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茶の湯はひとときの夢
⚫︎夢の心地よさ
茶会に参加をして茶をすすったり、古今の書籍を読み漁るうちに、ぼんやりと、この世はすべて夢なのでは無いかと思うようになりました。
これは妄想と現実の境界線が不確かになっている精神状態ゆえに思ったことではなく、茶の湯のひとときの、自然さと不自然さの妙に当てられて感じたことです。
炉から漏れ出る炭の温かさに触れながら、料理と酒を楽しみ、日がとっぷりと暮れた薄暗闇の中で、半分眠
病苦の歴史 茶の湯を省みる
今回のコロナ禍の影響で、茶の湯の活動が非常に限定的、制約的になるのではないかという不安な日々を過ごしておりました。しかし、そもそも日本の歴史の中で、今回のような病苦に悩まされていない時代はなかったのではないかと思い、酒井シヅ著の『病が語る日本史』を手にとりました。
すると、見えてきたのは、古代から発生していた伝染病の数々。奈良時代の天然痘に始まり、マラリア、住血吸虫、ツツガ虫病、トラコーマ、