Taiyo Fujitsuka【『ジャマイカを知る65章(明石書店)』共著にて2024年内刊行予定】
『The Beatles (White Album)』『Let It Be』『Abbey Road』
『Revolver』『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』『Magical Mystery Tour』『Yellow Submarine』
『Please Please Me』『With The Beatles』『A Hard Day’s Night』『Beatles For Sale』『Help!』『Rubber Soul』
前回の更新から早1年半。 衝動に駆られて一気に書き上げた連載「The Beatles 全曲解説」。 未だに多くの方にお読みいただき、時にはご自身の投稿内でもったいないぐらいのお褒めの言葉と一緒にご紹介をいただきながら、 やっぱり書いてよかったなあ〜としみじみ感じつつnoteを眺めていました。 そんな僕の方も少しずつ生活が軌道に乗ってきて、 そろそろ読むだけではなく、書く方も再開させたいなとの思いが湧き立ち、 久しぶりのエントリーに挑戦したいと思います。 多くの方がビートル
俺は今、猛烈に怒っている。 某スポーツに対するメディアの扱いに対してだ。 10月12日から14日にかけて新潟県柏崎市にて開催された、水球の日本選手権。 3日間、男女合わせて16チームが鎬を削り、最終日には1000人近くが会場に詰めかけるなど、熱気あふれる雰囲気の中閉幕した本大会。 さぞかし翌日は各報道がこの盛り上がりをこぞって伝えてくれるだろう。 そう思って俺も家観戦を終えた。 ところが、だ。 は???????????????? 4行???????????? ごめ
熊本市西区にある「石神神社」という古ぼけた社のすぐ近所。 現在は小さな事務所になっているその住所にかつてあった、築半世紀以上・木造1階建ての借家。 そこが俺の生家だった。 小学校の1週間の授業が終わり、母親の用意した夕飯にありつきながらブラウン管に映るドラえもんを観る。 家の教育方針でゲームは持たせてもらえず、玩具類もお正月のお年玉で買う程度。 そんな俺にとって、金曜19時が幼い頃の一番の楽しみだった。 大山のぶ代さんが亡くなったというニュースを聞いてから、妙にあの狭い一
「春ねむり」というアーティストの存在を知ったのは、X (Twitter)の以下のポストがきっかけだった。 難民申請が3回に達した申請者を強制送還することを可能にする、非人道的な「入管難民法改定案」が可決されてしまった2023年6月、抗議の意を込めた楽曲をリリースしたアーティストがいた。 それが彼女だったのだ。 「船が沈むのはいのちの重さのせいじゃなくて 船そのものが腐っているからさ」 あの残虐な、外道と言ってもいい入管法や、難民たちへの差別意識を生み出してしまうような社
「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のペパー軍曹は、なんで「Lonely」なんだろう。 そういうことを最近よく考える。 音楽好きなら誰でも知っているあのジャケットが実は墓地をモチーフにしていたり、 裏ジャケでポール・マッカートニーだけが後ろを向いていたりと、何かと「死」のイメージと関連づけられることとも無関係ではないかもしれない。 音楽史に燦然と輝く名盤としての地位と、煌びやかな楽曲の内容とは対照的に、そこから伸びる影は意外と暗かっ
もうだいぶ間の空いた話題になってしまうが、6月にこんな絵本に出会った。 絵本作家のイシズマサシさんによる『あっちがわ』。 ほのぼのとした画調と色彩とは裏腹に、子供たちが日常で出会うわずかな違和感や不条理を、15の情景に分けて描いた作品だ。 「ぼくのまち」では、 ある時は友達が穴に吸い込まれる。 ある時は突然「かみのながいおんな」が現れる。 ある時は夏空の下、みんながキャンバスを真っ黒に塗りつぶす。 「こっち」と「あっち」の境目の世界の揺らぎが、なんの抑揚もなく淡々と描か
先日、ありがたいことに執筆のお仕事をいただいた。 関西の若手筆頭株のレゲエサウンド、「LIFE STYLE」が主催する「能登半島復興 Charity Event」。 これまで自分が足を運んできたレゲエイベントの中でも、5本の指に入るほどの熱気が渦巻いたイベントだった。 そんな歴史的な瞬間を文字に落とすチャンスを頂けて、大変名誉な思いだ。 執筆した記事は「音楽ナタリー」に掲載されている。 掲載された文章は、音楽ナタリー編集部さんのリライトが入った、いわば「ショートバージョン」
「お前まだマスクしてんの?」 今働いている会社の社長にそう言われたのが去年の3月ごろ。 当時は花粉症がひどくなり始めていたので通勤途中に念の為つけていただけだったのだが、そう言われて初めて「あ、時代もうそんな感じ?」とハッとした。 音楽業界ってよくも悪くも「おナチュラルな」方々が多いので、俺も元々そこまで神経質にマスクをつけていたわけではない。 とはいえそんな感じで声をかけられると、「やっとか…」となんだか妙に肩の荷が降りる気持ちがした。 もちろんこの忌まわしきパンデミ
ここ十数年で一番と言ってもいいぐらい、日本のレゲエシーンが沸いている。 着火剤となっているのは言わずもがな、レジェンド、ボブ・マーリーの伝記映画『BOB MARLEY: ONE LOVE』の公開だ。 公開前からプロモーションの熱の入り方が、ちょっと尋常ではなかった。 主にラジオの動きしか追えていないが、J-WAVEでは5月6日、9時間に及ぶボブの特集番組を組み、 俺が愛聴している大阪のFM COCOLOでも、週替わりの特集番組「WHOLE EARTH RADIO」で、レゲエ
以前書いたこんな記事が、更新から10ヶ月近く経った今でもそこそこ読まれている。 残念ながら今は閲覧不可となっているが、メンタルヘルスをテーマにしたWEBメディア「mentally」に掲載されていた記事の話。 3年前に活動を休止していたYoutuber「もえりん」さんのその後を取材した内容だった。 Youtuberとしての活動の疲れとプレッシャーから、言葉を発することすらできないほどの鬱状態に陥ってしまった彼女。 地元の兵庫に帰って療養に努めてから出会った厩務員という仕事が
時々、誰も自分のことを知らない場所で朝まで踊り明かしたくなる時がある。 昨夜もそんな気分になったが、なんだか荒れた飲み方をしてしまいそうな予感がして、次の朝ジムに行きたかったこともあり止めておいた。 とはいえ、誰も俺を気にしない、そんな場所で思いのままに身体を動かしたくなるのは、もう十年以上染みついた欲求だ。 大阪に住んでいたハタチの頃、初めてレゲエのイベントに足を運んだ。 アメ村の中でも大規模な箱で行われたデイイベント。 全くどんな雰囲気なのか、どんな格好で行けばいいのか
実は最近、ちょっとした失恋を経験した。 一緒にいる時間はたとえて言うなら、子供にとっての遠足が数万倍楽しくなったような、そんな気持ちを抱かせてくれる人だった。 俺にもまだこんな人間くさい気持ちが残ってたんだな、と思わされた。 ただ、彼女は老若男女誰からも愛される人気者だった。 そんな人にとっての一番になるのは途方もないことだなとはわかっていた。 でも、人間の気持ちが一番コントロールが効かなくなるのって、やっぱりこういう時じゃないか。しょうがないもん。 わずかな望みだけを
今日は4月1日。 世界中がゆる〜く疑心暗鬼になる日だ。 特に上手な嘘がつけるタイプでも無いので(というか嘘が表情に出やすい)、何か上手いことやろう!と意気込む訳でも無いのだが、微笑ましい冗談がSNSに流れるとなんとなく得した気分にもなる。 今の仕事についてからなんとなく忘れていたが、 今日は新年度の始まり、多くの人にとっては新しい生活のスタート日でもある。 オフィスのある場所はどちらかというとスーツ人口は少ない場所なのだが、 今日は妙に馴染んでいないスーツ姿の若者を、オフ
先日、こんな本を読んだ。 著者はラグビー元日本代表の平尾剛。 現在は大学で教鞭を執りながら、これからの時代の新たなスポーツのあり方について研究をしている。 「何々2.0」とか「4.0」とか、OSの末尾の数字を模したようなタイトル付けやラベル貼りが昔から俺は大嫌いなのだが、この本だけは刊行時から是非読みたいと思っていた。 それには理由があった。 前から小出しにして書いて来たように、俺はスポーツを観るのもするのも好きな方だ。 中学から大学まで約10年競泳・水球に人よりは真面
一日が終わり布団に入り、日付の切り替わる頃、外から激しいサイレンと鐘の音が近づき始めた。 俺の部屋はマンションの5階の角部屋で、窓からの景色がかなり開けている。 そのため、静まり返る夜は、遠くからの音がよく伝わってくる。 サイレンの音が聞こえるのは割と日常茶飯事だ。 にしても、今日はなんか近づきすぎやしないか? かなり部屋の目と鼻の先まで近づいてきていることがわかる。 ただ、特に焦げ臭いような感じもしないし…。 Twitterの「川崎消防なう」というアカウントをチェックし
ジョン・コルトレーン ケニー・ドーハム ソニー・ロリンズ キャノンボール・アダレイ 最近は古き良き古典ジャズを寝落ち用BGMにしている。 これまではお気に入りのポッドキャストだったり自然音BGMを流していたが、結局消してしまった方がスッと入眠できたりすることが多かったので、試行錯誤の末にジャズに行き着いたというところ。 音量をギリギリ聞こえるか聞こえないかぐらいにまで下げて布団に潜ると、ちょうどよくサックスの音色が脳みそをくすぐってくれるような感覚になって心地がいい。