#創作大賞2024
短編小説 | バースデーバルーン | 創作大賞2024
妹の頭が徐々に大きくなっていく。病気じゃない。
わかっているんだ。家族の誰もが。だけど何も言えやしない。
傷ついても、恥ずかしくても、怒っても、どうしたって、妹の頭は大きくなって、その成長を止めることは出来ない。
(一)
妹は僕の八つ下で、ぼくにとっては目に入れても痛くない存在だった。だけど、そんな例えですら口にするのも憚られるくらい、妹の頭は大きくなっていた。
その始まりはた
議論で愛💝を語るな!
この度、「議論で愛を語るな!」(わたしの現代新書)という本を上梓した。
課題が山積する現代ほど、多様な議論が必要とされる時代はない。
しかしながら、「人に優しい」「癒される」「共感できる!」ことばかり追求して、物事の本質に迫る徹底的な議論というものが欠如している。
議論は喧嘩ではない。殴り合いでもない。人を論破して打ちのめすためにあるのでもない。
議論とは、絶対的な真理に近づいて行
小説家になる夢はアダルトビデオを観て諦めた
十年経っても忘れられない思い出がある。それは私が中学生か、高校生の頃だっただろうか。夏の夜、友人数人とアダルトビデオを見る機会があった。
経験のない私達は練習の一環としてその儀式(?)を行い、来るべき日のために知識を共有、ひいては自身に落とし込む必要があった。今考えれば正気の沙汰ではないし、勿論大人数でする必要はない。一人でやればいい。ただ、当時の私達はそう考えるには些か若く、視野が狭かった。
短編小説 | Message~私はあなたを許す~
どこかの、やさしい、だれかは
わかっているよ。
あなたが、こどもをあいせなくて
くるしんだこと。
そのことを、だれにも、うちあけられずに
くるしんだこと。
こどもから、にげるように
トイレにこもったこと。
SNSにいぞんして、げんじつから
にげていたこと。
ゆうがた、なきさけぶ、こどものこえに
みみをふさいで、ないたこと。
こどもの、ねがおに
なきながらあやまった、ひび。
どこかの、だれ
魔法を信じ続けるかい?
うちはこれまで毎年、クリスマスには必ずサンタクロースが来てくれて、息子の欲しいプレゼントを届けてくれていた。
ちなみに、直近の戦績(?)は以下の通りである。
2020年(7歳): 釣り竿セット
2021年(8歳): 任天堂Switch
2022年(9歳): 緑色の自転車
しかし、今年、彼から欲しいものを聞かされたとき、これはさすがのサンタでも無理かもしれない、と正直、思ってしまった。
だっ