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論語とともに見る社会

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とらまる×論語普及会 論語普及会会員のとらまるが論語にふれた記事と、普及会の記事をまとめて収録しています。
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#言葉

人過於党...人のあやまちは仲間や心の偏りから出る

人過於党...人のあやまちは仲間や心の偏りから出る

子曰(のたま)わく、人の過(あやまち)や、
各々其(そ)の黨(とう)に於(おい)てす。
(里仁第四、仮名論語四〇頁)
先師(孔子)が言われた。
「人の過ちは、それぞれの仲間や心の偏りから出るものである」

広島で被爆した歌人の正田篠枝(しょうだしのえ)は、GHQの検閲干渉が危惧されたが、処刑を覚悟してこの『さんげ』を私家版として出版した。

昭和二十年八月六日午前八時十五分に広島、
八月九日午前

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縲絏非罪...動物や虫、草や風、水、山と語り合えたなら

縲絏非罪...動物や虫、草や風、水、山と語り合えたなら

子(し)、公冶長(こうやちょう)を謂(い)う、
妻(めあわ)すべきなり。
縲絏(るいせつ)の中に在りと雖(いえど)も、
其の罪に非ざるなりと。
其の子を以(もっ)て之(これ)に妻(めあわ)す。
(公冶長第五、仮名論語四八頁)
先師(孔子)が、公冶長の人柄を批評して言われた。
「結婚させるに相応しい立派な人物だ。
 牢屋に繋がれたことがあったが、
 誤解されてのことで本人の罪ではなかった」
とて、自

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命を重んじるということ

命を重んじるということ

とあるタレントが「死んでください」と
SNS上で発言したことが現在、
ネットニュースやテレビで大きな話題となっています。

発信力のある芸能人が今回のような失言をしてしまうと、元々の影響力が大きいだけに、大問題へと発展してしまいます。

この騒動を通して感じるのは、
今回はたまたま芸能人の軽率な発言でしたが
今回の「死んでください」にかぎらず、
最近の子どもや若い人の口からよく
「死ね」「殺す」な

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現代的論語7 人生にとってプラスになる人とは

現代的論語7 人生にとってプラスになる人とは

先日、論語の勉強会にて
”何が人生にとってプラスになるのか”を学びました。

直きとは、素直で正直な人
諒とは、誠実な人
多聞とは、知識を持ってる人
を表します。

自分にとって本質的に良き友というのは、
嘘が無く正直で素直な人、
誠実な人、
知識や経験の豊かな人であり、
そういった人と親しむことで学びや得られるものが多く、
有難い存在です。

一方で、損者三友という言葉があります。

便壁とは、

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論語のススメ...論語入門編まとめ②

論語のススメ...論語入門編まとめ②

⑦素読をする…味わうように読む
素読とは、意味や内容の理解はひとまず置いておいて、文章を声に出して読むことです。

何度も繰り返し読むことで
文章の真意を脳や身体に直接インプットします。
そして潜在意識の中に記憶させていき
理解を深めていく方法です。

江戸時代では、藩校や寺子屋で
人づくりや道徳教育の
適切な方法の一つとして、
明治の中頃まで盛んに行われていました。

声に出して読む
目で文字を

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迷い悩んだ時こそ論語…あなたの背中を押す言葉がそこにある

迷い悩んだ時こそ論語…あなたの背中を押す言葉がそこにある

論語の篇や各章は、一つのテーマ別に分かれているわけではありません。
各編・各章に関連性はなく、単独のものです。

ですので、論語を読む時は
どこから読み始めても良いですし
どこで終わっても良いのです。

今悩んでいることの
解決のヒントとなるページを偶然開くかもしれません。

何気なく読んだ箇所に、今求めていた言葉や教えがあるかもしれません。

論語は背中を押してくれる言葉ばかりです。
悩んだ時、

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論語から生まれた言葉…四字熟語とことわざ

論語から生まれた言葉…四字熟語とことわざ

・学而第一
「巧言令色」「切磋琢磨」
「和を以って貴しと為す」

・為政第二
 「温故知新」
 「義を見て為さざるは勇なきなり」
 「五十にして天命を知る」

・公冶長第五
 「一を聞いて十を知る」

・雍也第六
 「博文約礼」

・泰伯第八
 「戦々兢々」

・顔淵第十二
 「克己復礼」

・子路第十三
 「剛毅木訥」

皆さんも聞き覚えのある言葉があるかと思います。
これらはいずれ

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日本人は論語に育てられた…論語からの発展

日本人は論語に育てられた…論語からの発展

日本人は過去から現代に至るまで、
私達の生活や立ち居振る舞いは
「論語」の影響を強く受けてきました。

礼儀作法や
尊敬・感謝の気持ちの示し方
謙虚な姿勢
他者への思いやりなど
日本人が備える倫理観やマナーは
「論語」を通して身に付いてきたものばかりです。

また、四字熟語やことわざには「論語」が由来の言葉が多くあるのです。

『日本人らしさのルーツ、ここにあり』

論語の構成……全20篇、500章

論語の構成……全20篇、500章

論語の構成は、学而篇から郷党篇までを「上論」
先進篇から堯日篇までを「下論」と呼びます。

篇の名称は各篇の初めの二文字をとったものです。

学而第一の始まりは、漢文で書くと
「子曰、学而時習之、不亦説呼。」と書きます。
その、最初の「学」と「而」をとって「学而」です。

為政第二は、「子日、為政以徳」
「子曰く、政を為すに得を以ってす」の
「為」と「政」をとって「為政」です。

各篇は平均25の

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論語のススメ

論語のススメ

『現代的論語』をいつも読んでいただきありがとうございます。

論語は現代にも通じる話や教えが多くあるものの、
現代社会や私達の今の生き方に、
どう照らし合わせて理解していけば良いのか…
現代のこととして考えるとしたら、
一体どのようなことを論語から学び得たら良いのか…

論語を聞く・読む側も、
伝える側も、その点が難しいなと思うのです。

論語をよく知る人からすると、
学びも専門性も高くなっている

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現代的論語3 人からの評価のためにではなく自分のために努力する

現代的論語3 人からの評価のためにではなく自分のために努力する

学んだり、働いたり、得意なことを頑張ったり…
誰しもエネルギーを注げる何かを持っているはずです。
趣味でも、特技でも、SNSで発信することでも。

それらを頑張る目的は、自分を高めたい、成長したい、得意分野を極めたいなど、自己を磨こうという思いが根っこにあるはず。

あくまで自分磨き。
自分の成長のため。

人に自慢するために、人から褒められるために頑張るものではないはず。

確かに人間には承認欲

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子どもに合った、勉強をうながす言葉って何でしょう…?

子どもに合った、勉強をうながす言葉って何でしょう…?

私は子どもの発達に関する仕事を主にしているので、
「子どもにどう伝えたら勉強してくれるようになるんでしょうか?」
というご相談を日頃よく受けます。
言っても言ってもやろうとしない、そういうことって多いと思います。

大人側は、勉強についていけなかったら本人が困るだろうからと、心配してあれこれ言いたくなるのですが、残念ながらいくら言っても、子どもにとっては鬱陶しい言葉にしかならないんですね。
やれと

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