ポール

クリエイティブディレクター/コピーライター ノンアルコールバー マフラーしまい髪研究…

ポール

クリエイティブディレクター/コピーライター ノンアルコールバー マフラーしまい髪研究所 2022年世界一周 リモート映画の脚本なども

マガジン

  • 2022年ふつうの旅

    2022年に行った世界一周の記録 その後の旅も

  • 今日もコピーが書けません

    コピーライターの日々。 ※もちろんフィクションです

  • インタビューズ

    架空のインタビュー

  • 国内ぶらぶら旅行

    国内をぶらぶら旅した記録です

  • 旅づくりワークショップ 〜土佐山 DEEP TOURISM〜

    2023年の1年間、高知県高知市から30分で行ける山、土佐山に通い、そこでのDEEPな体験をツーリズムとして形にしようとしたワークショップ。山姥の伝説、源流で飲むコーヒー、草刈りの競技化、その後のお月見、猪の丸焼き、山のお手入れ、ゆずおちょこ、などなど、そこにしかない旅がありました。

最近の記事

インドのビートルズ

    • 台風台湾好吃好喝

      台風が来た。 台湾でのスケジュールは、 初日夜:到着。寝るだけ 2日目:仕事デー 3日目:台南の嘉義で鶏肉飯食べ歩き 4日目:帰国 だった。 つまり、3日目にかけていた。しかし、3日目に台風は猛威を振るい、会社や学校は休みになった。もちろん、主要なお店もみんな。 台湾は、台風に慣れた国である。だから、休むことにも慣れているし、その前にスーパーマーケットにかけこむことや、デカい傘やカッパを所持することなどに慣れている。警報を確認して、雨と風を強中弱に分けて、それぞれ判断す

      • 虎とコブラと寛容性〜インドネシア〜

        『テスカトリポカ』にこのようなくだりがある。メキシコの麻薬マフィアの一員がインドネシアで再起を図るために「キングコブラのサテ(焼き串)」を露店で売るというものだ。そこに集まる怪しげな人達から、裏社会への入口を手繰り寄せ、マフィアは闇臓器売買ビジネスへと手を染めていくのだが、それは小説の話。 ジャカルタに駐在しているR先輩に会いに行く。正確に言うと、去年もモンゴル旅行へ同行したG先輩が同期であるR先輩に会いに行くところへ同行させてもらう。というのが、今回の海外旅行の方便である

        • 右足でフットサルのゴールを決め、左足をタクシーに踏まれる

          嫌な予感はあった。 その夜もいつものようにだらだらと散歩していて、家からちょうど15分くらい離れた地点、恵比寿ガーデンプレイスの入り口あたりで、左足のサンダルの紐がブチっと切れた。 歩道の端っこの、レンガが積み重なった花壇っぽいところに座って、考えた。タクシーに乗っちゃうか、裸足で歩いて帰るか。 そのどちらも選ばず、左足をひきずるようなスタイルで、ゆっくりと家に帰ることにした。45分かかった。(当社比3倍) 今思えば、不吉な予感だった。しかし、そういった因果律や占いっ

        インドのビートルズ

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        • 2022年ふつうの旅
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        • 今日もコピーが書けません
          13本
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          1本
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        • 旅づくりワークショップ 〜土佐山 DEEP TOURISM〜
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        • しごとまわり
          5本

        記事

          「水曜どうでしょう」は元祖YouTuber説

          を唱えている。 「水どう」の発明と言えば「ディレクターが喋ること」だと思うのだが、それは「カメラのこっち側がしゃべってる」ということである。そして、カメラの「こっち側」には、視聴者がいる。 それは、ラジオが得意としていた構図である。「TVは『みなさん』と語りかけるが、ラジオは『あなた』と語りかける」という言説がある。出演者と視聴者の距離の近さ。 現代のYouTuberにも、似たような受容のされ方があると思う。カメラの「こっち側」に撮影者がいて、いつしか、こっち側に自分も

          「水曜どうでしょう」は元祖YouTuber説

          好きなやつしかいない

          40才をすぎて、フリーランスとして働いていると、良くも悪くも、接する人が限られてくる。自然に淘汰されるというか、フィルタリングされるというか、選り好みするというか。 タイトルで書いたように、周りに好きなやつしかいなくなるのだ。人間関係のストレスが最小になるように最適化され、新しい出会いも好きなやつに紹介されるため、えてして好き(になりそうな)やつが現れる。まるで、AIがアルゴリズム的にマッチングするかのように、SNSがフィルターバブルになって心地よい価値観の情報だけが目に入

          好きなやつしかいない

          「今日もコピーが書けません」第13話:夢は買い切り

          中堅広告代理店に勤めるコピーライターPは、真っ白な部屋にいた。4メートル四方の小さな部屋だ。机も椅子も真っ白である。まるで、精神病患者が閉じ込められる実験施設のようだとPは感じている。真っ白な扉が開いて、仕立てのいいスーツを着た男が入ってきた。 「Pさん、本日はお越しいただきありがとうございます。メディア・イノベーション局のAです」 「メディア局?うちの会社にイノベーションがつく部署なんてありましたっけ?」 「極秘なので、社内でも知る人は限られています」 「それをなぜ

          「今日もコピーが書けません」第13話:夢は買い切り

          「インタビューズ」#1:地球

          ー本日はよろしくお願いします よろしくおねがいします。 ーお生まれになってから約45億年ほど経ちましたが、生まれた当初の記憶はありますか? あんまり覚えてないですね。でも生物が生まれた時のことは覚えてますよ。それまでは風や太陽光や地磁気を楽しんでいたんだけど、なんかいきなり増殖したり変化したりする種がでてきて楽しかったな。 ー生命が生まれる前は寂しかった? 月や火星も近くにいるし、あんまり寂しいって感じはなかったよ。でも、やっぱり地面や海中に動くものがあるといいよね

          「インタビューズ」#1:地球

          「今日もコピーが書けません」第12話:民度の差

          「新郎のお取引先様より電報をいただいております」 若手営業Hの結婚式には大勢の参加者が出席しており、コピーライターのPは、慣れない礼服に首元が苦しく落ち着かない。洋風の料理は美味かったが、早く式を終えて、二次会をパスして同期のMと居酒屋に行きたかった。 「え〜Fテレビのスポット担当一同様より、ついに年貢の納め時ですね。瞳を閉じれば、H君が開催してくれた数々の合コンが目に浮かびます。もう、あの勇姿を見ることができないと思うと、一抹の寂しさに胸が締め付けられますが、H君の愛と

          「今日もコピーが書けません」第12話:民度の差

          「今日もコピーが書けません」第11話:プレゼンの9割はハッタリ

          中堅広告代理店でコピーライターをしているPの元に若手営業Hが興奮した様子で走ってきた。 「Pさん、とれました!とれましたよ!」 「何が?ほくろ??」 「ちがいますよ!C社の競合コンペ、うちが勝ったんですよ!」 広告代理店は年がら年中、コンペに参加している。クライアントは億を超える予算の広告施策を任せるに足る代理店を決めるために、複数の会社を集めてプレゼンをさせ、優れた施策を提案した会社に任せようとするのだ。一見よさそうな取り組みに思えるが、実際は失敗した時のリスクヘッ

          「今日もコピーが書けません」第11話:プレゼンの9割はハッタリ

          「今日もコピーが書けません」第10話:コピーライターVSアートディレクター

          とある広告代理店の会議室。コピーライターPとアートディレクターDは、制作中のポスターデザイン出力を見つめていた。 「こっちの表情は、明るい中に少し憂いがあるんだけど、それがいい。こっちは、ど真ん中の笑顔、朝ドラ、って感じ。で、こっちは、微笑なんだけど品があっていい。う〜ん悩むな〜」 「どれも同じに見えますけど」 「ぜんぜん違うじゃない」 「それより、このコピー、また誤字がありますよ。赤字入れた時にはなかったのに」 「あ、ほんとだ。ごめんごめんチェックミス。デザイナー

          「今日もコピーが書けません」第10話:コピーライターVSアートディレクター

          「今日もコピーが書けません」第9話:WEB代理店にジョインですです

          コピーライターのPは迷っていた。10年勤めた中堅広告代理店を辞めて、外資系の代理店へ行くか、WEB系の代理店へ行くか、それとも独立するか。まるでLIFE CARDのあのCMのように、3枚のカードを見比べながら。どうする?どうする? 「このチームにジョインできて、とても嬉しいです!」同じ中途入社のメディアプロデューサーの女性はギャルのような見た目とは裏腹に、しっかりとした口調でそう言った。WEB代理店への入社を決めたのは、長らくTVや新聞などの、いわゆるオールドメディアを扱う

          「今日もコピーが書けません」第9話:WEB代理店にジョインですです

          「今日もコピーが書けません」第8話:夢の海外ロケ

          灼熱の太陽が照りつけるタイのビーチ。日除けのテントの下で、監督とカメラマンはじりじりしながら待っていた。「モデルはまだ出て来ないんですか?」代理店のコピーライターであるPは、俺に言われても、と内心思いながら、「ちょっと見てきます」と現場を離れた。 撮影用のトレーラーのそばには、半分腐ったような野犬がうろうろしている。Pは現地のコーディネーターに言った。「あの犬を追い払ってくれませんか」コーディネーターHは白い歯を見せて答える。「はいっ!すぐに!こらあっちいけ!ほら!しっ、し

          「今日もコピーが書けません」第8話:夢の海外ロケ

          「今日もコピーが書けません」第7話:悪夢の社内競合

          2015年のことだ。その年は、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が公開され、欧州に難民危機が訪れ、エルニーニョ現象などによって世界の平均気温が過去最高を更新した。そんな年だった。 中堅広告代理店でコピーライターとして働くPは、大手自動車会社Uの仕事に忙殺されていた。自動車の広告は、会社の中では花形であり、すべての仕事が大きな予算と規模で、やること、考えることは無限にあった。TVCMはもちろん、キャンペーンサイト、グラフィック、SNS、店頭イベント、グローバルで流す展示会

          「今日もコピーが書けません」第7話:悪夢の社内競合

          「今日もコピーが書けません」第6話:大航海時代

          2019年、それは、 ・新元号「令和」元年 ・消費税10%に増税 ・イチロー引退 ・米津玄師「Lemon」発売 ・「アベンジャーズ・エンドゲーム」公開 の年である。東京オリンピックを1年後に控え、何かいいこと、新しいことが始まる予感に溢れた年であった。年末までは。 「はい、かんぱ〜い!」ワイングラスを顔の高さまであげ、3人の女性が飲み始める。ポルトガルのワインが名物のバルで、1人の男と3人の女性がテーブルを囲んでいた。クリスマス前の街はイルミネーションがキラキラと光り、すべ

          「今日もコピーが書けません」第6話:大航海時代

          「今日もコピーが書けません」第5話:ガンジス川のデルタ株

          2022年、それは、 ・世界的にコロナのパンデミックが収束しつつある年 ・ロシアのウクライナ侵攻 ・Ado「新時代」発売 ・「トップガン・マーヴェリック」公開 の年であり、世界に襲いかかった災厄がよくも悪くも日常になってしまうほど、悲劇的な出来事が多かった年だった。 「薬は飲まない方がいい。ココナッツで熱は下がるよ」流暢に日本語を駆使するインド人のガイドDはそう言って、ガンジス川沿いのストリートフードをいくつか買ってきてくれた。ビニール袋に入ったインドカレー、ライス、スパイ

          「今日もコピーが書けません」第5話:ガンジス川のデルタ株