#短編小説
短編小説 | バースデーバルーン | 創作大賞2024
妹の頭が徐々に大きくなっていく。病気じゃない。
わかっているんだ。家族の誰もが。だけど何も言えやしない。
傷ついても、恥ずかしくても、怒っても、どうしたって、妹の頭は大きくなって、その成長を止めることは出来ない。
(一)
妹は僕の八つ下で、ぼくにとっては目に入れても痛くない存在だった。だけど、そんな例えですら口にするのも憚られるくらい、妹の頭は大きくなっていた。
その始まりはた
短編小説 | Message~私はあなたを許す~
どこかの、やさしい、だれかは
わかっているよ。
あなたが、こどもをあいせなくて
くるしんだこと。
そのことを、だれにも、うちあけられずに
くるしんだこと。
こどもから、にげるように
トイレにこもったこと。
SNSにいぞんして、げんじつから
にげていたこと。
ゆうがた、なきさけぶ、こどものこえに
みみをふさいで、ないたこと。
こどもの、ねがおに
なきながらあやまった、ひび。
どこかの、だれ
*#絶望のメリークリスマス
12月の灰色の空から、雪がチラチラと降ってきた。
今だにUFOと宇宙人を信じている私は、もしかしたらサンタクロースだっているに違いない!と、、、今どきの小学生でも思わないような事を、本気でバカみたいに心の片隅でこっそり信じている。
冬のボーナスで奮発して買った『23区』
のダウンコートを誇らしげにまとって、たまちゃんの待つファミレスへと急ぐ。
私とたまちゃんには、クリスマスイブ一緒に過ご