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The Beatles 全曲解説 ①

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『Please Please Me』『With The Beatles』『A Hard Day’s Night』『Beatles For Sale』『Help!』『Rubber … もっと読む
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The Beatles 全曲解説 Vol.103 〜We Can Work It Out

The Beatles 全曲解説 Vol.103 〜We Can Work It Out

シングル『Day Tripper / We Can Work It Out』収録曲。
ポールとジョンの共作で、リードボーカルはポールが務めます。

「なんとかなるさ」荒れた心を解きほぐす “We Can Work It Out”幼少の頃からずーっと疑問に思っているのですが、この曲の邦題「恋を抱きしめよう」というシュールな名前は、一体誰がどのような意味を込めてつけたのでしょうか。

デビュー後からこ

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The Beatles 全曲解説 Vol.102 〜Day Tripper

The Beatles 全曲解説 Vol.102 〜Day Tripper

シングル『Day Tripper / We Can Work It Out』収録曲。
ジョンとポールの共作で、リードボーカルも二人が務めます。

サイケビートルズの原点…抽象化する歌詞に注目 “Day Tripper”アルバム『Rubber Soul』と同日に発売されたこのシングルは、ビートルズとしてもイギリスのポップスとしても初めての、両A面シングルとなりました。
両A面シングルになるということ

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The Beatles 全曲解説 Vol.101 〜Run For Your Life

The Beatles 全曲解説 Vol.101 〜Run For Your Life

『Rubber Soul』14曲目(B面7曲目)。
ジョンの作品で、リードボーカルもジョンが務めます。

大作を締め括るもワーストナンバー認定⁈ “Run For Your Life”「浮気娘」という邦題がつけられているこの曲ですが、原題を直訳すると「命がけで逃げろ」。
その名の通り、浮気した女性ではなく、その女性に復讐せんとする恐ろしい男が主役になっています。

歌詞の一部は、ご存知エルビス・プ

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The Beatles 全曲解説 Vol.100 〜If I Needed Someone

The Beatles 全曲解説 Vol.100 〜If I Needed Someone

『Rubber Soul』13曲目(B面6曲目)。
ジョージの作品で、リードボーカルもジョージが務めます。

心地良い隠し味はジョージの更なる進化の土台に “If I Needed Someone”前回の “Wait” から一転、もやが晴れたかのような爽やかさと明朗さを持つこの曲は、ジョージの作品です。
ネチネチと詰め寄るようなエグみを持っていた “Think For Yourself” とはまさ

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The Beatles 全曲解説 Vol.99 〜Wait

The Beatles 全曲解説 Vol.99 〜Wait

『Rubber Soul』12曲目(B面5曲目)。
ジョンとポールの共作で、リードボーカルもジョンとポールが務めます。

どこか不穏な雰囲気を中和するメロディ “Wait”セッションの記録を参照すると、この曲はもともと、アルバム『Help!』のセッションで演奏されていたそうです。
結局アルバム用に完成させることなく放置していたのが、『Rubber Soul』用の楽曲が足りなくなったことで再利用され

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The Beatles 全曲解説 Vol.98 〜In My Life

The Beatles 全曲解説 Vol.98 〜In My Life

『Rubber Soul』11曲目(B面4曲目)。
ジョンの作品で、リードボーカルもジョンが務めます。

愛は関わった場所や人々の想いと共に… “In My Life”ビートルズを覚えたての小学校低学年の頃、図書館で借りた解説本に、ビートルズファンの著名人たちにインタビューを行うコーナーがありました。
そこで多くの回答者が、「一番好きな曲」にこの “In My Life” を挙げていたことにびっく

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The Beatles 全曲解説 Vol.97 〜I’m Looking Through You

The Beatles 全曲解説 Vol.97 〜I’m Looking Through You

『Rubber Soul』10曲目(B面3曲目)。
ポールの作品で、リードボーカルもポールが務めます。

ダメ男の叫びがアルバムの一体感をグッと増す “I’m Looking Through You”“You Won’t See Me” と同じく、ポールが当時喧嘩を繰り返していたジェーン・アッシャーとの関係が題材にされて書かれた曲です。

どんなレベルの喧嘩だったのか、後追い世代の我々に知る由はあ

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The Beatles 全曲解説 Vol.96 〜Girl

The Beatles 全曲解説 Vol.96 〜Girl

『Rubber Soul』9曲目(B面2曲目)。
ジョンの作品で、リードボーカルもジョンが務めます。

気怠い息継ぎに続くのはため息か、それとも… “Girl”イントロ無しでいきなり、ジョンの感情豊かなボーカルが一気に聴き手を引き込むこの曲。
アルバム『Rubber Soul』の持つ、曇った寒空のような雰囲気を、最もよく表した曲ではないでしょうか。

アコースティックで大人しめ、それでいて印象に残

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The Beatles 全曲解説 Vol.95 〜What Goes On

The Beatles 全曲解説 Vol.95 〜What Goes On

『Rubber Soul』8曲目(B面1曲目)。
ジョンとリンゴの共作で、リードボーカルはリンゴが務めます。

実はリンゴの作曲者デビュー!過去曲の魅力も堪能 “What Goes On”アルバムのB面の最初を飾るこの曲。
CDやレコード等でクレジットをチェックすると、「レノン=マッカートニー=スターキー」と表記されているのが分かります。
スターキーはリンゴの本名、リチャード・スターキーから。

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The Beatles 全曲解説 Vol.94 〜Michelle

The Beatles 全曲解説 Vol.94 〜Michelle

『Rubber Soul』7曲目。
ポールの作品で、リードボーカルもポールが務めます。

甘さと直情の見事なブレンドが美しい “Michelle”アルバムのA面ラストを飾る極上のバラードです。
発表直後から、アメリカ・イギリス両国でアルバム中トップの人気を獲得し、1967年にはグラミー賞最優秀楽曲賞を獲得しています。

多数のカバーが存在し、ファンによっては “Yesterday” にも比肩すると

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The Beatles 全曲解説 Vol.93 〜The Word

The Beatles 全曲解説 Vol.93 〜The Word

『Rubber Soul』6曲目。
ジョンとポールの共作で、リードボーカルはジョンが務めます。

シンプルなインストラクションに見え隠れするのは…? “The Word”アルバムのトップを飾った “Drive My Car” と比肩するほどのグルーヴィーなノリを持った楽曲です。
特にソウルフルなピアノに、跳ねるようなギターの音の存在感は別格です。

久々にジョンとポールが、50:50に近い形で共作

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The Beatles 全曲解説 Vol.92 〜Think For Yourself

The Beatles 全曲解説 Vol.92 〜Think For Yourself

『Rubber Soul』5曲目。
ジョージの作品で、リードボーカルもジョージが務めます。

泣きたくなるほどの容赦ない皮肉が炸裂 “Think For Yourself”とげとげしい。。。

直前の “Nowhere Man” で、リスナーの心をほっこりと温めた後にこんな強烈な楽曲をぶち込んでくるのが、このアルバムの怖いところです。

言ってみれば、下処理をしてないゴーヤのように苦味がきつく、そ

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The Beatles 全曲解説 Vol.91 〜Nowhere Man

The Beatles 全曲解説 Vol.91 〜Nowhere Man

『Rubber Soul』4曲目。
ジョンの作品で、リードボーカルもジョンが務めます。

寒さに震える心に、そっと灯りを灯すメッセージ “Nowhere Man”ポール→ジョン→ポールときて、再びジョンの作品の登場。

初めて聴いた時、イントロ無しでいきなり現れたコーラスの、あまりの美しさと透明感に衝撃を受けたのを覚えています。
アルバムが発売されたのが冬であるだけに、街をしんしんと降る雪景色に、

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The Beatles 全曲解説 Vol.90 〜You Won’t See Me

The Beatles 全曲解説 Vol.90 〜You Won’t See Me

『Rubber Soul』3曲目。
ポールの作品で、リードボーカルもポールが務めます。

よく聴くほどに緊張感と不気味さを増す “You Won’t See Me”これまでジョンに比べると、失恋や恋人どうしの喧嘩などを扱った曲は少ないポールでしたが、このアルバムではそういった恋愛の負の面を積極的に取り上げるようになります。

というのもこの時期、ポールは恋人のジェーン・アッシャーとの関係があまりう

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