記事一覧
帰国、退職、これから、ドバイ
5月中旬に帰国していましたが、8月末に(株)ウィルグループ(以下ウィル)を退職し、9月からドバイに住みます。これまでの10年については、前回の記事に書きました。ここでは、なぜドバイに行くのか、ミャンマーでのクーデターを経て、これから向かう先について、今考えていることを書き残しておきたいと思います。
1. 何一つ、抗えず、、、「田村さん、今すぐ出国した方がいい。田村さんの名前が、軍が追う日本人3人
10年勤めた会社を、退職します。
2021年8月末をもって、ちょうど10年間お世話になった(株)ウィルグループ(以下ウィル)を退職します。
この10年、存分に挑戦させて頂いた一方、ミャンマー事業の成長という形でお返しできぬままに去ることに、心苦しさと申し訳なさが残ります。退職まで1週間程ありますが、お世話になった社内外の方々への説明もかね、ウィルとの出会いからミャンマーでの経験などを振り返りながら、今の思いを書き残しておきた
クーデターが生んだ日本とミャンマーの小さな亀裂を埋める小さな努力を。
(カバー写真:2月7日(月)の大規模デモの日の近所の夕暮れ時、団結の象徴である黒い服を来た若者が帰宅する様子。)
2月1日(月)に、ミャンマーで軍部によるクーデターが発生してから9日が経ちました。(以前書いた記事はこちら。)
その間、ミャンマー国内だけではなく、世界中の都市でクーデターに対する抗議集会が広がりを見せています。一方、日本国内では「ミャンマーの問題を日本に持ち込まないで」、「日本も
クーデターに直面して、日本人ビジネスパーソン(私)がすべきこと、思うこと。
私は何をすべきだろう?仕事を止めない。 事業を止めない。 経済を止めない。
ミャンマーに住む一人のビジネスパーソンとして、これが私がすべき唯一のことではないか、と思っています。
私はミャンマーに6年暮らし、「ミャンマーの民主化」の恩恵を受けてきた日本人の一人です。色々な意見があるとは思いますが、なぜ私はそう考えるのかを、少しでも多くの方々に知って頂ければ幸いです。
2月1日(月)にミャン
マニアック歴史経営③(強みが招いたシュメール文明の崩壊とビジネスモデル_2)
(前回の記事の続きです)
2000年間もの長きに渡って文明を維持したシュメール社会は、農耕文化という最初の強みを出発点として、何度もビジネスモデルをアップグレードして繁栄したとてつもない長寿企業と見立てることができるかもしれません。乾燥した大地と氾濫を繰り返す厳しい自然環境という逆境を、灌漑農業という技術革新によって乗り越えた、ジョブズやマスクもびっくりのハイテク文明でした。
さらにその過程で
マニアック歴史経営②(強みが招いたシュメール文明の崩壊とビジネスモデル_1)
そうだったのか、と手を叩きました。最古の都市文明として知られるシュメール文明は「肥沃な三日月地帯」の一部である北メソポタミアで生まれたのだと思い込んでいましたが、実は、南メソポタミアの厳しい自然環境の元でこそ発展した、ということが最近では定説なのです。
詳しくはぜひ『興亡の世界史 人類文明の黎明と暮れ方』をご覧下さい。この「興亡の世界史」シリーズはすこぶる面白いのでオススメです。最新の研究成果が
マニアック歴史経営①(超グローバルでサバイバルなローマの幹部育成)
興味散漫な性格ですが、幼少期から変わらず好きなものに歴史があります。高校時代はよく学校をさぼって田園地帯を走る新幹線の高架下で教科書から始まって色々な本を読んだものです。約50名と小さな組織ながらも経営者となってからも、夜な夜な読み続けていたこれらの歴史本ですが、最近では経営の教科書にしか見えなくなってきました。笑 以来メモ書き程度に書きためて来た諸々を少しずつ記事に起こしていきたいと思います。
隠されたミャンマーとの繋がりと父の影
以前、事業立ち上げの地にミャンマーを選んだ理由を書きました。言ってしまえば「全くの偶然」でミャンマーを目指した訳ですが、実はミャンマーと私の間には「隠された繋がり」があったのだと後年分かり、嬉しくなったことがありました。
私の生き方、人格や価値観形成に切っても切れない影響を与えたのが父でした。父は中高一貫校の教師でしたが、もう一つの顔も持っていました。今では国際協力分野で日本を代表するNGOの一
コロナでヤンゴンの不動産価格が暴落!?
2011年の改革開放政策の開始以来、ミャンマーの最大都市ヤンゴンの不動産価格は、この国の一人当たりGDPなどの指標と比較すると、異常とでも言える高値で推移してきましたが、新型コロナの影響によって大きな影響がで始めています。参考までに、私が関わった実際の家賃交渉と値下げの話を3つご紹介します。(2020年11月時点)
ケース①:日本語学校の教室の更新運営する介護に特化した日本語学校(Dream J
『アラスカ物語』:星野道夫のイメージを塗り替えた伝説の日本人
山田長政、ジョン万次郎、大黒屋光太夫、河口慧海など、歴史版「こんなところに日本人」とでも言うべき実在した人物を描いた小説はついつい読んでしまいます。
中でもアラスカの大地を駆け巡ったフランク安田の人生譚は星野道夫作品を通して憧れたアラスカの印象が塗り替えられるくらいの衝撃。ちょっとした建国神話と言っても決して誇張ではありません。何と言っても「ジャパニーズ・モーゼ」と言われていたくらいなのですから
『エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する』:2020年は記念すべき日緬宇宙開発協力元年
タイトルとブックカバーの威力が凄まじいですね。帯のコピーがもう。。。
ついに宇宙のすべてを説明する理論を手に入れた!
ジュンク堂で平積みされていたような記憶がおぼろげにあるから、同じような経験をした人も多かったのではないでしょうか。出版年を見返すと2001年、高一の頃ですね。
もう、天地がひっくり返るほどのど衝撃。最小の物質は「ひも」で、この世界は「11次元」でできていて、ひもが振動しなが
アジアで働く理由の半分:『リオリエント〔アジア時代のグローバル・エコノミー〕』
社会人生活10数年のほとんどをアジアで過ごしている理由の半分と言っても言い過ぎではないように思います。
この本を読めば、ビジネスで10年以上に渡って叫ばれている「アジアの時代」というバズワードが、2000年の深みを持った歴史的事実の結果としての主張であることがストンと腹に落ちるのです。
大学時代、ウォーラーステイン「近代世界システム」を学んだ延長で手に取ったこの本は、歴史研究の面白さとともに、