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本にまつわるエトセトラ

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本は著者や編集者など携わる人たちの想いが凝縮されたもの
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記事一覧

これからの知性とは、知識や経験を手放し「もう一度考える」こと(篠田真貴子)

これからの知性とは、知識や経験を手放し「もう一度考える」こと(篠田真貴子)

「篠田真貴子が選ぶすごい洋書!」第18回
"Think Again: The Power of Knowing What You Don't Know" by Adam Grant 
Viking, 2021年2月出版

アダム・グラントの新刊 "Think Again" (もう一度考える)を読みました。これからの世の中を生きる知恵が詰まっていて、幅広い人々に手にとってほしいと思いました。

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「 #会計の地図 」全文無料公開

「 #会計の地図 」全文無料公開

2021年3月16日発売の新刊「会計の地図」を全文公開します!!!!!

本の内容を全22この記事に分け、2021年3月8日から毎日公開し(平日のみ)、4月6日には本の全200ページの内容すべてが公開される予定です。なぜ1冊まるごと全文を公開してしまうのか、なぜ小分けにして公開するのか、についてこの記事の最後に背景や経緯を書いています。興味があればぜひ。

この記事は1番目の記事になるので「はじめ

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読書力があれば、知の獲得から自由になれる

読書力があれば、知の獲得から自由になれる

「本を読めば、なんでも理解できる人間になりたい」編集者というと、子供の頃から本の虫だったように思われるが、僕は違う。読み書きは遅咲きだった。「ひらがな」でさえ小学3年生までまともに書けず、高校になるまで主体的に読んだ本は皆無だった。

転機は大学3年のとき、初めての海外旅行でインドに行ったことだ。30年以上前のインドは経済とは無縁の、ありのままの地球が剥き出しのままのような国だった。南部の小さな村

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安宅和人さんは、いかに『シン・ニホン』を書いたか。

安宅和人さんは、いかに『シン・ニホン』を書いたか。

2月20日に発売になった安宅和人さんの『シン・ニホン』。このプロジェクトにプロデューサーとして参加し、執筆の経緯を見ることができた。それら書き残したいことをまとめた。

2019年6月安宅さんが本を書くと聞いたときは、驚いた。
安宅さんと出会って6年、年々忙しくなっている。ヤフーCSOという肩書きに、いつの間にか「慶応義塾大学環境情報学部教授」も加わっていた。ヤフーがある東京の紀尾井町と湘南キャン

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新たな「読書」への導線が誕生した

「ReadHub」という、「本」を中核に置いた新たなSNSサービスが始まる。

現在、それを急ピッチで開発しているのは、慶応SFC2年生になったばかりの石井君と青木君。今年19歳になる学生の二人である。
ちょっとした御縁からリサーチインタビューを受け、二人の熱い想いを聞くこともできた。

わたしなりの解釈で、このサービスのこれまでに感じたことのないオモシロさを言葉にしてみようと思う。

■Read

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「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」の翻訳本ができるまで

「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」の翻訳本ができるまで

2019/3/10追記: 『ファクトフルネス』へのよくある批判に対するわたしのコメントをこちらに書きました↓

こんにちは!シリコンバレー在住のエンジニア・ブロガーの上杉周作です。

このたび、2019年1月に日経BP社から発売された訳書「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」の翻訳を関美和さんと共同で担当いたしました。

「ファクトフルネス」の紹介文公式の紹介文はこちら(一部略)。

訳者

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【全文無料公開】 『会社を使い倒せ!』 〜転職でも起業でもない攻める働き方〜 #0

【全文無料公開】 『会社を使い倒せ!』 〜転職でも起業でもない攻める働き方〜 #0

はじめまして。
そして、あけましておめでとうございます。
博報堂monom代表の小野です。

「monom」(モノム)というのは、博報堂の中でモノづくりを行うチームで、今から5年前に「博報堂でモノづくりがしたい」と役員に直談判して立ち上げました。博報堂は広告会社なので、自らモノづくりをするなんてことは前代未聞でした。

(monomについてはこちらをご覧ください)

立ち上げから1年後には、ぬいぐ

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【全文無料公開】 『会社を使い倒せ!』 #1 本気でやりたいことを見つける。

【全文無料公開】 『会社を使い倒せ!』 #1 本気でやりたいことを見つける。

■STAGE1■
本気でやりたいことを見つける。

 博報堂に新卒で入社して7年目の春、僕は会社がこれまでにやったことがないことを、「どうしてもやりたい」と役員に直談判しました。
 「博報堂でモノづくりをしたい」、その思いが噴出したのです。
 自分が本当にやりたいことが見つかって、行動に移さずにはいられませんでした。

 しかし、僕自身も、「博報堂でモノづくりをしたい」という気持ちを持つとはまった

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「ファクトフルネス」は、2019年に日本人がまず真っ先に読むべき1冊だと言えると思います。

「ファクトフルネス」は、2019年に日本人がまず真っ先に読むべき1冊だと言えると思います。

書籍「ファクトフルネス」は、TEDトークで、データに関する伝説のプレゼンテーションを遺したハンスロスリング氏が書いた書籍です。

彼のプレゼンテーションは、TEDトークの数ある人気プレゼンの中でも、私のダントツのお気に入り。

この動画の4分ぐらいからの1分間なんか芸術ですよね。

私たちが昭和の頃から思い込んでいる発展途上国という概念が、もはや適切ではない言葉であることを思い知らせてくれる楽しい

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本の出し方

本の出し方

はじめまして。小川貴史と申します。イベント会社や広告会社やデジタルマーケティングコンサル会社を経て、今はPR会社のデジタルマーケティング事業を担当しています。マーケティング業界のトレンドを見ながら営業やプランニングを中心にマーケティングコミュニケーション施策の支援に関して一通りのことをやってきました。ビジネスに費やした時間の1/3はテレアポ営業や飲み会を盛り上げたり、新規営業に付帯する泥臭いことに

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ホモデウス図解、要約してみた

ホモデウス図解、要約してみた

こんにちはこんばんは。

今回は、世界的ベストセラー「サピエンス全史」の著者でおなじみ、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の新著である「ホモデウス テクノロジーとサピエンスの未来」を図解・要約してみました。

サピエンス全史よりも書いている内容が難しかったせいか、僕のvoicyの相棒であるせーやさんも読んでないとのこと。会社でも誰も読んでない。むしろ誰が読んでるんだろ。。。??

「ホモデウス テクノロジー

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四六かA5か、それが問題だ
『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』編集つぶやき

四六かA5か、それが問題だ 『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』編集つぶやき

こんにちは、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の担当編集者、中川ヒロミです。『ファクトフルネス』の編集過程について、これからnoteに何回か記事を書いていきます。

この記事を書くきっかけは、共訳者の上杉周作さんが書かれた「『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の翻訳本ができるまで」という記事の反響に驚いたこと。

Twitterなどでこの記事を読み、「ここまで手間をかけて真剣

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「ホモデウス」のハラリ氏は「エモデウス」

「ホモデウス」のハラリ氏は「エモデウス」

やっと友だちに借りたホモデウス読み終える。

正直、読みにくくてモチベーション維持に苦労した。訳者さんの文章力の問題?でも訳者さんの「後書き」はとてもわかりやすくていいし。
てことはハラリさんの原文のせいなの?

あ、先に言っておく。
本をディスりたいのではない。
むしろ、本書を読んだ人には、あらたな気づきを提供できるかもしれない。

はなしをもどす。
みなさんどんな感想なのか。
Amazonレビ

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書評 「サピエンス全史」

書評 「サピエンス全史」

長らく積んであったサピエンス全史を、お正月休みを使って、ようやく読了。前評判通りの良作だった。一年最初の本として、かなりいいものを引き当てた感がある。

本書はホモ・サピエンスの出現から情報革命まで、あらゆる軌跡を1冊にまとめた超大作だ。タイトルに違わず、ホモ・サピエンスの歴史全てを俯瞰した本である。

本書は、ホモ・サピエンスとネアンデルタールの明暗を分けた、人類最初の革命、「認知革命」から語ら

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