蔵庫から取り出したのは
じゃがいも、玉ねぎ、スモークサーモン
牛乳に玉子、バター、
それから香草のディル。

作るのは、
「ラックスプディング」という
サーモンとじゃがいものグラタン風料理です。
これは、
夏が短く、きびしい冬のつづく北欧の国で
家庭料理として親しまれる一品。
手順も味付けもほんとうにカンタンな料理です。



じゃがいもは丸のまま固めに茹でて
皮をむき、7ミリ幅に切ります。
玉ねぎはごくうすくスライスして
オリーブオイルと、ほんの少しのお塩で
透き通るほどにさっと炒めておきます。

そうしたら
深めのグラタン皿にバターを塗って
じゃがいも、サーモン、ディル、玉ねぎ、
またじゃがいも、、と
ミルフィーユ状に重ねて、二層。
いちばん上は
じゃがいもでフタをするのが
ポイントです。

牛乳と玉子をよく混ぜて
塩コショウで味付けした卵液を
お皿いっぱいに流し込めば
あとはオーブンにおまかせ。

200度に余熱したオーブンで30分、
じっくりじっくりと熱を入れてゆきます。
卵がふっくらとし、
表面がところどころコンガリと狐色に
焼き上がれば出来上がりです。


ホクホクッと仕上がったじゃがいもの表面に
そっとスプーンを入れて。
クリーム色、オレンジ色、鮮やかな緑色。
現れた綺麗な色の層を
口いっぱいに頬張ると
玉子とじゃがいもの
ふわっとやさしい口当たり。

ミルク仕立てのおだやかな味の中に
スモークされたサーモンの
ぎゅっと濃い旨みが広がります。

ディルはお魚のハーブと言われるだけあって
サーモンとの相性がばっちり。
さっぱり爽やかなアクセントになって、
これはほんとうに、素敵な引き立て役です。


初めて作った料理がおいしいと
つい、嬉しくなってしまいます。
そして
その嬉しさの魔法なのか、料理が
よりいっそうおいしく感じてしまいます。

出来たてのあついところを
ふうふう言いながら、ひと皿。
ぺろりと平らげてしまいました。





夜が深まり、
雨粒が、窓をたたく音がします。

食後に
きゅっと冷えた白ワインを
グラスに一杯だけ
いただきました。

北欧の7月は、
気候がほどよく、日が長く、
街歩きにも最適の季節です。


いつか
北欧の旅に行けますように。

叶えたい願いごとがひとつ増えた、
七夕の夜になりました。




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