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【読書日記】高橋源一郎「だいたい夫が先に死ぬ」 読みたいものと読んでたものが次々出てくる
高橋源一郎というおいちゃんが、タモリさんや黒柳徹子のように、文学界にずっといてくれるような気がする。
はじめて名前を知ったのは文藝賞の審査員のひとりだったときで、ぼくはまだそれが「選評」とも意識しないで読んでいた。
忘れもしない。
山崎ナオコーラのデビュー作「人のセックスを笑うな」を大賞に選んだときのことで、中身を読む前にペンネームとタイトルだけでその素晴らしさに衝撃を受けて、しばらく読まずに
これはハヤカワSFトートと「地図と拳」
何やってもあんまり楽しめない、短い本も頭に入ってこない精神状態なのに、いきなり思いついて分厚い本を買ってきた。
本好きあるあるだと思うんだけど、薄い本は一文ごとに考えさせられるからなかなか読む手が進まない。分厚い本の方が全然いける。
で、本好き以外でもあるあるだと思うんだけど、いかにもとっつきやすいですよー、初心者のこと考えましたよー、って感じを出した作品よりも、難解そうなものに理由もなく手を
【読書記録】丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」
丸山ゴンザレス「タバコの煙、旅の記憶」を買った。
かなり高い国のタバコ一箱ぐらいの値段。
海外の危険地帯ジャーナリストの著者が、タバコに関連した場面について語る。
対応を間違えたら殺される相手とのやりとりの中で、ふっ、とタバコを一本吸って出た言葉。
初めて見る、吸い方のわからないタバコに苦戦していたら通りがかりの男が吸い方を教えてくれて、そのまま持っていかれた話。
ニューヨークやパリの地下都市
文學界と「女は電子工作できない」の話
文學会11月号。
かつて吉本で芸人をやっていた藤原麻里菜さんのエッセイがおもしろかった。
途中で芸人を辞めて「無駄づくり」の話になって、「あの方だ!」と読んでいる途中で気づいた。どこかのバズ動画で目にしたけど、名前で認識していないから。
「初対面の人と思って話していたら、すでに名刺交換した後だった」
みたいな。
R-1グランプリの予選1回戦を突破した話(それでもかなり少数の選ばれし芸人だった)、
【読書記録】小説すばる2024/2 イノシシとクマの芸風。好きな読みきり「優しくない友達」
「小説すばる」に「猪之噛」って巨大イノシシを狩る小説が連載されている。最初は純粋におもしろくて読んでいたけど、
だんだん
「クマとどう差別化していくんだろう」
と考えながら読んでいる自分に気づいた。
別にイノシシも
「あっ!俺、最近ブレイク中のクマと芸風かぶってる!」とか意識しないだろうけど。
直木賞の「ともぐい」だったり「流れ星銀」の最終章が始まったり、時代は クマなのかもしれない。あとリラッ
クリスマスに一番不向きなプレゼント、福本伸行の「二階堂地獄ゴルフ」単行本
クリスマスに一番適したプレゼントはケーキ。
一番適してないのは二階堂地獄ゴルフの単行本だ。
「カイジ」よりもさらに前の、売れるとは思われてなかったころの福本伸行の作風。
題材はゴルフ。
ぎりぎりでプロテストを落ち続けて35歳になった男の悲哀、だんだん周囲からめんどくさい人と思われていてもプライドを捨てきれない意地、そういうことを描いている。
ゴルフでなくても「漫画」や「お笑い」に置き換えて読め
【ノンフィクション】特攻服少女と1825日
「コギャル」「ヤンキー」は何となく想像できるけど、女の不良「スケバン」女だけの暴走族「レディース」がいて、彼女らの専門誌が何万部と売れ、本物のヤンキーたちが修学旅行でディズニーランドに行った帰りに編集部に来て、紙面で総長が「半端にやるぐらいなら学校行きな」と不良をさとす。
こんな時代があったのか!の連続。
少年院から出所してすぐにかつての仲間からリンチにあった、ある少女の事件をきっかけに、レデ