見出し画像

【ゲーム】彼女と完全武装おねしょバトルで一夜を明かした結果、屈辱的な罰ゲームで世界が広がった話【後編】

令和5年8月。

お盆休みにお盆休みにゲームをしてみた。

この夜にやったことは他でもない。「完全武装おねしょバトル」だ。

【前編】でも述べたが、改めて説明しておこう。完全武装おねしょバトルとは、吸収量の多いおむつを装備して就寝し、朝一番にお互いの「おむつの重量」を競う、紳士淑女のための神聖なスポーツである。

【ゲーム】彼女と完全武装おねしょバトルで一夜を明かした結果、屈辱的な罰ゲームで世界が広がった話【前編】|港区フーコー (note.com)

このバトルにおいて、両プレイヤーは、横漏れを一切気にする必要がない異常な吸収量のおむつを着用し、どれだけ寝小便を垂らしたのかを競い合う。

事あるごとにおしっこを出しまくりながら、さらにその都度水分を補給し、膀胱に尿を充填。両者は尿意で何度も目を覚ましつつ、ダダ漏れの一夜を明かすことになるのだ。

基本的にはジャンジャン飲んでドシドシ出せばいいが、「横漏れ」してベッドを濡らしたら敗北となる。そのため、「どこまで飲んで、どれだけ出しても大丈夫か」を見極める必要があるわけだが、横漏れするかどうかは実のところおむつの「吸収量」だけではなく、おむつの「構造上」の問題もある。つまり、究極的には運の要素を避けられない。だからこそ、このバトルはゲーム性が高いともいえる。何が言いたいのかというと、この勝負、どちらが勝ってもおかしくはないということだ(いつものことだが)。

実は「完全武装おねしょバトル」はあるレベルまで達すると、そこからの熟練が難しい。チェスやボードゲームとは異なった要素を有しており、このことが一層ゲームを複雑にする。堅苦しい用語を使えば、このゲームはルールは共有されているので互いにゲームの構造を把握している完備ゲームではあるが、ゲームの内部情報は知ることができないので不完全情報ゲームなのである。

「二人零和有限確定完全情報ゲーム」のチェスと一致するのは、プレイヤーが「二人」であることと、一方がより多く漏らせば他方の敗北を招くという「零和」、そしておむつに吸収量の制約があることに基づくゲームの「有限」性くらいだ。先述の通り、運の要素も入り込むため「確定」ではない。

チェスならば「完全情報」ゲームとして、初めから終わりまで、盤上の全てのコマの数と位置を自分と相手が共有できている状態が続く。しかし、完全武装おねしょバトルは「不完全情報」ゲームであり、ゲームの最中に自分が優勢なのか劣勢なのかは「知り得ない」情報である。いつ漏らしたのか、どれだけ水分を摂取したのかといった相手のプレイヤーの「行動履歴」も、その時点におけるおむつの「状態」も、膀胱の中に貯めてある「ストック」も、勝敗を分けるおむつの「重さ」も、直接には把握することができない。おむつをパンパンして物理的な感触やペットボトルの残量などを手掛かりに予想するしかない。

だからこそ、すでに何十回やったこのバトルも、未だに自信を持って勝利をつかんだことはない。指定時刻におむつを脱がし合い、お互いのおもらしおむつをデジタル秤で交互に量って示された数字の大小関係が明らかになるまで、勝敗はわからないのだ。

そして、敗者には屈辱的な罰ゲームが用意されている。お互い、おむつに排泄する程度のことは物ともしない者同士だ。常人が羞恥を感じるたいていのお遊びは経験済みで、今さら大した刺激にもならない。にもかかわらず、今回実施した未経験の「お仕置き」によって、このゲームの敗者は、堪えがたい「羞恥」に打ちひしがれる結果となったのである。

というわけで、ここから【後編】。

無慈悲な仕打ち。

目が覚めたらすっぱいような臭いがした。このときは彼女の腸内環境がよろしくないのだろうか、と考えていた。

ここから先は

7,680字

¥ 500

ちょっとしたお気持ちでも、執筆のモチベがグングン上がります!