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意味の図画と言葉の工作、このふたつで僕は文章をつくる

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図画とはクリエイティブであり、工作とはエンジニアリングである。実用に資する公的に正しい文章は、伝達と行動を企図した徹底的な他者志向から生まれる。 文化人や知識人は世の言葉の乱れ… もっと読む
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2022年1月の記事一覧

母から教わった、文章の書き方

母から教わった、文章の書き方

私が中一のとき、母が病気で手術が必要と診断され、遠方の病院に入院したことがあった。
入院した日の日付で母から葉書が届いた。
その翌日も、そのまた翌日も…毎日、毎日葉書が届いた。

当時、都会とはいえない街に住んでいた我が家には、まだ電話がなかった。
思いを伝えるには、手紙を書くしか方法がなかったのだ。
きっと私のことが心配で仕方なかったのだろう。体が弱かっただけでなく、ちょうどそのころ、私はクラス

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コピーライターの仕事を図解したら、
ほぼコピー書いてなかった

コピーライターの仕事を図解したら、 ほぼコピー書いてなかった

独立してから「コピーライターってどんな仕事してるの?」って聞かれることが増えました。

だいたい、今までのWORKSとかインスタを見てもらって「へーこんな仕事してるんだね・・もう一杯飲んでいい?」みたいにさらっと会話は流れていきます。もうちょっと興味ある人だと「それって、どこから仕事来るの?どうやって進めてるの?」と、つくったものというより、仕事が発生する瞬間のストーリーや、ワークフロー的なことを

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書く人のスランプの乗り越え方

書く人のスランプの乗り越え方

ずっと書いてるとどうしたって書けないときがある。仕事で書くプロだろうと好きで書いていようと。

書けないといっても、スランプのかたちはそれぞれだ。

そもそも筆が乗らなくて書けない。何を書けばいいのか見えなくなる。書きたいものがうまく書けない。書いても平板なものになってしまう。書いたものに手応えがない。まあ、ほんとにいろいろある。

スランプという用語は基本的にスポーツの世界で使われる。不調に陥っ

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句読点「、」「。」を効果を狙って打つ/作家の僕がやっている文章術091

句読点「、」「。」を効果を狙って打つ/作家の僕がやっている文章術091

句読点「、」「。」をどこに打つのかに迷うときがあります。

<文例1>
私は、小学生のとき、パン屋さんに、憧れて、将来は、パン屋さんに、なりたいなぁ、と思いました。

句点「、」は、文節のどこの場所にも打つことができます。

<文例2>
私は小学生のときパン屋さんに憧れて将来はパン屋さんになりたいなぁと思いました。

句点「、」が打たれていないと、なるほど読みにくい文章になります。

<文例3>

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アウトプットすることで得られるインプット

アウトプットすることで得られるインプット

今の時代、大量の情報が日々飛び込んできていて、考えの整理がつかないままもやもやと生きてしまうことが多いと感じます。

よく、アウトプットこそ最大のインプットと言ったりしますが、僕はいつもnoteを書く度に気持ちがすっきりして、頭が回って、なんとも言えない充実感を得ます。

そんな、アウトプットすることで得られるインプットって、つまりどういうことなんだろう、どんな仕組みなんだろうってふと今日は考えて

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ビジネス文章の書き方ポイント | 記書き、箇条書きペアが優秀

ビジネス文章の書き方ポイント | 記書き、箇条書きペアが優秀

メールや書面など、仕事をしている中で文章を書く機会は多いですよね。なんとなく書いているけど、改めて考えると正しいルールって何だっけ? と思うものもありませんか? その時になって慌ててGoogleで調べてみたり、とりあえずテンプレート通りに書面を作ってみたり……

今回取り上げるテーマは「ロジカルなビジネス文章の書き方」です。特に書面でのお作法を中心にポイントをまとめています。ルールや気をつけるポイ

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日記を書く習慣の第一歩ハビットトラッカーのすすめ

日記を書く習慣の第一歩ハビットトラッカーのすすめ

日記を続けられない理由のひとつに、「毎日書くネタがあるわけではない」があります。

いつも何かが起こるわけではないから、書くネタを考えるだけでもハードルが高いですよね。

そういう時は、開くことを習慣にしてみてはいかがでしょうか。

そこでおすすめたいのが、ハビットトラッカーです。

ハビットトラッカーとはハビットトラッカーとは、一ヶ月分の習慣チェックリストのことです。英語のhabit(習慣)と、

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#001 アイデア及びストーリーを作るためのメモの作り方を共有するぞ〜〜!!!!!!

#001 アイデア及びストーリーを作るためのメモの作り方を共有するぞ〜〜!!!!!!

アイデアはそれが発生した思考とともに残そうぜ 基本的にストーリーとかの企画者がなんかを作る時に作りがちなやつは、 

 で、これが悪いとは言わないんだけどももう少しうまいやり方があるからそれを紹介するねというやつです。仮にこれを読んでいる方がストーリー系の企画者でなくとも、アイデアをまとめている際の連続した思考をそのまま残したい場合は役に立ちます。

こういうやり方:「階段式メモ」 例として、今製

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何をメインに書くべきかが瞬時に分かる単文/作家の僕がやっている文章術095

何をメインに書くべきかが瞬時に分かる単文/作家の僕がやっている文章術095

分かりやすい文章を書くためには、なるべく単文に近づけて書くというお話をしました。

重文、複文は、修飾部となっている部分を文章から独立させて、別の1文として書くと、意味がとりやすい文章となります。

<文例1>
給湯室は、弊社に来られるお客様にも話し声が聞こえる部屋であり、男子トイレの隣でもありますので、おしゃべりをせずに静かに利用してください。

「弊社に来る」「話し声が聞こえる」「部屋である」

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色を表す漢字

色を表す漢字

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は色を表す漢字のお話。

読みが同じ漢字がいっぱい「赤」と「朱」と「紅」と「緋」。
「青」と「蒼」と「藍」と「碧」。
「緑」と「翠」。

上から順に「あか」「あお」「みどり」。
読みが同じで、意味するところもほぼ一緒な漢字がたくさんあります。
でも、細かく見ていくとちょっとずつ違う漢字を使った色の表現。

赤と朱と紅と緋これらは「あか

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書かせるプロが編集者のポジション/作家の僕がやっている文章術080

書かせるプロが編集者のポジション/作家の僕がやっている文章術080

仕事としての文章の位置を考えました。

書く側、そして読む側。

文章という表現法を介して、文化なのか、価値なのか、世界観なのかを成立させているのは、書く、読むという2者の構図にあるように見えます。

しかし書かせる側という仕事が存在します。

出版の世界では、編集者がこの書かせる側というポジションにあります。

マスコミ、出版と呼ばれるレガシーメディアで長く仕事をしてきました。

Webライター

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「書く力」を伸ばす「大切な基本」

「書く力」を伸ばす「大切な基本」

column vol.525

三が日も最終日となりました。

徐々に日常モードに切り替えていく時期ですね。

noterさんも「そろそろエンジンかけていくか」と気合いを入れ直している方も多いのではないでしょうか?

というわけで、今日はnoterさんの投稿にもプラスになるヒントをお届けできたらと思います。

最近、ライティングにまつわる注目の本も多く、「基本の大事さ」についても触れられているので

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言語化とは世界の編集である

言語化とは世界の編集である

数年前から言語化の会という名前で若い起業家たちと集まっているけれども、改めて言語化とは何かと考えると「世界の編集」ではないかと思います。言葉にするということは世界からそれを切り出すということで、文章は世界の分け方、つまり編集方法を提示しているのではないかと思います。

例えば人間以外の生物にとって世界は「捕食する、遺伝子をつなぐ、捕食される、それ以外」という見え方になっているのではないかと思います

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《長めの小説》上げ方悶々 (エッセイ)

《長めの小説》上げ方悶々 (エッセイ)

(お、ようやく半分ぐらいまで来たか)
とページに🔖をはさんでコーヒーを淹れる。
そして再び本を手に取る。
( ── ここまで読んでも、誰が犯人かさっぽりわからないな)
などと思いながら。

紙の本を読んでいる時、
➀ 本全体の厚み
➁ 本の内容(展開、面白さ)
➂ (読書の)進捗状態
の三者を《無意識のうちに意識》している。
なかでも、➀の《本の厚み》は、書店で買う時から意識しますね。
あまりに

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