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2024年5月の記事一覧
『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬 著)
※ネタバレします。
【内容】
第二次世界大戦下のロシアで、村ごと壊滅し家族を殺された少女のセラフィマは狙撃兵となり、数々の戦場を渡り歩くこととなる。
2022年本屋大賞受賞作。
【感想】
かなり集中して、興味深く読めました。
なんでこんなに集中力を切らさずに読めたのだろうと、考えてみたのですが…
まず第一に、もう華やかでアツい展開になるような設定が整えられているなあと…
そもそも第二次世界
『たゆたえども沈まず』(原田マハ 著)
※ネタバレ(?」します。
【内容】
画家ゴッホの生涯を、その周辺でゴッホを庇護していた弟のテオや日本人画商の加納重吉と林忠正の視点から描き出す。
【感想】
先日、画家のゴッホを目指した棟方志功についての小説『板上に咲く』を読んで、同じ作者がそのゴッホについて書いていると知り、読んでみることにしました。
画商の日本人の加納重吉と林忠正から始まり、ゴッホの弟である画商のテオといったゴッホの周辺に
『銀河鉄道の父』(門井慶喜 著)
※ネタバレします。
【内容】
童話作家の宮沢賢治を、父親の視点から描いた作品。
第158回直木賞受賞作。
【感想】
受賞時から気になっていたのですが、やっと読んでみることにしました。
ここからはネタバレとか、それ言っちゃうの野暮なのでは的な話も織り交ぜて書きていこうかと思います。
そもそもこのタイトル、キャッチーでありながら今まで考えもしなかったタイトルで、記憶に残る良いタイトルだなあ
『量子力学の多世界解釈 なぜあなたは無数に存在するのか (ブルーバックス)』(和田純夫 著)
【内容】
量子力学を数式などを使わないで解説した本。
【感想】
先日、久しぶりに長編SF小説『三体』を読んでみて、そもそも今の科学、量子力学ではこの世界をどう捉えているのかが気になって、読んでみました。
並行世界の話とか、「シュレーディンガーの猫」についての著者なりに解説しており、読んでいる時はなるほどねえと思いながらわかったような気になっていたのですが…
読み終わった後、なんとなく今のSF小
『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子 著)
【内容】
職場でそこそこ上手くやっている二谷と、皆が守りたくなる存在の料理上手な芦川、仕事が出来て頑張り屋の押尾。
そんな面々の集うオフィスに、芦川は手作りのお菓子を配り、それに喜びの声を上げる同僚たち。
そんな市井に暮らす普通の人々のほのぼのとしたストーリー…
のような設定から始まり、心の奥からはドロドロした感情が止まらず、芦川の手作りのお菓子を握り潰しゴミ箱に突っ込んだり、捨てられたお菓子を芦
『未来の年表 業界大変化』(著:河合雅司)
【内容】
人口減少日本で各業種・職種や公共サービスに何が起こり、日本は一体これからどうすればいいのかを、具体的な数値を示しながら分析し、その解決策を提示する。
【感想】
日本の人口減少や超高齢化による就業人口の減少…
わかってると聴いていると、更に深く分析していくことで、今まで想像していなかった形での未来予想図が提示されていました。
2022年末に発売された本ということで、テスラの事例を始め、幾
『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来(上)(下)』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)
【内容】
『サピエンス全史』で、人類史を問い直した著者が、未来の人類について考察した本。
※多少ネタバレ(?)します。
【感想】
人類の次なる目標は、不死・幸福・神性の獲得である…
人間の不死や人間を超えた人工知能が、技術的には現実味を帯びてきた中で、なんとなくデストピア的な世界が出現するのではないかということを思ったりします。
自分が学生だった面白がって90年代に読んでいたSF小説の世界が、
『心と身体の正しい休め方』(著:川野泰周)
【内容】
禅宗の僧侶であり精神科医である著者が、最近の研究を取り入れた身体の正しい休め方を書いた本。
【本の要約】
・現代人の疲れの原因の多くは、脳の疲労にある。
・その大きな要因として、現代人のストレスの多さとマルチタスクにある。
・シングルタスクを心掛けることで、ストレスを減らすことが出来る。
・シングルタスクで仕事をこなすためには、タスク一つ一つのことに集中していき、結果として多くの仕事を
『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』(岸見一郎・エーリッヒ・フロム著)
【内容】
哲学者エーリッヒ・フロムの思想と今読まれるべき意義を、『嫌われる勇気』の著者である哲学者の岸見一郎による著書。
【感想】
人間にとっての生きるとは、自由とは、自由とはといったことについて、フロムの思想を著者なりわかりやすく解説した本でした。
個人的な理解としては、自由は何もせずに得られるものではなく、獲得していくものであるであり、それはある種技術であるといった内容でした。
日々生活に
『続 聞き出す力』(著:吉田豪)
【内容】
プロインタビューアーの吉田豪のインタビューするための方法を書いた本の続編。
【感想】
インタビューのやり方をテーマにしたビジネス本という体裁を取って、読者層の掘り起こしを行っていこうという本で…
吉田豪ならではの面白いエピソードをビジネス本的なフォーマットに当てはめて開陳していました。
逮捕直前のプロ野球選手の清原とのインタビューの様子や、ビートたけしに誤解されてアウトレイジばりに恫喝
『博報堂スピーチライターが教える 短くても伝わる文章のコツ』(著:ひろたよしあき)
【内容】
広告代理店でコピーライター、スピーチライターをしていた著者による文章読本。
【感想】
文章を書くための著者なりのノウハウを、具体的な方法論を開陳している本でした。
ただ文章の中で、政治家の小泉純一郎、進次郎親子のことをやたらに持ち上げているのが気になりました。
小泉純一郎といえば、国会で『人生いろいろ』とか人をケムに巻く答弁とか、自衛隊の海外派兵の時に『活動している地域非武装地帯』と