のろのろな野呂

全部エッセイというか日記です  https://peing.net/ja/noronorodays  ←質問や感想や書いて欲しい事等なんでも頂けたら嬉しいです

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この歳で男の双子コーデは見てられない

 『8月31日のロングサマー』を読んだ。  この作品は二人の男女が8月31日をループしてしまうラブコメディなのだが、久しぶりにド直球の恋愛漫画を読んでキュンキュンしている。「んもう! なにやってんの!」と感じることも多く、もどかしくて甘酸っぱくて最高だ。なんだよこれ。恋っていいな。   そんな乙女な気分に浸る土曜日の夜、友人から「明日ダム行こう」と連絡が来た。ダムという地味な響きのせいで、心も体も乙女から一気におじさんに帰ってきた。  しかしいきなりダムか。ダムに行くときは

    • ダイエットすることをここに宣言する。そしてピノを一粒。

       老化。それは私たちがどうあがいても、生物である以上避けられない事象である。いつかは耳も目も衰え、歯が抜け落ち、歩けなくなり、だんだんと死へと向かう。  きっと悲しい事でもあるが、気持ち次第ではその変化を楽しむことだってできるはずだ。歳と共に重ねてきた知識や経験は年輪のように厚みを増し、世界が広く澄んで見えることだってある。結果がどうあれ、変化を楽しむことができれば、きっと何事もうまくいく。大丈夫。  そう思いながら腹をつまむと、あまりある弾力が指の腹を反発させた。  全然

      • 質問に粛々と答える秋の夜長

         「KNIHE」は、Kを無視してナイフと読む、というのは中学生の時に「そうであるもの」と教えられ、不服ながらも納得した。和泉を「いずみ」と読むように、最初の文字は読まない言葉はどの言語にもあると、何となくそう思っている。こうした予想とは全く違う読みをする単語は、言葉を知れば知るほどたくさん出てくる。どんどん飲み込んでいかなければ。  でも「KARCHER」でケルヒャーと読ませるのはもう違うと思う。読めるわけない。マジでズルくないか。いや、ケルはまだ分かる。ここで「あ、いけるか

        • 私はイチジク。

           あなたは好きな果物ランキングを考えてみたことはあるだろうか。私は既に述べ100人くらいには尋ねているが、大体桃と梨が入っているように感じる。ちゃんとした統計を取ったことが無いが、結局酸味よりも甘味が強いものが好きなんだろう。かくいう私のランキングにもランクインしている。  しかしまあ、よくよく話を聞いていると、果物ランキングには失敗体験が強く作用している気がする。パイナップルが好きじゃない人は昔とんでもなく酸っぱいパイナップルを食べたことがあるとか、渋柿を食べてからランキン

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          リモコンをなくすのは何度目だろうか

           寒い。加速度的に気温が低くなり、つい先日までTシャツ短パンで過ごしていたのに、今ではエアコンを使おうか迷っている。どの面下げて言っているんだと眉をひそめる肩がいるかもしれないが、正直喉から手が出るほど暖かさが欲しい。手のひらを返すようで申し訳ないが、背に腹は代えられない。何分人肌恋しい季節なもので、この寒さを緩和してくれるのであれば、どんな悪事にも手を染められると思う。よし。私は純恋潔白な私から足を洗うよう、腹を決めた。  自己満足の独白が終わったところで、リモコンを探す

          リモコンをなくすのは何度目だろうか

          神よ、どうか私のお腹を救いたまへ

           ひと仕事終え、ティーブレイクがてらコーヒーを飲む。カランと氷が回り、コップはガラスの肌に汗をかいている。  豆乳を注ぐと、焦茶色に白濁色が加わり、マーブル模様が浮かび上がった。そして、徐々に溶け合っていく。  なんともいい時間だ。私にとっての心の安らぎとは、この瞬間なのだろう。カフェインが心身に沁み込み、脳からセロトニンが生成されるのを感じた。  そんな幸せを噛み締めていると、陰からあいつがやってくるのを微かに感じ取った。奴め。また私を邪魔するつもりなのか。毎度毎度私にまと

          神よ、どうか私のお腹を救いたまへ

          子どもも大人も防犯ブザー

           季節外れの台風「コンレイ」が温帯低気圧に変わった。それの影響か、肌寒い空気が私を撫でる。ベランダで洗濯物を回収しているうちに、二回くしゃみが出た。ふむ。いい加減短パンにTシャツは卒業しろということなのだろうか。  いや、私はまだこの格好を辞めないぞ。道路を見やると、公園から帰ってきたのか、短パンにTシャツの子供がお父さんと仲良く話しながら歩いている。少年よ、君が短パンでいる限りおじさんも短パンでいるからね。安心してね。脱ぐ時は一緒だよ。  さて、こうした変質的な成人男性が

          子どもも大人も防犯ブザー

          流石に鯖を食べ過ぎている今日この頃

            最近、鯖ばかり食べている。昼は鯖、夜も鯖、明日の朝にも鯖ってなもんで、この2日間で大ぶりな鯖を8匹食した。流石に私の体内におけるDHAが飽和状態であるように感じる。そのおかげもあって、頭が回ること回ること。今ならIQ5000はある気がする。  そんな賢い頭の中で、一つの疑問が浮かんだ。果たして、これ程多量に鯖を摂取していいのだろうか。コーヒーの一日の致死量は80杯らしいが、そのくらいには常軌を逸している気がする。鯖をここまで多量に食べた人間が未だかつていないから発見されて

          流石に鯖を食べ過ぎている今日この頃

          信玄餅はその風呂敷にエロティシズムを内包する

           友人から山梨のお土産として、桔梗信玄餅を貰った。正確に言えば貰ったというより、お金を渡したら買ってきてくれた。菓子ブローカーである友人は、金さえ渡せばいつだって脱北させた菓子を私の下へと届けてくれる、信頼を置くビジネスパートナーだ。  私は信玄餅を手のひらの上でころころと弄ぶ。やはり、山梨の銘菓といえばこれだろう。なんて可愛らしいんだ。  花柄の風呂敷を中身が傷つかぬよう丁寧に脱がし、蓋を開けた。すると、ぽってりと弾力のある餅が露わになった。その姿は、心なしかふるふると震

          信玄餅はその風呂敷にエロティシズムを内包する

          自分の文章について今一度見つめ直す野良犬

           Xでスペースなるものを利用してみた。とはいっても、部屋を作ったっきり何も発言はしない。一人だから。  どうせ私がやるとき(深夜四時を回ったころ)には誰も起きていないだろうし、あまり話す予定も覚悟も無いのだけれど、いつ聞かれても、いつ話しかけられてもおかしくないという状況下に置かれると、すこぶる作業が捗る。意外といいかもしれない。  いや、嘘だ。正直に言うと、緊張して気が気でない。全然捗らない。こんなもの余裕だよと格好つけたかっただけだ。ただ、その「いつ聞かれるか分からない

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          暗黒の木曜日に気が落ちる

           起きて仕事をして飯を食って風呂に入って寝るだけの毎日を過ごしている。人生に潤いがあるかと問われれば決してそんなことはなく、どうにか化粧水や乳液で誤魔化しているような、そんな感覚ではある。セラミドが入っていれば多分何でも潤う。私の人生にセラミドとナイアシンアミドを下さい。  もう既に肌寒い季節がやってきて、乾燥が気になる日も近いだろう。私の人生の潤いは精神的にも物理的にも、殊更に減っていく。そろそろ加湿器を買わねば。  そういえば、毎年加湿器を買っているような気がする。加湿器

          暗黒の木曜日に気が落ちる

          ぶんぶんチョッパーは鉄の処女

           いつ買ったかわからないカットトマトの缶詰めが棚から出てきた。賞味期限を見ると2022年6月と記載されていたが、「こんなもの参考に値しないくせに」と思うのは私だけだろうか。たかが2、3年で、加熱殺菌され、真空状態を保っている缶詰の味が落ちるものか。世紀末を描く作品の中で、苔まみれの缶詰レーションを美味そうに頬張る彼ら彼女らの笑顔は、嘘だというのか。いや、そんなはずがない。缶のポテンシャルは私たちが思っている以上に高く、缶はいいものである。缶はいい。私は今日、このカットトマト缶

          ぶんぶんチョッパーは鉄の処女

          風の強い日は届いた質問に答えよう

           今日は風が強い。どのくらい風が強いかというと、ドアノブを捻った瞬間風に持っていかれ、百八十度開いた扉が思い切り壁にぶち当たり、その拍子に郵便受けが開き、そして中に入っていた私の電気やらガスやらの検針票が町中に飛散していった程だ。  フルネームや住所が書かれていたので、本当に困る。私の個人情報がご近所さんに広まってしまった。もしも町で見かけたら、そっと処分しておいて欲しい。  こんな日は家にこもるに限る。家にいればこんな仕打ちを受けずに済むし、個人情報を晒すことも無い。今日は

          風の強い日は届いた質問に答えよう

          クズは払込用紙をコンビニに持っていくことすらできない

           クズ。それはしばしば倫理観の欠けた人間に向けて投げかけられる罵倒である。かくいう私も「クズだね」と罵ったこともある。もちろん、どんな時でも私は「クズ」を言う側であり、言われる側ではないことは言を俟たない。  そう思っていたのだが、つい最近全然クズらしいことをしていないのにもかかわらず、友人に「クズが」と言われた。  まだ、(納得はしないけれど)クズは許せる。しかし、「が」は本気でそう思っていそうだからやめて欲しい。「クズめ」とかならちょっと可愛らしいから、是非とも「め」にし

          クズは払込用紙をコンビニに持っていくことすらできない

          振り向かず、行ってしまうあなたへ

           ああ、頼むから、いかないでくれ。  私は家の隅っこでそう唱えながら、茫然と立ち尽くしている。もっと大切にすればよかった。こんなにも悲しい気持ちになるならいっそのこと、出会わなければよかった。  私と彼女との四日間は、私にとって素晴らしいものだった。  なんてことの無い木曜日の夜、彼女は当たり前のように現れた。ソファにポツンと座った彼女は、やあ、と、家に帰ってきた私に手を振る。  私は、彼女に見覚えがあった。久しぶりに会った彼女はどこか大人びていて、目を合わせるのも憚れるよ

          振り向かず、行ってしまうあなたへ

          パピコは人生の孤独を際立たせる舞台装置である

           流石に暑すぎるんじゃなかろうか。ニュースによると、気温は約30度。例年の六月中旬並みらしい。十年に一度の猛暑は、私たちに容赦なく襲い掛かる。  というか、太陽は本当に何を考えているのだろうか。あと数か月もすれば思う存分暑くして良いとこっちは言っているのに、もう暑いのはルール違反である。最近雨が続いていたから、「僕はここにいるよ」と自己主張しているのだろうか。確かに彼は50億年前に産まれてから誰とも会わず、独り寂しく生きているが、それでもその主張は人に嫌われるだけだからやめて

          パピコは人生の孤独を際立たせる舞台装置である