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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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#歴史

コロンブスとラス・カサスの毀誉褒貶

コロンブスとラス・カサスの毀誉褒貶

「大航海時代」を経てスペインは、
「日の没することのない国」となります。

1492年「イヨクニ燃えるコロンブス」の、
新大陸の発見(前からそこにあったのですが)。
1519年「みんなイゴイク世界一周」の、
マゼラン(の部下)による世界一周。

1521年、メキシコのアステカ王国滅亡。
1533年、アンデスのインカ帝国滅亡。
1571年、フィリピンを支配。

日本にも訪れます。

1549年「イゴ

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今につながる現代史 ~つなげるのは自分~

今につながる現代史 ~つなげるのは自分~

現代史とはとても難しいものです。
現在進行形なので、
「歴史の評価」が定まっていない。

例えば1192年「イイクニつくろう」の
「源頼朝」なら、
その後の展開も合わせて考えて
「武士の世の中」が源頼朝の鎌倉幕府から
本格的に始まっていったのだ!と言えます。
1192年ではなく、実は1185年頃には
幕府の政治は始まっていったのだ…など、
「定説」を覆す研究も進んでいきます。

…ところが「現代史

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テストに出ない、出しづらい歴史 ~評価の是非~

テストに出ない、出しづらい歴史 ~評価の是非~

歴史を「評価」することについて書きます。

私は先日、歴史を四つに分けて
仮定して記事を書きました。

このうち、いわゆる「学校教育」で
中心に学ぶのは、下の二つ。
ナショナル・ヒストリーは
日本で言えば日本史です。
グルーバル・ヒストリーは
一国の枠に留まらない歴史で世界史。

…ただし「個人史」や「集団史」を
全く扱わないか、というとそうでもない。

例えば、学ぶ人本人、自分自身のことを、

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歴史の描き方、生まれ方 ~世界史の誕生~

歴史の描き方、生まれ方 ~世界史の誕生~

個人、集団、一国、世界の歴史とは?

この四つを仮定してみます。

パーソナル・ヒストリーは、
ある一個人の歴史。
自分のヒストリーならマイ・ヒストリー。
「個人史」「自分史」になります。

これが集団ならワンチーム・ヒストリー。
「ある集団」のヒストリー。
家族、会社、学校、市町村、コミュニティ…。
個人ではなくなっていきます。

さらに広げると「国」単位。
日本で言えば「日本史」ですね!
ナシ

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ニーダム・クエスチョンからの問いかけ

ニーダム・クエスチョンからの問いかけ

「漢字のバリアー」という言語障壁は、
日本だけで過ごしていては
分かりにくい感覚があります。

日本の小学校では、約千字を習う。
常用漢字まで入れると、約二千字。
これに加えて、ひらがな、カタカナ、
ローマ字、さらに英語などを身につけます。

ひるがえって、他の言語は?
「文字数自体」はさほど多くありません。
もちろん単語の綴りや文法の複雑さは
ありますけれども、文字の数は少ない。

漢字圏だけが

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銀の世界史

銀の世界史

「銀」は世界を支え、動かしてきました。

何と言っても「貨幣」として
古来から使われてきましたよね。
利用をされ始めた頃には、
金より銀のほうが価値が高かった、
とも言われています。
銀は自然銀としてそのまま
産出されることがまれであり、
より貴重な珍しい金属だった。

しかしだんだん銀鉱石からの産出量が
増えていって、金に第一位の座を
譲ることになりましたが、
それでも各文明では
「貴重なもの」

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どんぶりと学び直し

どんぶりと学び直し

私の学び直しは「丼料理」です。

丼料理と言えば、読者の皆様は真っ先に
どんな「丼」を思い浮かべるでしょうか?

…カツ丼。天丼。鰻丼。親子丼!
海鮮丼もあれば、カルビ丼もある!
「どんぶり」はご飯茶碗よりも大きくて、
ご飯がたくさん入ります。
そのご飯の上におかずを乗せていく。
洗い物も、少なくて済む。

私の学び直しは、これに似ている。
本記事では「学び直し」について書きます。

「ご飯」は、

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「好き」の見せる化 ~オタクの60年史からの一考察~

「好き」の見せる化 ~オタクの60年史からの一考察~

時に畏敬され、時に恐怖される「〇〇愛好者」!
何かの分野が異様なほど好きで、
やたらと詳しい「マニア」や「オタク」…!

…彼らはここ約60年の日本で
いかなる道を歩んできたのか?
その略史を書いたのが本記事です。

さて、読者の皆様は、
〇〇趣味、〇〇マニア、〇〇ファン、〇〇オタ、
と呼ばれるほどの、何か好きなこと、
詳しいことをお持ちですか?

…これは人それぞれ千差万別。
深さも浅さも色々。

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10年ごとの現代史 ~極私的な経験を踏まえて~

10年ごとの現代史 ~極私的な経験を踏まえて~

現代史とはとても難しいものです。
なぜなら現在進行形なので、
「歴史の評価」が定まっていない。

例えばイイクニつくろうの「源頼朝」ならば、
その後の展開も合わせて考えて
「武士の世の中」が源頼朝の鎌倉幕府から
本格的に始まっていったのだ!と言えますよね。
1192年ではなく、1185年頃には実質的に
幕府の政治は始まっていったのだ…など、
「定説」を覆す研究も進んでいく。

…ところが「現代史」

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真を写す、信を発する ~撮影者なりの世界~

真を写す、信を発する ~撮影者なりの世界~

写真の歴史と発信の歴史とを合わせて考える。
これが本記事のテーマです。

この世の中の「風景」「事物」などを
平面に写して残す! 残したい!

そういう欲求は、
人類が進化しつつある太古の昔から
すでに生まれていました。

フランスのラスコーや
スペインのアルタミラという洞窟では、
クロマニョン人が描いた「壁画」が残されています。
人や犬や牛、猪や鹿などが生き生きと描かれ、
この壁画によって、私た

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歴史を漫画する ~わかりやすいがゆえに~

歴史を漫画する ~わかりやすいがゆえに~

「ムロタニツネ象さん」という鬼才がいました。
1934年~2021年。

「学習まんが」シリーズなどで活躍した方です。
学校で学習する内容を漫画にして
わかりやすくする手法がありますよね。
私が「歴史学習漫画」と言われて
すぐに脳裏に思い浮かべるのは、
「ムロタニツネ象さん」作画のものです。
学校の図書館などで目にされた方も
いらっしゃるのではないでしょうか?

特に「天下の統一」「江戸幕府ひらく

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50年ごとの日本史 ~近世から現代~

50年ごとの日本史 ~近世から現代~

本記事では50年ごとに日本史をかいつまんで
書いてみたい、と思います。

1600年の「関ヶ原の戦い」以降。
あくまで私なりに取捨選択して、
はしょりながら書いております。

では、早速。

◆1600年頃:江戸幕府ができる

東西の兵力が激突した
「関ヶ原の戦い」は1600年!
ここで勝利した徳川家康は
大坂に豊臣家を残しつつも
江戸に幕府をひらき天下を握ります。

その後、仮想敵の豊臣家を滅ぼ

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100年ごとのヨーロッパ史

100年ごとのヨーロッパ史

近代からの日本は欧米諸国を手本に
「文明開化」に努めました。

ただ、和魂洋才という言葉があるように
精神的なものまで丸ごと取り入れた
わけではありません。ゆえにヨーロッパ史は
日本ではあまり知られていない…。
特に「近代以前」のヨーロッパは
「中世」=暗黒時代と捉えられがち。

ただ、その視点だけだとどうしても
16世紀頃に極東の島国まで
「大航海」してきたのかが理解しづらい。

本記事では、先

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内省と開示の格差

内省と開示の格差

古い日本家屋には個室がない、と言われます。

囲炉裏を囲んで、みんなが一緒に過ごす…。
プライベートな空間は、基本、ありません。
もちろん「家長」ともなれば
専用の個室があったかもしれませんが、
子どものうちは雑魚寝、みんな一緒。

そんな環境の中では「個」が育つより、
「家」「集団の中の一人」という
意識が育つのは容易く想像できます。

本記事では「内省」「開示」について
歴史や地理、文化の面か

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