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本能寺の変1582 第76話 11光秀の年齢 4最大の敵 天正十年六月二日、明智光秀が織田信長を討った。その時、秀吉は備中高松で毛利と対峙、徳川家康は堺から京都へ向かっていた。甲斐の武田は消滅した。日本は戦国時代、世界は大航海時代。時は今。歴史の謎。その原因・動機を究明する。『光秀記』

第76話 11光秀の年齢 4最大の敵 

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光秀の最大の敵は、時間だった。

 時は、容赦なく流れて行く。

光秀は、確実に、老人に近づいていた。

 それとともに、肉体は、劣化して行く。
 光秀にも、その時が近づいていた。

 六年前(天正四年)の大病のこともある。
 光秀は、それ程、頑強な体力の持ち主ではなかったのではなかろうか。

   【参照】4光秀の苦悩 1嫡男光慶  7    

光慶は、若すぎた。

 光秀は、晩婚だった。
 先に、三人の娘たちが生まれた。
 嫡男光慶が生まれたは、そのずっと後である。
 これもまた、運命。

 光秀は、高齢者。
 光慶は、まだ、13歳。
 後継者としては、力量不足。

   【参照】11光秀の年齢 1三人の娘 68   
   【参照】4光秀の苦悩 1嫡男光慶  7   

光秀には、信長に対する不信感があった。

 信長が、これを引き立ててくれる保証など何もない。
 むしろ、その逆である。
 「役に立たぬ」
 となれば、・・・・・。
 「丹波一国」
 「志賀一郡」
 明智の領地は、召し上げられる。 

   【参照】4光秀の苦悩 4粛清の怖れ 10   11   12   
                     13   14   15   

信長は、猜疑心が強い。

 それ故、「今」がある。 

光秀もまた、猜疑心が強い。

 「同じ穴の狢」
 同類である。

 佐久間信盛を見よ。
 「走狗、烹(煮)らる」
 用が済めば、棄てられる。
 光秀は、間近で、これを見ていた。
 「衝撃」
 わずか、二年前のこと。

   【参照】4光秀の苦悩 4粛清の怖れ 10   11   12   
                     13   14   15   

没落の怖れ。

 斯くなれば、明智は、再び、没落する。
 その怖れがあった。

光秀は、明智の将来が不安だった。

 「天下布武」
 信長が、それに向かって走っている内は良い。
 問題は、その後、である。
 信長の「さらなる夢」。
 果たして、自分は、それまで、生きているだろうか、・・・・・。
 光秀には、自信が無かった。 

   【参照】8光秀の苦悩 6守るべき者 47   48   49   50   

明智は、存続の危機に直面していた。

 親ならば、当然のこと。
 「今のうちに」
 光秀は、光慶を守ろうとした。
 「手を打たねばならぬ」
 光秀は、日夜、そのことに、頭を悩ませていたのである。

   【参照】8光秀の苦悩 6守るべき者 47   48   49   50   

生き残る道。

 そして、辿り着いた。

明智の命運は、中国出陣によって定まる。

 一手違えれば、そこは地獄。
 光秀は、きわめて用心深く、ことを進めた。

 これらについては、後述する。


 ⇒ 次へつづく 第77話 11光秀の年齢 5結論 



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