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何をメインに書くべきかが瞬時に分かる単文/作家の僕がやっている文章術095
分かりやすい文章を書くためには、なるべく単文に近づけて書くというお話をしました。
重文、複文は、修飾部となっている部分を文章から独立させて、別の1文として書くと、意味がとりやすい文章となります。
<文例1>
給湯室は、弊社に来られるお客様にも話し声が聞こえる部屋であり、男子トイレの隣でもありますので、おしゃべりをせずに静かに利用してください。
「弊社に来る」「話し声が聞こえる」「部屋である」「隣である」「おしゃべりをする」「利用する」が主語+述語の関係です。
この主語+述語に留意して、独立した1文として、この文章の外側に添えるように書き改めます。
<文例2>
給湯室は、静かに利用してください。弊社に来られるお客様に話し声が聞こえます。男子トイレの隣ですから、話が聞こえる可能性があります。おしゃべりをせず、静かに利用してください。
たぶん文例1は張り紙の注意書きでしょう。
この程度の文章量であれば、意味をとりにくいということはそれほど起こらずに、読めます。
文例2のように書き改めても、読みにくさは、さほど比較する必要を感じないでしょう。
では、次のような文章であったらどうでしょうか。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70555069/picture_pc_3f864e0ed8b34bba7d9eebdf67236c28.png?width=800)
<文例3>
松倉雄一郞は、昭和33年8月に和歌山県の田辺市の貧しい農家に生まれ、梅の実を収穫する繁忙期には小学校を休んで家業を手伝わなくてはならず、学問を希求しながらも、勉学からは離れた幼少期を過ごしたため、大阪に出て高校や大学に通って、工学の知識を身につけたいと思って過ごしていた。
この学問への貧しさゆえの向学心を身をもって経験したことが、松倉興業社長として年商2億8千万円を売り上げる企業の社長からの社会貢献として、貧しさを理由に勉学をあきらめざるを得ない若者たちへの、返済不要の奨学金「松倉向学奨学金」を令和4年に設立するに至った経緯である。
これは社長の自叙伝&企業史の書籍の1文です。
重文、複文が入り乱れているので、少し読みにくい文章となっています。
この文章を、読みやすくしてみましょう。
ポイントは単文で書く。この一点です。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70555088/picture_pc_f3247bbc6fd1e762eed8d8b749eafbb8.jpg)
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