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マグニフィセントなnoter様

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心に響いた”マグニフィセント”な記事をまとめています。わたくしの独断と偏見で選出しております。不定期ではありますが紹介記事も書きたいなと思っております🐈
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2024年4月の記事一覧

ムスメとめぐる冒険〜日本から南半球まで

ムスメとめぐる冒険〜日本から南半球まで

「周りに流されない自我と確固とした個性があって、いかにも海外で育った、グローバル・パーソンという感じがします」

ムスメの現在の社会的評価は、だいたいこんな感じだ。

16歳のムスメは、6歳の4月から14歳の1月まで南半球のニュージーランドで育った、いわゆる帰国子女である。

けれど、ムスメのもろもろの個性は彼女がニュージーランドに住む前からほとんど変わっておらず、つまり彼女はナチュラルボーンで周

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「響きのきずな」

「響きのきずな」

時々、誰も自分のことを知らない場所で朝まで踊り明かしたくなる時がある。
昨夜もそんな気分になったが、なんだか荒れた飲み方をしてしまいそうな予感がして、次の朝ジムに行きたかったこともあり止めておいた。
とはいえ、誰も俺を気にしない、そんな場所で思いのままに身体を動かしたくなるのは、もう十年以上染みついた欲求だ。

大阪に住んでいたハタチの頃、初めてレゲエのイベントに足を運んだ。
アメ村の中でも大規模

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又吉直樹「火花」読書感想文

又吉直樹「火花」読書感想文

読んでみると、おもしろいの一言しか感想が浮かばない。
それでは読書感想文にならないので、もっと考えてみた。

まずは文章のテンポがいい。
セリフがアクセントになっていて、読んでいて気持ちがいい。

話すことを仕事としている人の成せる技なのか。
148ページという短い物語の中に、20歳から32歳までの12年間の場面が、流れるよう書かれて収まっている。

あとはなんだろう。
以外なおもしろさ、というの

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これから太宰治を読みたい人へ 〜「太宰治全部読む」を終えて〜

これから太宰治を読みたい人へ 〜「太宰治全部読む」を終えて〜

私は、太宰治の作品を全部読むことにした。

太宰治を全部読むと、人はどのような感情を抱くのか。身をもって確かめることにした。

前回の『地図 初期作品集』をもって、これまで約1年半にわたり続けてきた「太宰治全部読む」が、めでたく最終回を迎えた。

今回は、企画の締めくくりとして、これまでの「太宰治全部読む」の取り組みを総括してみたい。

太宰作品をひたすら読み続けた結果、私は何を思ったのか。

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天性のハードワーカーはやり切る事でしか幸せになれない

改めてフと思うに、天性のハードワーカーはやり切る事でしか幸せになれないのだと思う。

徹底的にやり抜いて、「どう足掻いてもこれ以上は無理!」って領域までやり抜かないと安心できない。
少しでも余力を残す事を許せない。
「その気になればもっとやれるのに、やらない自分」を許せない。

これは、いわゆる完璧主義ともちょっと違うと思う。

少なくとも僕の場合は、「徹底的にやり抜いた上で尚、自身の力不足で満足

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好きになるとは、嫌いになることだ

好きになるとは、嫌いになることだ

石を投げれば飲み屋に当たる。

そんな言い回しがしっくり来るのが中目黒という街だ。改札を一歩出れば、ありとあらゆる飲み屋が目に飛び込んでくる。立ち飲み屋でひとり生ビールをくいっと飲み干すくたびれたサラリーマン、おでんをつつきながら日本酒を味わう若い女性たち、はたまた暗がりのバーで肩を寄せ合いながらシェリー酒に口をつける大人のカップル。訪れる人々が皆思い思いの形でグラスを、もしくはおちょこを傾ける。

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note創作大賞応募作品 エッセイ部門 小説家のエッセイ 認知の歪みと、置かれた場所で咲くという事

最近よく考える事だが、今の人生は自分の望んだ人生なのだろうか?

子供時代から、大人になったら小説家として大成し、歴史に自分の名を残す事を夢見て生きてきた。
夢が無くなった訳では無い。今でも、書店に自分の本が平積みされて、サイン会をし、ネットで話題になり、本屋大賞に選ばれて、国語の教科書に自分の小説が教材として載り、母校から名誉ある卒業生として呼ばれて講演をする・・・という一連の流れを夢見て、現実

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友人の孤独を陽気な天秤にかける。

友人の孤独を陽気な天秤にかける。

久しぶりの休日に友人の仕事を手伝うことにした。集められたのは別の友人と私の計二名だ。大きな工場の大きな音がする機械の試験を兼ねたメンテナンスをするという。私はもちろん機械を操作するでもなく、その試験の行方をもう一人の友人と精一杯声を出し応援する係だった。

応援とはいえ、時に囁き、時に叫び、時に頷くなど多種多様なリアクションを全力で空気を読み集中しなければならない。今どき「応援に来てくれ」と言われ

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人間椅子、「人間椅子」、『人間椅子』

人間椅子、「人間椅子」、『人間椅子』

 今回は「立体人間と平面人間」の続きです。それぞれが別の方向をむいた言いたいこと(断片)がたくさんあり、まとまりのない文章になっています。申し訳ありません。

 お急ぎの方は最後にある「まとめ」だけをお読みください。

人間椅子から「人間椅子」へ
 江戸川乱歩の『人間椅子』の文章は朗読に適していると思います。音読してすらすらと頭に入ってくる文体で書かれているのです。特に難しい漢語が使われているわけ

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推しとは何か?「好き」と「推し」に込めているニュアンスの違い

推しとは何か?「好き」と「推し」に込めているニュアンスの違い

はじめに:「推し」ってどういう感じなの?研修講師をして下さっている社員さんがめちゃくちゃ好きでリスペクトなんだけど自分から仲良くなりにいくのは、違う。これはどっちかと言うと「推し」なんだよね。

そんな話を隣の席の同期にしていたら、不思議がられた。ので、私の中にあるニュアンスの違いを話した。

こういう話面白いよね〜となったので、せっかくだから書き起こしてみようと思う。

「好き」は双方向に育まれ

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ep.8 スウェーデンの性教育施設ツアー④~現地の高校訪問&天下のRFSUへ!~

ep.8 スウェーデンの性教育施設ツアー④~現地の高校訪問&天下のRFSUへ!~

みなさんこんにちは!
デンマークに留学しておりましたAiriです🇩🇰

さて、パート①から続いてきました、スウェーデン旅もいよいよ最終回。

今回は、高校にお邪魔して性教育の授業を見学させていただいたり、スウェーデンのSRHRを牛耳っている(!?)といっても過言ではないRFSU、スウェーデン性教育協会に伺った様子をお届けしたいと思います。

パート①〜③はこちらのマガジンにまとまっているのでよ

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ボクの「ヒゲ脱毛攻略法」

ボクの「ヒゲ脱毛攻略法」

「ヒゲ脱毛は痛いのですか?」と聞かれることが多い。が、よく考えてほしい。痛くない訳がなかろう。「新幹線ってやっぱ速いの?」と聞いているようなものである。愚問であるように感じてならない。

ではどのような痛みなのかといえば、僕がはじめて脱毛(医療脱毛)をするときにクリニックの若い女医からの説明をまるパクリで答えると、「輪ゴムではじいたような痛み」である。脱毛を経験したことのない君たち諸君からすれば、

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街中華のマトリックス

街中華のマトリックス

 街中華と瓶ビール。そして強火を使った食事はどこからか抜け出す力を生み出すのかもしれない。

 
 二月の金曜の夜。西高東低の強い気圧配置が列島を覆う。そこに南岸低気圧が八丈島沖を進み、夜半に雪が降る。それまでは三国山脈を乗り越えた冷たく渇いた風が吹く。

 大きな発送ミスがあり、会社の冷え切った倉庫で肉体労働を後輩の佐藤と朝から始めた。体を動かした時にかいた汗が冷気に包まれ体を冷やす。それが何度

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0101…今日もデジタルな世界は流れてる。つながり過ぎた世界のその先

0101…今日もデジタルな世界は流れてる。つながり過ぎた世界のその先

「01010101…」

「1110010100010…」

「0001101111…」

僕の頭上には無数のこんな数字の羅列が飛び交っているんです。わずか0.2Wほどの出力の電波に乗せて、僕たちは「0101…」を垂れ流し続けているんです。

仮にみんなでSNSをしながら歩いていれば、ずっと1Mbpsくらいの通信をしていることになる。そうすると知らず知らずのうちに「0101…」って1秒間に100万

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