乙川アヤト

知的変態(らしい)。ちょっと変な短編と、ちょっと変なエッセイ。最近は、noteのコメン…

乙川アヤト

知的変態(らしい)。ちょっと変な短編と、ちょっと変なエッセイ。最近は、noteのコメント欄でリレー小説をつくる試みを企画、ハマっています。 小説、哲学、心理学、脚本、乙一氏に傾倒。好きな映画は『ファイト・クラブ』。作家は乙一、カズオ・イシグロ、村上春樹、レイ・ブラッドベリ。

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【乙川アヤトの目次】を作成しました。【サイトマップ】(2024/10/08更新)

この記事は……僕のnoteでの活動が、二年目に突入しました。 日常をちょっとだけ、はみ出すようなエッセイや短編小説を書いています。最近では、コメントでリレー小説をつくるという企画も。 「一年分? そんなにたくさん、読めっかよ」 「乙川アヤトってひと、得体が知れないのよね」 「それ(記事)ってあなたの感想ですよね?」 「宇宙ってひろい」 「ホラーってこわい」 というご意見もあるかと思いましたので、そういう方に向けて、自分なりにとあるnoterさんをパク……参考にして、僕自

    • 【エッセイ】「なんで?」と「どうして?」はちがう。【言葉偏愛】

      最近、英語の本を意識的に読むようにしている。 ジャンルはもっぱら小説で、【レイ・ブラッドベリ】からはじまり、【オー・ヘンリー】【ロアルド・ダール】【シェイクスピア】の『ロミオとジュリエット』なんかも読んだ。 読んだ、と偉そうに言っているけれど、実際には文字を追っていた、というのが正しいかもしれないレベルの内容理解度だと思う。 英語というのは、僕のなかで筋トレとかと同じ枠の行為のひとつだった。 なぜそんなことをしているかというと、ひとつには好奇心。もうひとつは、いまワー

      • 【企画】コメントでリレー小説、しませんか。~かぐや姫編~【縛りなし】

        まえがき 11月になりました。 皆さま、風邪などひいてはおられませんでしょうか。 僕はひきました。 眠るとき毛布をつかったり、お湯を飲んだり浸かったり、もふもふの上着を用意したりしたのですが、ひいてしまいました。 たぶん寒さが原因ではないという気がします。 なぜって先日、公募の〆切が過ぎた後、みるみる活力が戻ってきたのですから。 ◇ 結果だけいえば、公募作品はひとまず仕上がり、なんとかアップすることができました。 そのへんの話はまた今度どこかでできれば、と

        • コメントリレー小説『赤ずきんちゃん』

          ご参加いただいた皆さま※この記事は、毎週土曜日開催の企画『コメントで、リレー小説しませんか』で紡がれた物語を編集したものです。 本編 少女はワインとパンをかごに入れ、赤いずきんに袖をとおした。 「それじゃあ、いってきます!」 「みんなが私のことを赤ずきんちゃんって呼ぶ。私にだってちゃんと名前はあるのになぁ。母さんにお願いして青ずきんも用意してもらおうかしら」 「あらいやだ!赤ずきんのお姉ちゃん!私のこと忘れてない?私が青ずきんじゃない」 妹の青ずきんは拗ねた。そこへ「

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          『毎週ショートショートnote』でお馴染みの、たらはさんセレクションに『ひらめき膝』で選んでいただきました。セレクションは今回が最終回なようで、なんだか特別な感じがしてとても嬉しく思います。スクショして額に入れて飾ろうかな。 https://note.com/tarahakani/n/ne71b647617a1

          『毎週ショートショートnote』でお馴染みの、たらはさんセレクションに『ひらめき膝』で選んでいただきました。セレクションは今回が最終回なようで、なんだか特別な感じがしてとても嬉しく思います。スクショして額に入れて飾ろうかな。 https://note.com/tarahakani/n/ne71b647617a1

          【あとがき】『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』

          恋愛というテーマを形にするのはすごく書きにくいもので、それはたぶん僕だけが感じていることじゃないのではないかということを、たまに考えながら創作活動をしています。 受けとる側としてはわかりやすくて、普遍的で、人間の本能に近いながらも、十人十色の究極のテーマ。 エンタメ作品なんかでは、恋愛要素の一切ないものを探すのは無理なのではないでしょうか。 僕の敬愛する乙一氏の作品群や、村上春樹『風の歌を聴け』『ノルウェイの森』、カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』『日の名残り』、中

          【あとがき】『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』6/6(1574文字)

          「初期化しかないな」  もうすっかり昇りはじめた陽の光が照らす部屋の中で、ノートPCと向き合った友人の声が告げた。 ◇ 「PC、あるか?」  さきほど、Mはそう切り出した。 「おれ、スマホ修理の業者やってんだ。前に話しただろうけど。だから、この『【彼女】は使用できません。接続してください』ってメッセージにも、覚えがある。パスワードを何回も間違えちまうと、セキュリティの理由でこうなるスマホを何回か修理した事がある。こういうときは、PCに繋いで、そこから操作しなくちゃな

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』6/6(1574文字)

          活動報告とお知らせ

          まえがき 皆さま、こんにちは。 昨日の午後、部屋をめちゃくちゃきれいに整理した乙川です。 掃除機をかけ、ほこりをはたき落とし、トイレを洗浄、机の上の余計なものをしまい、半袖をしまい、本やらメモやらを棚にきっちり収納しました。 なぜ急にそんなことをし始めたか。 答えるまでもないかもしれませんね。 そうです。 本日が公募の〆切だったからです。 公募がおわった 僕が試験前によくある心理に見舞われていたのは、こちらの公募に参加していたためでした。▼ 4000字

          活動報告とお知らせ

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』5/6(1338文字)

          「呑気にコーヒーなんか淹れてる場合かよ!」  気がつくと、叫んでいた。  体の中に残ったアルコールが少しずつウイルスじみた姿に変貌し、体を這いあがって脳を蝕むイメージがよぎる。最悪の気分だった。 「なんだ、どうした?」 「おまえがコーヒーエクレアなんか買ってくるから、こんなことに……」 「エクレアはエクレアだろうが」 「彼女はコーヒーエクレアあんまり好きじゃねえんだよ! 『食べるならやっぱチョコでしょ!』っていつも言ってたのに……」 「いや、言っとくけど、普通の

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』5/6(1338文字)

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』4/6(1255文字)

           友人Mは、昔から【いいやつ】で通っていた。 【いいやつ】だから知り合いも多く、【いいやつ】だから反りが合わない人間はいるにせよ、誰かと喧嘩したとか傷つけたとか、ちょっと嫌われているという話ですら、ついぞ耳にしたことがない。  彼は幼馴染である僕と彼女が幼少期からつるんでいる何人かの友人のうちの一人で、結婚式をあげるとすれば絶対に呼んでスピーチをしてもらうし、Mもそれを断らないだろうことは断言できた。  学生のときは野球部に所属していて、僕のほとんど唯一の運動部の友人だ

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』4/6(1255文字)

          PC版のnoteのコメント欄、仕様変更でしょうか。長いコメントはたたまれているし、自分がスキしたコメントにはアイコンが表示されるようになってる。ちょっとアイコンはわかりやすくて、いい。コメントたたむのは、見やすいようにということなのだろうか。

          PC版のnoteのコメント欄、仕様変更でしょうか。長いコメントはたたまれているし、自分がスキしたコメントにはアイコンが表示されるようになってる。ちょっとアイコンはわかりやすくて、いい。コメントたたむのは、見やすいようにということなのだろうか。

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』3/6(1210文字)

          「【彼女】は使用できません。接続してください」  耳を疑った。ベッドの上で仰向けになった彼女は、目を見開き、口だけを動かしてそんなことを言ったのだ。 「接続って、どうすればいいの」 「【彼女】は使用できません。接続してください」  まったく同じ抑揚。まったく同じスピードの言葉。 「どこか悪い? ふざけてる?」 「【彼女】は使用できません。接続してください」  それから何を言ってもその返答しかかえってこず、まだ二日酔いもやってこないぐらぐらの頭を抱えながら、さすが

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』3/6(1210文字)

          2歳になったようです。

          2歳になったようです。

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』2/6(1167文字)

           僕はちらかった自分の脳内で、壁に無数にならんだ抽斗のうち、【彼女との約束】と書かれたものをひっぱりだして、中をごそごそやる想像をしてみた。その中にはたぶん、メモの切れ端がはいっていて、あるものには単語だけ、またあるものには正確な日時と場所が書かれている。 「水族館行こうって、話してたこと?」  僕は彼女のヘアオイルの香りがする後頭部に話しかけた。 「ちがう」  短い答え。  とはいえ、本当に怒ったとき彼女は昔から何も答えず、無視を決め込むので、この段階で僕自身はま

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』2/6(1167文字)

          コメントリレー小説『三枚のお札』

          ご参加いただいた皆さま※この記事は、毎週土曜日開催の企画『コメントで、リレー小説しませんか』で紡がれた物語を編集したものです。 本編 「それでは行ってきます!」 和尚さんにもらった三枚のお札を携える小僧の元気な声が、深い山々にこだました。 小僧は栗拾いに夢中になるあまり、山を一つ越え、二つ越えして全く知らないところで老婆に出会ってしまうのでした。 老婆は齢八十を過ぎているように見えた。 いや、老婆に見えたのだが…それは歯を黒く塗りつぶした志村けんひとみ婆3だった

          コメントリレー小説『三枚のお札』

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』1/6(1223文字)

           買ってきておいたアルコール類をほとんどすべて飲みきってしまうと、僕と彼女は歯磨きもしないうちにベッドで寝転んで他愛ない話をしていた。  僕らはつけっぱなしのテレビになったみたいに、どちらかは口を動かして話し続けた。そうしないと死んでしまう、とでも思い込んでいるみたいに。  酔うと話題はよく、二人で共有している思い出に流れ着いた。  駅前の台湾料理の小籠包で唇を火傷したこと。いつも使うファミレスでパスタを注文していたのに運ばれてきたのはピザで、でもめんどうだからそのまま

          短編小説『5回連続で【あの日の約束】を間違えると、ロックがかかる彼女』1/6(1223文字)