恋一夜 #青ブラ文学部
今夜も酒と男をひっかけ、わたしは自宅のマンションに連れかえった。
無機質なベッドに腰をかけたわたしとサラリーマン風の男は互いに触れあいたいことだけが一致しているようだった。
双方の思いが距離を縮めて、男の影がわたしに触れたとき、わたしは「待って」と声に出さずに片手で男を制した。
「ねえ、手相ってそのひとの生きざまがあらわれるんだって」
ベッドに座ったままのわたしを男は見つめた。
「わたしの生きざま、どう見える?」
「見てよ」「当ててみて」
わたしは矢継ぎ早にそういいながら男