マガジンのカバー画像

日本以外のアジアに関する本のレビュー集

134
日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
運営しているクリエイター

#インド

アジアの仮面―神々と人間のあいだ

アジアの仮面―神々と人間のあいだ

アジアの仮面―神々と人間のあいだ

 アジアの仮面を使った芸能について、書かれた本です。仮面劇、仮面舞踊などですね。
 日本、韓国、中国、ネパール、インドネシア、インド、スリランカの七カ国が、取り上げられています。

 日本人であっても、日本の仮面の文化について、詳しい方は、少ないでしょう。
 ましてや、他国のこととなれば、情報は、ごくわずかです。

 本書は、複数のアジアの国々を取り上げ

もっとみる
仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

 仏教美術が、どこで、どのように発達してきたのかを、解説した本です。
 インド、中央アジア、中国、日本と、仏教の来た道筋を追っています。

 仏教美術といえば、まず、仏像が思い浮かべられますね。
 けれども、仏教美術に含まれるのは、仏像だけではありません。

 本書では、蓮や聖樹など、仏教美術に現われる植物の表現について、取り上げられています。

もっとみる
アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの第71号です。
 「アジアの怪」の特集号です。

 アジア諸国に伝わる怪異現象や、妖怪が、紹介されています。
 とはいえ、紹介されている地域には、偏りがあります。中国と日本とがほとんどです。

 他の地域は、冒頭の「序言 大地・山川・ジャングル・海から沸き立つものたち」の章で、少しずつ触れられてい

もっとみる
アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

 アフガニスタンは、アジアの内陸にある国ですね。二〇一四年現在は、政情不安な国であることで、知られています(^^;
 また、イスラム教国であることでも、有名ですね。

 かつて、この国では、仏教が栄えました。その頃の遺跡が、たくさん残っています。
 正確には、「残っていました」と言うべきかも知れません。イスラム教の勢力が強くなり、政情不安と相ま

もっとみる
シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

 『シルクロードの象』とは、不思議な題名ですね。
 内容は、この題名どおりです。シルクロードに現われるゾウ(象)を紹介した本です。

 シルクロードと象とは、普通は、あまり結びつきませんよね。
 けれども、考えてみれば、シルクロードの途中には、ゾウの分布する地域があります。東南アジアや、インドを中心とした地

もっとみる
日本の美術 第271号 六道絵

日本の美術 第271号 六道絵

日本の美術 第271号 六道絵

 六道絵【りくどうえ】とは、仏教の六道輪廻【りくどうりんね】の様子を描いた絵です。
 本書は、さまざまな六道絵を集めて、解説した本です。日本の主な六道絵は、本書一冊で、ほぼ、網羅されていると思います(^^)

 日本の仏教的世界観では、生きる者はすべて、六つの世界を生まれ変わってゆくことになっています。地獄道・餓鬼道・畜生道・阿修羅道・人道・天道の六つの世界で

もっとみる
日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

 飛天【ひてん】と呼ばれる超常的存在と、神仙と呼ばれる超常的存在とを、解説した本です。
 類書は、ほとんどありません。飛天を扱ったものとして、わずかに、小学館の『飛天の道』があるくらいです。

 飛天も、神仙も、日本をはじめ、アジアの美術に、よく現われるものです。一見しただけでは、飛天なのか、神仙なのか、わからないものも、少なくありません。
 ごく簡単

もっとみる
シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

 シルクロードを実際に旅した著者が、それぞれの土地の文化や歴史について、書いた本です。

 著者が旅した範囲は、西はトルコ、東は中国、南はイエメンやインド、北はウズベキスタンやタジキスタンにわたります。
 これだけ広い地域には、さまざまな人々の生活があるなあ、と感じられます(^^)

 解説書や事典というよりは、エッセイです。著者の

もっとみる
吉祥・弁才天像 (日本の美術)

吉祥・弁才天像 (日本の美術)

吉祥・弁才天像 (日本の美術)

 『日本の美術』シリーズの317号です。
 仏教に登場する女神、吉祥天と、弁才天との特集号です。

 吉祥天も、弁才天も、もとは、インドで信仰されていた女神です。それが、仏教に取り入れられて、日本にも渡ってきました。
 この二柱の女神は、性質が似ています。どちらも、容貌が美しく、福徳を司るとされます。このために、混同されることもありました。

 本書では、

もっとみる
天使と悪魔の大事典 (Gakken mook―ムー謎シリーズ)

天使と悪魔の大事典 (Gakken mook―ムー謎シリーズ)

天使と悪魔の大事典 (Gakken mook―ムー謎シリーズ)

 題名のとおり、天使と悪魔とについて、解説した本です。

 天使や悪魔といっても、キリスト教のものとは限りません。イスラム教、ゾロアスター教、ヒンドゥー教、道教など、各宗教において、天使や悪魔に相当するものを紹介しています。
 本書が一冊あれば、基本的な天使と悪魔とについては、ほぼ、カバーできると思います。

 本書がもの足り

もっとみる
定本 インド花綴り

定本 インド花綴り

定本 インド花綴り

 インドの植物を紹介した本です。
 意外に、日本と共通した植物もあって、楽しめます(^^)

 インドは、仏教の故郷ですね。仏教を通じて、日本に伝わっている植物も、いくつもあります。植物そのものは伝わらなくても、名前だけが伝わって、日本の伝承に影響を及ぼしていたりします。

 例えば、優曇華【うどんげ】、曼珠沙華【まんじゅしゃげ】、曼陀羅華【まんだらげ】などは、もとは、

もっとみる

飛天の道―東洋の各地に舞う天人・天女たち (Shotor Museum)

飛天の道―東洋の各地に舞う天人・天女たち (Shotor Museum)

 飛天【ひてん】を御存知でしょうか? 空を飛ぶ天人や天女のことです。
 その飛天について、美しい絵画や写真とともに、紹介した本です(^^)

 飛天は、東洋版の天使ですね。西洋の天使が、キリスト教の神の周囲を飛ぶように、東洋の飛天は、仏さまの周囲を飛びます。
 仏像や仏画がお好きな方なら、必ず、目にしているでしょう。

もっとみる
日本の美術 (No.382) 不空羂索【ふくうけんじゃく】・准胝【じゅんてい】観音像

日本の美術 (No.382) 不空羂索【ふくうけんじゃく】・准胝【じゅんてい】観音像

日本の美術 (No.382) 不空羂索【ふくうけんじゃく】・准胝【じゅんてい】観音像

 雑誌『日本の美術』のうちの一冊です。不空羂索【ふくうけんじゃく】観音と、准胝【じゅんてい】観音との特集号です。

 仏像について、少し詳しい方ならば、観音菩薩【かんのんぼさつ】に、いくつもの種類があることを、御存知でしょう。千手【せんじゅ】観音、如意輪【にょいりん】観音などという名が、付いていますね。
 

もっとみる
インド神話―マハーバーラタの神々

インド神話―マハーバーラタの神々

インド神話―マハーバーラタの神々

 題名のとおり、インド神話を紹介した本です。
 日本語で書かれているインド神話の資料のうち、二〇一二年現在で、最も入手しやすく、読みやすいものだと思います。文庫本ですからね。

 インド神話は、膨大で、複雑怪奇です。素人は、どこから手をつけていいのか、わかりません(^^;
 本書は、迷えるインド神話初心者に対して、良い導きとなってくれます(^o^)/

もっとみる