マガジンのカバー画像

読書

51
運営しているクリエイター

#ごきげんママ

湊かなえ『母性』を読んで

湊かなえ『母性』を読んで

ごきげんママ♡は怖い話が嫌いだ。夜寝る前に読むと夢に出てきたりして具合が悪い。テレビでも殺人のニュースやドラマはすぐにチャンネルを変える。それなのになぜ湊かなえ?「ママ」としての28年をもう一度見直そうと「母性」というキーワードで検索すると出てきてしまったのだ。

2、3ページ読んだだけでしまった、とんでもないものに手を出してしまった、と思った。読みやすいのだ。さらさらと読めてしまう。多分この作者

もっとみる
『一日一生』を読んで

『一日一生』を読んで

おはようございます。今日は清々しい週の始まりにふさわしい本の感想です。

比叡山で行われる千日回峰行をご存知でしょうか。一日30から40Kmの山道を巡拝しながら毎年100日も200日も歩いた後、9日間断食断水不眠不卧をする修行です。この本には戦後成し遂げた人は12人だけと書かれています。さらに途中で投げ出す時は自害する覚悟とか。その厳しい行を二回も成し遂げたお坊さんが書かれた本です。

終戦を特攻

もっとみる
『捨てちゃえ、捨てちゃえ』(ひろさちや著)を読んで

『捨てちゃえ、捨てちゃえ』(ひろさちや著)を読んで

自粛期間に断捨離を試みた方が多いそうですが、ごきげんママ♡の家は相変わらず物に溢れて窒息しそうです。ごきげんパパ♡の趣味がショッピングとは、結婚してから知ったのでした。救われるのはごきげんパパ♡が整理上手なことです。(それにしても断捨離というのは響きが仏教用語のようでよくできた造語ですね。)

それでもやっぱりすっきりした家に暮らしたい。個人の好みなので押し付けるわけにはいきませんが、(これまでさ

もっとみる
『年収100万円の豊かな節約術』を読んで元気が出てきた

『年収100万円の豊かな節約術』を読んで元気が出てきた

新婚当初のごきげんパパ♡からの至上命令は節約でした。紙代下水道代の節約のために用は出来るだけ外で足してくるようにと言われた時はくらくらしたものです。サラリーマンだから入ってくるモノに限りがあるのだから、と言うわけです。もともと浪費家ではなかったけど以来結構細かく暮らすようになりました。

そんなごきげんママ♡の目に留まったのがこの本。年収100万円で豊かに暮らすとは?東大卒5年間のサラリーマン生活

もっとみる
『世界地図を読み直す』北岡伸一著を読んで

『世界地図を読み直す』北岡伸一著を読んで

学生の頃あんなに勉強が嫌いだったごきげんママ♡ですが、最近心に余裕ができたようで遅まきながら向学心が芽生えました。大きめの本屋さんで出会ったのが『世界地図を読み直す』です。思い出しても悔しいのが中高の先生の授業が面白くなかったこと。自分の好きななんとか原人の話を一学期中し続けるのです。深くて面白いのでしょうけど、こちらは中学生。もっと広く浅く世界史の導入をしてくれたらよかったのに・・・

と今更愚

もっとみる

『アニバーサリー』窪美澄著を読んで考える未来のこと

この著者の作品は数冊読んだことがあるが、今回の長編は考えさせられることが多かった。

物語は東日本大震災の頃に子を産む主人公真菜と、お節介なマタニティスイミングの先生晶子を中心に描かれる。美人料理研究家の母を持つ真菜は灯りのついた家で自分を待ってくれるお母さんがいる家庭に生まれたかった。母の活躍と比例して増える夫婦喧嘩から逃れるように援助交際を重ねる。カメラマンになって、雇い主に恋し捨てられた後に

もっとみる
セネカの『生の短さについて』を読んでドラム式洗濯機を買いました。

セネカの『生の短さについて』を読んでドラム式洗濯機を買いました。

ごきげんママ♡は大体1日8時間くらい寝ると快調に過ごせます。1日の3分の1ですね!人生90年としたら30年も寝ることになると思うともったいない気もしますが。

その起きている貴重な時間のうち、毎日39分を節約できると家電量販店で大きく宣伝されていたのが今や市民権を得てきたドラム式洗濯機。

少し前から気になっていたのですが縦型洗濯機が元気に動いているのでなかなか踏み切れませんでした。でも長い梅雨の

もっとみる
100円で買える楽しみ

100円で買える楽しみ

毎週水曜日はピアノのレッスンの日。ハノンとツェルニーとショパンのワルツを今習っています。特に楽しいのが意外なことにツェルニーです。基礎練習でありながら曲としても成立している。子どもの頃は訳もわからず棒読みのように弾いていましたが、今の先生に教わると奥深い上によく練習?するので結構進むのです。ハノンは役に立つし大切ですが残念ながら単調、ショパンは難しすぎて気が遠くなります。この曲がうっとりするように

もっとみる
『勝間式超ロジカル家事』

『勝間式超ロジカル家事』

いつもと違うお盆休み、家事とは切り離せない生活が続いています。家事ってどこまで指すのでしょうか?例えば玄関の靴を揃えるのとか、お手洗いのトイレットペーパーを切らさないようにするとか、洗面所をきれいに保つとか、一人一人がちょっと気をつけるだけでその場でそのとき済むことも溜まると家事という名前がついたりします。そして生きている限り付き纏う厄介なものです。

そこで恐ろしく頭の回転が早くてしかもとっても

もっとみる
『読書の技法』(佐藤優著)のトリビア

『読書の技法』(佐藤優著)のトリビア

noteの中には読書が趣味の人が大勢いらっしゃると思いますが、月平均300冊読むとはそれだけでも驚きではないでしょうか。この超人的な読書法、気にならないはずもなくさっそく読んでみました。

なんと献本月100冊ほど全ページ目を通し、新刊70から80冊。そして古本は120冊から130冊を全部読まれるそうです。そのうちの熟読は4,5冊で、あとは速読。どんな本が栄えある熟読に選ばれるのか気になるところで

もっとみる
村上ラヂオ2『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』を読んでnoteの目標が定まった。

村上ラヂオ2『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』を読んでnoteの目標が定まった。

のっけから大胆な発言ではありますが、ごきげんママ♡はこの本を読んで、私が書きたかったのはこんな文章だ!と思いました。村上春樹さんのファンの方にはもちろん、そうでない方にも不遜な発言をすることにお詫びしたいと思います。でも、言論の自由、ということでお許しください。

村上春樹さんの小説といえば『ノルウェーの森』。歳がバレるのであまり書きたくないですが二十歳過ぎの頃に出されました。赤と緑の上下巻の名著

もっとみる
田辺聖子さんの『残花亭日暦』を読んでまた人生の楽しみが増えた

田辺聖子さんの『残花亭日暦』を読んでまた人生の楽しみが増えた

しばらく手にしていなかった田辺聖子さんの、日記形式のエッセイを読みだすと止まりませんでした。どなたかが「小説やエッセイを読むのは消費でビジネス書を読むことは投資だ!」と書かれているのを見てなんともったいないことよ、と思ったのを思い出しました。魂のこもった著作に触れることはどれほど人生を豊かにしてくれることでしょう。軽く異議を申し立てたい気分です。

この日記は2001年6月に始まり翌年2月まで、仲

もっとみる
立花隆著『知の旅は終わらない』を読むと人生はやっぱり旅だった。

立花隆著『知の旅は終わらない』を読むと人生はやっぱり旅だった。

ごきげんママ♡は繰り返し書くようにあまり勉強をしてきませんでした。そのコンプレックスのせいで、知的な人へ無条件の憧れがあります。その象徴のような方が立花隆さんではないでしょうか。この方の頭の中はどうなっているのか、覗いてみたくなりました。期待通りこの本は知的好奇心を満たすにはぴったりの多岐にわたる内容になっています。

まず、タイトルの「旅」という言葉がいいです。今は自由に旅に出かけることはできな

もっとみる
さくらももこ著『やきそばうえだ』を読むと自然に泣けてくる

さくらももこ著『やきそばうえだ』を読むと自然に泣けてくる

たまに新聞を念入りに読むととても良いことがあります。8月29日の朝は多分余裕があったのだと思います。日経新聞の真ん中のページあたりに紹介されていたのが『やきそばうえだ』でした。その時はふぅん、と思った程度でした。

数日後、本屋さんでみるともなく見ていて背表紙が目に飛び込んできました。まるで竹やぶでかぐや姫の竹だけが光っているかのように。あ、これが『やきそばうえだ』! これも運命と思ってお買い上げ

もっとみる