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「みんなのフォトギャラリー」で私の画像を利用してくださった方々へのフィードバックとして、画像を利用してくださった記事をまとめたマガジンを作成しました。外していただきたい方は私まで…
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#小説

一樹の蔭〜放免の平安事件簿〜

一樹の蔭〜放免の平安事件簿〜

第二章 鳥辺野送り

 左京の一角に、誠は放免仲間達と派遣されていた。

 人死にが出たらしい。
命じられたのは「障りが出る前に、死の穢れを受けた場を速やかに清める」こと。即ち死体処理だった。
誠の顔色は優れない。
放免の仕事は総じてあまり気持ちの良いものではないが、その中でも特に苦手なものが死体処理なのである。
他の放免達が至って平気そうなのは、下賤の出で、汚れた場所で生まれ育ったからか。それと

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【毎日読書日記#056】またひとつ歳をとる。老化は必ずしも悪いこととは限らない?

【毎日読書日記#056】またひとつ歳をとる。老化は必ずしも悪いこととは限らない?

みなさま本日もおはようございます🌅
実家で自堕落なあおきです。

やっぱり気合が入らない、、、
ダメダメですね😢

日記あっという間の1年でした。
今年一年の振り返りは
また別のノートに書こうかな
と考えていますが、、、

簡単に書き留めることが
できないくらい濃い1年間でした。

この毎日noteもそろそろ
100日目を迎えますが
改めて自分が習慣化を
得意としていることに気づきました。

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クリスバスガスばくは……

クリスバスガスばくは……

本文クリスは悩んでいた。
いかにして実験を成功させようか。

理系ゆえに、爆発物の扱いは慣れている。

そもそもこんな実験を始めたのは、放送部が滑舌改善の練習として用いているレジュメの「バスガス爆発」という言葉を耳にしたからだ。

つまりはバスガス爆発を実際に起こしてみたくなった。

爆発させるにしても、事故と見せかける必要がある。

人為的なもの:細工があった場合、真っ先にばれてしまう。

いか

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【いつメロ No.8】いつかの私へ

【いつメロ No.8】いつかの私へ



拝啓 いつかの私へ

この手紙を読むとき、私は何歳でどうなっているか分からない。
社会に出てバリバリ働いているかもしれない。中年になって家族がいるかもしれない。独身を貫いて何かを極めているかもしれない。そんな想像を膨らませていると、何だかワクワクハラハラしてきたな。
けど、どんな自分になっても、この手紙を書くに至った経緯は覚えていると思う。その状況になったから、この手紙を見つけ出して開いてい

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新宿のど真ん中で化石を発見したよってご報告【ガスマスク博士】

新宿のど真ん中で化石を発見したよってご報告【ガスマスク博士】

皆さんはじめまして。
足跡化石研究者のガスマスク博士と申します。

化石というものは研究者であれどもなかなか貴重な発見に至らない歴史的価値の高いものです。
しかし偶然歴史的な大発見となることもあります。 
近年発見された物で言うと。
2022年、アメリカ・テキサス州に大干ばつが起きた際、干上がった川底から1億1300万年前に生息していたアクロカントサウルスの足跡の化石が発見されました。

このよう

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私は不倫している。第5話:一線を越える

私は不倫している。第5話:一線を越える

一線を超えたのはつい先日のことだった。
妻はその日、会社が休みで友人と日帰りでテーマパークに行き、浄化(こういう表現をした)されてくるとのことだった。

私は彼女にLINEを入れて、約束を取り付けた。
なんのことはないランチデートである。
改めてデートと書くと、どんな所に連れて行けばわからないことに気づいた。
車は持っているが、ここ最近外食といえば近所の蕎麦屋かファミレス、セルフサービスのうどん屋

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おとなしく。

おとなしく。

彼が
お着物でデート
したいと言うから

リクエストに
答えて
彼の前で着付ける

私を見つめる
彼の目が優しい

長襦袢から
お着物に
持ちかえた頃には

優しいを通り越して
性的な目になって

着付け紐をたぐる
私の手にも
かまわず

彼の手は
私の身体をまさぐる

火を着けても
すぐに吹き消される
バースデーキャンドルのように

着付けても
すぐに乱される
私のお着物と身体

誘惑に
少し負

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小6で書いた読書感想文

小6で書いた読書感想文

小学校の頃は、必須図書というものがあった。
そして、夏休みかなんかに、その中から本を選んで感想文を書く。

私は読書が好きだったので、感想文を書くのが大好きだった。
よく、小学校から代表に選ばれてどこかに出展して?賞などももらったことがあるので、将来は、小説家、またはあとがきを書く仕事を
したいと考え始めていた。

小学校6年で回ってきた本が、「一房の葡萄」有島武郎だった。
これが、難しくて内容を

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《創作型懸賞》に応募する愉しみ (家で★深読み)

《創作型懸賞》に応募する愉しみ (家で★深読み)

《再勉生活》時代にアメリカに送られてきた「月刊公募ガイド」で見つけた懸賞論文に応募した話を書きました。

いわゆる《懸賞応募》には2種類あります。

ひとつは「クジ」的懸賞。
缶ビールについているシールを集めて送り、生ビールサーバーを当てる類です。
小学生の頃は、グリコのアーモンドチョコに入っているカードを1番から4番まで揃えて集め、「しゃべる人形」
《せっかち君》
《おとぼけ君》
をもらおうと躍

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回想日記 LXXXI

回想日記 LXXXI

意味がわからない。

俺は「それは、嘘だ」と大声をだした。

わざとみんなに聞こえるように。さらに、そのまま銀閣のところに行って、「君たちは嘘をいっている」
桃子は、俺なんかに構わず、ソファに座っている連中の名前を次々に呼んでいる。

まるで先生が出席をとるをように。俺の存在は、無視。すぐ隣にいた奴も呼ばれる。そうして、寄り合い連中は、大音量のビートにあわせてステップを踏み始める。

俺は桃に詰め

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【Nakamura keiさん×ピリカ】僕は「E.T」を観ていないside-B

【Nakamura keiさん×ピリカ】僕は「E.T」を観ていないside-B

Nakamura keiさんの小説、【僕は「E.T」を観ていない】の彼女目線のお話を書かせていただきました!↓こちらからお読みください!

「何か起こりそうで、何か怒りそうなんだよね」

彼は隠しごとがとても下手くそだ。しかも、自分ではまったくそれに気づいていないのがめんどくさい。

仕事で何かあったの?とさりげなく聞いたらこの台詞が返ってきた。

しかも、僕はぜんぜん気にしてないですよ、現実を飄

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短編【ばあちゃんとポプリの匂いと糞坊主】小説

短編【ばあちゃんとポプリの匂いと糞坊主】小説

気付きはしないとでも思っているのだろう。音だけの読経が惰性で響いている。

それなりに広い十二畳の畳間だけど大人が十人も正座をして二列にならべば、かなり手狭になる。
その十二畳の仏間を糞坊主の読経が支配している。

私はその支配から逃れたくて読経の途中で席を立った。隣に座っていた姉の里佳子が私の動きを察し眉をきつく顰め、いい加減にしなさいと無言で制した。私は気づかないフリをして襖の向こうの居間へ出

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【短編】大きな瞳で見つめられた

【短編】大きな瞳で見つめられた

 記録を樹立した。一時間で煙草を一.五箱吸った。しかし二五年の人生の中で一度たりとも煙草の本数などメモしたことがないから実は新記録でないのかも知れない。よく分からない。
 午前中のエクセルシオールでカプチーノを服んでいた。店内は薄暗い。俺は壁際のソファにもたれている。別のソファでは奥様達が息子や娘が性に目覚めて困ったと楽しそうに話していた。話したくて仕方のない明るい種類の悩みもある。羨望。向こうに

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