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『一日一生』を読んで

おはようございます。今日は清々しい週の始まりにふさわしい本の感想です。

比叡山で行われる千日回峰行をご存知でしょうか。一日30から40Kmの山道を巡拝しながら毎年100日も200日も歩いた後、9日間断食断水不眠不卧をする修行です。この本には戦後成し遂げた人は12人だけと書かれています。さらに途中で投げ出す時は自害する覚悟とか。その厳しい行を二回も成し遂げたお坊さんが書かれた本です。

終戦を特攻隊の基地で迎えたあと、38歳で遅れてお坊さんになられた著者の語り口はどこまでも穏やかで包み込むような温かさと人懐っこさがにじみ出ている。最近呼吸法を気にしているごきげんママ♡にぴったりの章もあり、苦しい修行中に呼吸に意識を集中すると気持ちが静まるとあります。著者酒井さんには念仏の声が聞こえたそう。

自然の中の人間はいろいろな命の中で生かされていて一人ではないこと、仏さんは心の中にいるから探してもいないこと、実践や体験の意味は後からわかって自分のものになること、などとともにタイトルにもあるように「一日が一生」という気構えで生きていくことを説かれています。昨日は昨日、明日は明日と考えれば毎日新しい感覚で進めるといいます。リセット、いいですね。

ごきげんママ♡は死ぬのがまだちょっと怖いです。父は亡くしたし同級生の訃報にも接することがある年齢になっても。そういう時はこう考えてみます。朝起きることが生まれることで、夜寝ることが死ぬこと。人は毎日小さい生と小さい死を繰り返していると。だから一日を精一杯悔いのないように過ごしたいを思っていました。それで一日一生という言葉がピンときました。

もし余命がわかったとしてもきっと可能な限り今と同じ暮らしを続けるだろうと思うのです。家事して本を読んでラジオ体操をしてピアノ弾いてNetflixを楽しんで。それはきっと幸せな証拠。

京都に行くと必ず買う阿闍梨餅という和菓子があるのですが、この本に出会うまで阿闍梨さんがそんなえらい方のこととは思わず頬張っていた自分が恥ずかしいです。次からはありがたみを感じながらいただくことにします。









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