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マグニフィセントなnoter様

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心に響いた”マグニフィセント”な記事をまとめています。わたくしの独断と偏見で選出しております。不定期ではありますが紹介記事も書きたいなと思っております🐈
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マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

ようそこいらっしゃいませ。

こちら、ネコぐらしの勉強暮らしpresents

マグニフィセントなnoter様
📒総合受付案内所📒
でございます🐈

『マグニフィセントなnoter様』とは?
文才や表現力にあふれる方が、noteの世界にはたくさんいらっしゃいます。

特に「これは皆に広めたい!」と心に響いたnoterさんをピックアップしているマガジン。

それが『マグニフィセントなnoter

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「響きのきずな」

「響きのきずな」

時々、誰も自分のことを知らない場所で朝まで踊り明かしたくなる時がある。
昨夜もそんな気分になったが、なんだか荒れた飲み方をしてしまいそうな予感がして、次の朝ジムに行きたかったこともあり止めておいた。
とはいえ、誰も俺を気にしない、そんな場所で思いのままに身体を動かしたくなるのは、もう十年以上染みついた欲求だ。

大阪に住んでいたハタチの頃、初めてレゲエのイベントに足を運んだ。
アメ村の中でも大規模

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子どもは欲しくないし、旧友とは駄弁りたい。

子どもは欲しくないし、旧友とは駄弁りたい。

ディズニーランドで結婚式をすることと、子どもを産むこと。
このふたつさえできりゃ相手なんて本当は誰でもいいのかもしれない。
生物として死ぬまでにやるべきことは子どもを産むことなんだと思ってる。

と。

優しくてイケメンな彼氏とうまくやっていた友達のひとこと。
絵に描いたように可憐な容姿とその淡々とした話し方が対照的で実におもしろい。
彼女のそんなところが私は好きだ。

モテにモテていた彼女だった

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現実逃避のひとり旅

現実逃避のひとり旅

月に1回ほど、住んでいる場所から思い切り離れたくなる。
目の前のやるべきことを全て放棄し、「逃げても良い」と自分を安心させるためだ。
まさに現実逃避である。

これまでは、人気のない山の中へ車を走らせたり、誰も来なさそうな海辺に足を運んでいた。
そこで思う存分昼寝をし、ひたすらボ〜っとするのだ。
誰も来ない・・・というのがポイント。

阻みや、抑止が無い空間だ。

思い切り泣くことも出来れば、怒り

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青に居た

青に居た

山と山のあいだにひっそり存在する集落に住んでいた。

家を出て道路に立ち、南を向けば海へと続く道。
北を向けばふたつの山と空。

ふたつの山のうち、東側の山を越えれば観光名所。
西側の山を越えれば学校とささやかな町。

西側の山にある緩やかな坂になったぐねぐね道をのぼって山を越えないとどこにも行けない、そんな山と山のあいだに住んでいた。

小学校高学年の時に、東の山と西の山を頂上付近で繋ぐ橋が架か

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又吉直樹「火花」読書感想文

又吉直樹「火花」読書感想文

読んでみると、おもしろいの一言しか感想が浮かばない。
それでは読書感想文にならないので、もっと考えてみた。

まずは文章のテンポがいい。
セリフがアクセントになっていて、読んでいて気持ちがいい。

話すことを仕事としている人の成せる技なのか。
148ページという短い物語の中に、20歳から32歳までの12年間の場面が、流れるよう書かれて収まっている。

あとはなんだろう。
以外なおもしろさ、というの

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これから太宰治を読みたい人へ 〜「太宰治全部読む」を終えて〜

これから太宰治を読みたい人へ 〜「太宰治全部読む」を終えて〜

私は、太宰治の作品を全部読むことにした。

太宰治を全部読むと、人はどのような感情を抱くのか。身をもって確かめることにした。

前回の『地図 初期作品集』をもって、これまで約1年半にわたり続けてきた「太宰治全部読む」が、めでたく最終回を迎えた。

今回は、企画の締めくくりとして、これまでの「太宰治全部読む」の取り組みを総括してみたい。

太宰作品をひたすら読み続けた結果、私は何を思ったのか。

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天性のハードワーカーはやり切る事でしか幸せになれない

改めてフと思うに、天性のハードワーカーはやり切る事でしか幸せになれないのだと思う。

徹底的にやり抜いて、「どう足掻いてもこれ以上は無理!」って領域までやり抜かないと安心できない。
少しでも余力を残す事を許せない。
「その気になればもっとやれるのに、やらない自分」を許せない。

これは、いわゆる完璧主義ともちょっと違うと思う。

少なくとも僕の場合は、「徹底的にやり抜いた上で尚、自身の力不足で満足

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好きになるとは、嫌いになることだ

好きになるとは、嫌いになることだ

石を投げれば飲み屋に当たる。

そんな言い回しがしっくり来るのが中目黒という街だ。改札を一歩出れば、ありとあらゆる飲み屋が目に飛び込んでくる。立ち飲み屋でひとり生ビールをくいっと飲み干すくたびれたサラリーマン、おでんをつつきながら日本酒を味わう若い女性たち、はたまた暗がりのバーで肩を寄せ合いながらシェリー酒に口をつける大人のカップル。訪れる人々が皆思い思いの形でグラスを、もしくはおちょこを傾ける。

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note創作大賞応募作品 エッセイ部門 小説家のエッセイ 認知の歪みと、置かれた場所で咲くという事

最近よく考える事だが、今の人生は自分の望んだ人生なのだろうか?

子供時代から、大人になったら小説家として大成し、歴史に自分の名を残す事を夢見て生きてきた。
夢が無くなった訳では無い。今でも、書店に自分の本が平積みされて、サイン会をし、ネットで話題になり、本屋大賞に選ばれて、国語の教科書に自分の小説が教材として載り、母校から名誉ある卒業生として呼ばれて講演をする・・・という一連の流れを夢見て、現実

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友人の孤独を陽気な天秤にかける。

友人の孤独を陽気な天秤にかける。

久しぶりの休日に友人の仕事を手伝うことにした。集められたのは別の友人と私の計二名だ。大きな工場の大きな音がする機械の試験を兼ねたメンテナンスをするという。私はもちろん機械を操作するでもなく、その試験の行方をもう一人の友人と精一杯声を出し応援する係だった。

応援とはいえ、時に囁き、時に叫び、時に頷くなど多種多様なリアクションを全力で空気を読み集中しなければならない。今どき「応援に来てくれ」と言われ

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恋の仕方

恋の仕方

先日誕生日を迎え、晴れて37歳となった。
あまりに「大人」な年齢で我ながらびっくりする。
あと3年で40と言われても全くピンとこない。
一方で、この1年の密度はあまりに濃すぎて、36歳を迎えた日のことは遥か遠くのことに感じる。

一年前、私は微かな絶望と少しばかりの希望を抱いていた。
人生こんなもんだろうか、という思いに苛まれると同時に、「これは特別なんじゃないか」と感じられる出会いがあって、これ

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人間椅子、「人間椅子」、『人間椅子』

人間椅子、「人間椅子」、『人間椅子』

 今回は「立体人間と平面人間」の続きです。それぞれが別の方向をむいた言いたいこと(断片)がたくさんあり、まとまりのない文章になっています。申し訳ありません。

 お急ぎの方は最後にある「まとめ」だけをお読みください。

人間椅子から「人間椅子」へ
 江戸川乱歩の『人間椅子』の文章は朗読に適していると思います。音読してすらすらと頭に入ってくる文体で書かれているのです。特に難しい漢語が使われているわけ

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推しとは何か?「好き」と「推し」に込めているニュアンスの違い

推しとは何か?「好き」と「推し」に込めているニュアンスの違い

はじめに:「推し」ってどういう感じなの?研修講師をして下さっている社員さんがめちゃくちゃ好きでリスペクトなんだけど自分から仲良くなりにいくのは、違う。これはどっちかと言うと「推し」なんだよね。

そんな話を隣の席の同期にしていたら、不思議がられた。ので、私の中にあるニュアンスの違いを話した。

こういう話面白いよね〜となったので、せっかくだから書き起こしてみようと思う。

「好き」は双方向に育まれ

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