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「変な英語教師」の日常

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「変」というと語弊があると思うのですが、インパクトをとって「変」という言葉を使っています。子どもたちからも「先生って変」って言われます。これは「変わってる」って意味だと思います。… もっと読む
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#自分らしさ

子どもに自分の人生を被せない

子どもに自分の人生を被せない

 受験シーズン。私が絶対になりたくない大人の像がある。
それは、子どもに自分の夢を被せる親。先生。

 例えば「うちの生徒が○○高校(この辺りで一番偏差値が高いと言われる高校)に、○人受かりました」とか「うちの子の大学は...」とかを自慢気に語る様にはなりたくない、ということ。
でも、その行為自体を否定もしないし軽蔑もしない。
 親として、先生として、その気持ちは十分理解出来るから。そんな子を少し

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幼児と私の共通点

幼児と私の共通点

 15年続けてきた英語教室の幼児クラスを閉講することにした。幼い頃にテレビで観た千代の富士貢さんの名言「体力の限界」が頭に浮かぶ。
そう、体力の限界。
 幼児クラスは体を動かしてのお遊戯、歌、ゲーム、手遊び、絵本…と体力勝負。同時に全員が喋り出すカオスの中で、それぞれと向き合うのは毎日お祭りみたいでとっても楽しかった。でも。物理的にそれができなくなったのならばそれは引退の時期なのではないか、と。

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言葉の裏切り

言葉の裏切り

 朝井リョウさんのエッセイにあった言葉「本は、言葉とともに、視点を与えてくれる。」が沁みた。本が好きな理由を考えたことはなかったけど、私は「言葉」が好きで自分から見える景色とは違うアングルから見る景色も大好物。同じものを見るのに全然違う感想を持つ人の言葉は私をワクワクさせる。本は、その視点が言葉に乗って心地よく心に届く。素敵な言葉やその言葉一つから広がる世界を感じた時、ゾクゾクっとする。その気持ち

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自分の働き方は自分で決める

自分の働き方は自分で決める

 7年前。さて、いよいよしっかり仕事しようかな、と思った時に勤めに出るかその時にあった小さな教室を頑張って自分のボスになるかを考えた。まずボスになろう。私の性格上、多分フリーが合ってる。でも、それで立ち行かなくなったら、プランB。それも考えた。

 お陰様で、7年後の今でも自分の好きなことを好きな様にさせてもらってる。どうせするなら、と自分の教室は全く自分色にした。それに共感してくれる素敵なスタッ

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Be you.

Be you.

 ある人との語らいの中で、ふと自分の言葉に納得した。
人と会話をしていると、会話に乗せて自分の中から出る言葉にしばしばハッとさせられることがある。

理不尽の巣窟 私が自分のことをとても嫌いだった時期がある。比較的自己肯定感高めに伸び伸び育ってきた私だったが、思わぬところに落とし穴があったのだ。
 それは中学・高校などの学校生活の中。
家庭の中では私は私で良かった。自分でも満足していた。ただ、学校

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出来ない言い訳

出来ない言い訳

 人は何かどうしてもしたいことがあったら、どうにかしてしようとする。時間を割いても、予定をずらしてもそれが出来る様に何とかするだろう。

 でも、ちょっと気が乗らないものや面倒なこと、自信がないことは先延ばしにするのは人間の性。私はこれを敢えて自分に許している。
 ただちゃんと認める分、出来ない言い訳をするのは止めようと思っている。自分の気が乗らないから後回しにしています。でも必ずする予定です、と

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何にでも価値がある

 音声SNS "Clubhouse" 。誰かがただ琴の練習をしている部屋で、琴の音を聴きながら過ごす日曜の午後。練習だからコンサートのクオリティは求めていないし、窓を開け放っていたら近所から何か楽器の練習が聴こえてくる、そんな懐かしい心地よさを求めているから丁度良い。
 この私のニーズをここまで忠実に満たしてくれるものがあっただろうか。ネットの世界はすごい。

 昔は「テレビばかり観ていないで」

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自分で選ぼう

自分で選ぼう

 私は過去に4年間、小学校の外国語(英語)活動指導員をしていたことがある。その際私の決め事は「絶対に怒らない」ことだった。表に出さないだけでなく、自分自身の心を常に凪にしておくこと。それを自分に課して守り続けた。

 しかし、その中でたった一度だけ、涙が出る程腹が立ったことがあった。表には出さなかったけれど。

 私が行っていた40程のクラスの中の、あるクラス。半分崩壊中。
崩壊クラスの特徴として

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自分と向き合うために

自分と向き合うために

 言葉の先生をしている。オフィシャルには「英語の先生」という肩書きだが、私はその言葉の背景を探りながら「心に届く言葉」を教えている。

 先日ネット上で出会った言葉に影響されて、セミナーを開いた。かなりの飛躍。でもその言葉たちを伝えたい、伝えなくちゃ、そう衝動的に思ったから、私の小さな英語教室の生徒のおうちの方々に向けて「自分らしい子育て」に関するオンラインセミナーを開いた。

 私はそれに「自分

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文化を作る

文化を作る

 子育て歴、夫婦歴共に20年になる今年。0から始まって20年共に暮らす家族の形を考えてみた。

言葉は文化 子どもがお腹に出来た時、ふとテレビを観ながら考えた。皇室の方々って、どうしてみんながみんなこんな話し方をするんだろう。
それまで考えたことのなかった「話し方」と人の性質の関連に思いを巡らせた。アメリカ人は生まれた時から英語の環境の中にあって英語を話す。私たちは日本語。それが当たり前だと思って

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一緒に考えよう

一緒に考えよう

 以前にも書いたが、私の今年の目標は「自主的な人を育てる」こと。いわゆる「主体性を持って学ぶ人を育てる」という文科省の掲げる目標と内容は同じ。ただ、その本気度は違う。私はかなり本気だ。

「紙がありません」 先週したプリントの続きをしようと思ったら、生徒が一言
「先生、紙がありません」
家に忘れたのか捨てたのか、とにかくプリントが手元にないから一緒にプリントをすることが出来ない、と言いたいのだろう

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深い、深ーい話をしようか

 教室で毎日小学生と一緒に英語のレッスンをしている。
私の教室の特徴は「話したくなる」こと。その魔法を毎日かけ続けるのが私の仕事。
 子どもたちにとっては週に一度、しかも一週間168時間の内のたった50分。だから約200分の1しかこの場所には来ないんだけど。でも、不思議とこの「場所」は子どもたちの中で「話を聞いてもらえる場所」になっている。

 ある時は英語で教科の名前を復習しながら道徳が出て来た

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夢に大義名分は要らない

夢に大義名分は要らない

 子どもに夢を語らせてそこから進路を探る、という教育の一つの方法について以前書いたことがあるが、先日友人との語らいの中で更に面白いことに気付いたので、記しておく。

自分のために始めたこと 友人が私に「なぜそんなに発信し続けるのか」と尋ねた。私はそこで一言「伝えたいことがあるからかな。」と答えてみた。
以前の私ならばそれで良しとするのだろうが、なんだかその小さな違和感が気になって訂正した。
「いや

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小学校英語の評価に断固反対の理由

小学校英語の評価に断固反対の理由

 私は小学校英語の評価に断固反対する。
小学校の英語指導支援をしていて、最近一番聞かれることなので一緒に考えてみたりもするが、メリットが見つからない。先生方には「前向きな評価のみをお願いします」と伝えて、後は反対することを周りの方々に伝えるしかない。文科省に届け! 

 まずは生徒サイド。今既に小学校英語教育によって英語嫌いになっている子が続々と生まれている。方法や軸をしっかり定めて、それを適正に

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